ヘンリクセン王国 宝石の行方編8
「さて、3つある目玉のうちの2つが終わり、ついに最後の一つとなりました。これは最初の目玉、マルグレットが幻の青い宝石と言われるのに対して、こちらは、幻の赤い宝石、クヌート。こちらが今日最後の商品となります」
目玉の2つ目はスルーした私達。いやほら、いくら他人のお金とはいえ、そこまで使ってはいけない気はするので。もう十分、ライル社には利益を与えただろうし。いや、そこから色々引いて純利益となるのはどれぐらいかはわからないけれど。
多分この間にも、後ろでは明日へ向けての準備なんかもしてるだろうし、商人は仕事中はほとんど休みないんだろうなあ、って思う。いや、私達も仕事中はほとんど休みはないんだけれど。今も仕事中といえば仕事中だし。
「さて、このクヌート。まずは20ドンから行きましょうか」
「25!」
「30!」
「40!」
「45!」
いやはや、上がる。宝石が商品となると上がるのが早いものなのか。幻の宝石じゃなくてもそこそこ早かったとは思うけれど、これはそれより全然早いのである。いや、さっきのマルグレットもこれぐらいだったかもしれない。
やはりあれか。幻、とつくと皆高値を払ってでもほしい、と思うし、売れると思うんだろうなぁ。そんな中、ロマーナを見ると。
うごいて、いない。そう、ロマーナが動いていないのである。
「ロマーナ?」
「なんじゃ?」
「動かなくて、いいの?途中から動く作戦に変えた?」
「まあ、今から動かなくても、どうせまだまだ上がるじゃろ、という読みかの。今回は見じゃ」
「だんな、さま、かしこい?」
「賢いかどうかはこれ、しだいじゃのぉ」
カッカッカ、と笑ってビーチェを撫でるロマーナ。まあ、目的のものは一つ買ったからいいんだけれどさ、2つまとめて、って言われたから、とは思うけれど無理もしてはいけないんだよなあ。
うーん、中々に難しいな、オークションって。




