理外者
放課後僕は図書室で空間や時間についての本を探していた。ルーシルとララは買い物に行った、何買うんだろう?
「流石に全部読み切ったか」
そもそもの本の量が少なかったので全て読み切ってしまったようだ。
「ここに無いとなると皇立図書館くらいしかもう無いよな、行くの面倒だなぁ〜」
すると横なら手が伸びてきて僕は驚いて声を上げた。
「うぁっ!……レディセント先生でしたか」
「……驚かせてすまなかった」
割と大声を近くで聞いたのに相変わらずの鉄仮面のレディセント先生がいた。
「先生はこの本を取ろうとしてたんですか?」
僕は目の前にある「知識がなくても分かる空間について」という本を取り先生に見せる。
「……そうだ、ありがとう」
「先生もこういうの読むんですね」
「……ああ、魔法のイメージを持つために 」
「そうなんですね」
(そういえば学園襲撃の時転移してきてたな)
「……君は何を探していたのだ」
「僕も空間や時間の本を探してました、でもここにある本は全部読んでしまって」
「……なら俺のを貸そうか」
「いいんですか?」
「……ああ」
そう言って先生がタイトルの書いてない茶色の分厚い本を差し出した。
「ありがとうございます」
そしてその本を開いてみると
(あれ?何も書かれてないけど…)
真っ白だった。めくってもめくっても白い紙
(揶揄ったのか?でもそんな性格悪く無いはずだけど)
「あの、何も書かれてませんけど」
先生は何を言ってるんだというような視線を向けてきたが、すぐに何かに気づいたような目になる。
「……すまない、一度それを返してくれないか」
僕は先生に返すと表紙をなぞってまた僕に渡した。
「これで見えるはずだ」
(見えるはず?さっき何も書かれてなかったけど)
そう思いながら表紙を開くと今度は紙一面にびっしりと文字が書かれていた。
「えっ!」
僕は驚いて思わず顔を上げる。
「何で見えるように!?」
先生は少し黙った後、僕にこう言った。
「…俺は固有で『森羅万象』にその本を媒体に接続して情報を読むことができる。そして他人が見るには設定しないと見えない」
(レディセントの能力は全て明らかになってはいないと、公式設定集で言われていたがここまで意味不明な事が出来るなんて…)
僕はあまりの意味不明《理外》の存在に放心し、少しして我に帰る。
「そんな大事な物借りてもいいんですか?」
「…幾らでも作れるから最悪無くしても問題ない」
(訳わかんな過ぎる…)
こうして僕は先生の好意で新たな本を借りる事に成功した。




