第29話 女の勘
今週も何だか書けませんでした…!
す、スランプ…?
【律明大付属】【柔道場】
14時58分。いつもとは違う緊張感に包まれた道場の片隅で、少し息を切らせる森川さんから受け取った新品の道着に袖を通した。以前に渡されたプリントに記入したサイズ通りの学校指定の柔道着。折り目の付いた硬い道着はなんだか緊張している心の表れのようだった。
「ぴったりだね!」
「う、うん…。」
森川さんは先ほどまでと違い、いつも通りの明るい話し方だ。けれど私は上手く返す事が出来ず、ぎこちなくなってしまった。
「何緊張してんだよ。」
突然ドンっと背中に大きな衝撃を感じる。不意打ちに思わずふらつきそうになるのを堪え、声の方向へと目を向けると大輔が得意げな顔で佇んでいた。
「…痛い。」
「でも緊張は解けたろ?」
「まぁ…うん。」
お礼を言うのは何だか癪のなので話を濁し森川さんの方へと視線を戻した。
「森川さん。ありがとう。いつ戻れるかも分からなかったのに道着を用意していてくれて。」
「どういたしまして。国東さんは絶対に戻ってくるって信じてたから!」
「…どうしてですか?」
「フフン!女の勘ってやつ!」
そう言うと森川さんは両腰に手を当ててニィっと不敵にほほ笑んだ。
「…ふふっ。」
「あ、国東さん!今笑った!?」
「ご、ごめんなさい。」
「ううん!いいの!…本当に変わったね。」
「…はい。」
森川さんに言われ、少し気恥しかったものの私は肯定の返事を返した。以前からは考えようもない程に自分でも変わったと思う。左手で抑える右手は今もこうして緊張で少し震えている…。けれどこの緊張の中に、確かに胸の高鳴りを感じていた。
「国東。そろそろ準備は良いか?」
武本先生の問い掛けに私は「はい。」と、精一杯に力強く答えた。
【国東家】【リビング】
「そろそろ始まるころじゃない?」
久しぶりの休日のリビング。静寂の中で奏の声が鼓膜を震わせた。
「どうだろう。もう終わってるかもしれないし、まだ始まってないかもしれない。」
「あ~あ。やっぱり見に行けばよかったかなぁ。」
そう言いながらも彼女はソファーから動く気配はなかった。
「ねぇ。零音ちゃん。勝てると思う?」
「どうかな。でも勝ってほしいなって思うよ。」
「そっか…。そうだね。勝ってほしいね。」
「あぁ…。」
そう言うと彼女は天井を眺めて独り言にしては大きな声で「早く彩音のご飯が食べたいなぁ~。」と呟いた。
ちょっとしばらく様子を見つつゆっくり書くことにします~!
金曜投稿は続ける予定です!




