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放逐女性達の旅人日記  作者: 霜月 睦月
第五章 ヘンリクセン王国 宝石の行方編
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ヘンリクセン王国 宝石の行方編9

「450!450はいませんか?!」

「500!」

「525!」


 どんどんと上がる値段。だけれども、ロマーナはまだ動く気配がない。いや、これはもしかしたらクヌートは買わない方向でいくのだろうか。まあ、2つ買わなくても商人は満足だろうし、私達もマルグレットがマージンの5%で当分の旅費は稼がなくてもいいだろうし、他の商品も2.5%のマージン入るわけで。こいつは大きいとは思う。

 いや、レートによるかもしれないけれども。それでも、根無し草の私達にしてみれば美味しい話である。あ、振込先の銀行はドノン共和国にあるよ。お家がないだけだよ。


「600!」

「610!」

「645!」

「730!」


 ここで、ロマーナが動いた。ここから勝負ということだろうか。まあ私は商人としての才能はないのでお任せであるわけで。なんかこの間に、今まで手に入れた商品が売れてないかなーとか思うぐらいだけど、多分、今届いたとかなんだろうなあ。私達がかった商品のマージンが手に入るのはいつになることやら。

 私達がマカーリオ帝国からヘンリクセン王国につくのに船で三日間かかったわけで、つまり三日前に買ったものが届く計算になる。三日前はバックを数点買ったわけで、そのバックがどれだけの値段で売れるか、ちょっと楽しみであった。

 それによっては私達も商人やってみようかな、って話になるけれど、もうそれはロマーナ頼りになりそうで、それはそれであれだった。


「1000!」

「1025!」


 なんだかんだ考えてるうちに4桁へいっていた。私達と競り合っている所は3つ。マルグレットのときも同じところだった気がするので、なんとも言えない感じである。返り討ちにできるのか、それともリベンジをされてしまうのか。

 まあ、こういう所でリベンジに会うのもまた勉強だとは思う。いや、なんの勉強で私達の役に立つかどうかは不明だけど。


「でも、ここは買って2つとも商人さんに贈りたいよね」

「それはね。だいぶ吐き出させたわけでもあるしね」

「苦笑いが目に見えたよね」

「まあ、それでも内部…、なんだっけな。なんだかがあるから、沈みはしない、って商人はいってたけれどね」

「おかね、いっぱい」

「そうそう、お金いっぱい」

「おかねいっぱいあったら、おねえちゃんたちは、どうする?」


ビーチェにそう言われ、私達は考えた。お金があったら、どうするか。家を買うか、家を建てるための土地を買って家を建てるか、の二択かな、と思ったけれど、こうやって旅を続けるのも悪くないとは思うしそうするとお金はあってもあまり意味がないのでは、みたいには思った。

まあ、ないよりあった方が確実にいいんだけれども。


「…………どうしようか、ヴィヴィ」

「どうしようかね、ルネ」

「………………まあ、多分」

「そうだね、多分」


「「贅沢しながら旅を続ることにはなる、とは思うよ」」


私と、ルネの答えを聞いて、ビーチェは満足そうに笑ってうなずいた。


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