1-29:▼特等雷撃
ー別棟 避雷針整備庫ー
物思いにふけるVの表情が10年前の自分とオーバーラップする。
「あいつのことだ、間違いなく完成させたろう、、、もっと話を聞いてやりゃよかったな。。。
まぁ、その電話の直後あの事件が起きて、その蓄電方法は闇の中に一旦沈んじまったってわけだ。。。」
「父さんその新システム、Vに見て貰いたかったろうなぁ… ん?ってか一旦って??」
「まぁその後、Qが血反吐を吐いて実証してくれた膨大な試験結果からようやくそれがどういう技術かってことはあらかた分かったんだ。だがな、、、実は厄介なことがあるんだわ。」
「厄介なこと??」
「超瞬間的でものすごーく膨大な電力がシステムの起動時に必要なのよ!
要はスーパーセルをもはるかに凌ぐ、超ド級クラス。特等雷撃ね!」
突如二人の後ろからAの声が聞こえる。
振り返るとそこには腕組みをした仁王立ちのAとバツの悪そうなQが立っている。
驚く二人を笑顔で見つめながらAが続ける。
「エル、あなたやっぱりタイトの子ね… 全然動じてないじゃない!」
「うん、、、俺小さかったから父さんのことあんまり覚えてないけど、多分、、、いや、絶対、父さん大満足だったろうなって思うからさ。。。
それよりも、俺、、、
父さんが命かけて残したその新しいシステムっていうのがどういうものなのかって方が気になっちゃうんだ!」
涙を薄っすらと浮かべるその緑の瞳の奥は、小さな光が灯っているかのように見える。
「おい、A!おまえ、何入ってきてんだよ!」
「もういいんじゃない?あとはみんなで話しましょうよ。技術的な解説も必要だし~」
大きなため息を鼻から漏らすV。
腕を組み直し、椅子にのけぞるように改めて座りなおす。





