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国東零音は褒められたい  作者: KanaMe
31/32

第28話 覚悟

進捗ダメです!!

【律明大付属】【柔道場】


(あの大会から2年とちょっとか…。)


 柔軟をしながら、物思いにふける。柔道の推薦でこの律明大付属中学に入学し、入学式より前に始まった部活の初日。あの日見た面影は一切消え失せた、まるで抜け殻のような国東零音を目の当たりにし、ずいぶんと落胆したのを覚えている。


「香川さーん。聞いてますかー。もう歳ですかー。」


(何度やっても本気を出さないアイツに毎日のように腹立てたっけな…。)


 思い返せば入学してから今日までの間、アタシはアイツにきつく当たってばかりだった。勝手に期待して、勝手に裏切られた気分になって。我ながら本当に…。


「香川さ…。」

「うっせぇな!聞こえてるよ!」


 人が物思いにふけっている時に、ずっと隣で話しかけてくるこの女。森川由美は相変わらず語尾に嫌味を付け加えないと会話できないらしい。


「何よ。聞こえてるなら返事すればいいじゃない。」

「集中してんだよ。話しかけてくんな。」

「あっそ。国東さんとの試合。アタシが審判することになったから。」

「ふんっ。真面目にやれよ。」

「言われなくてもちゃんとやりますーっだ!」


 森川はベーっと舌を出し散々煽った後で国東の方へと向かっていった。


(ったく。うるせーやつだ。)


 森川の背を眺めながら中断していた柔軟を再開した。




「さて、零音さんや。そろそろ身体も温まったじゃろ。」

「はい。」


 大輔に打ち込みを手伝ってもらい、ずいぶんと身体は温まった。少し乱れる呼吸を整え、宗一郎さんの方へと身体を向けた。


「それで。覚悟の方はどうじゃ?」

「…。」


 覚悟。改めて問われると返す言葉に困る。香川さんと戦う覚悟はできている。けれど、問われているのはそうじゃない。すぅーッとゆっくり深呼吸をし、少し感覚の狭まった心音を落ち着かせる。


「負けたら…。その時は柔道を辞めます。」

「れ、零音!」


 隣を見るとお姉ちゃんが心配そうな面持ちでこちらを見ている。


「大丈夫だよお姉ちゃん。私が勝つ…から。」

「お、言い切ったな。」

「ふふ。頼もしいわね。」


 変わらず心配そうなお姉ちゃんを挟んで南戸姉弟が笑顔で言う。


「ふむ。覚悟も決まっているようじゃな。ならば言う事は無い。思いっきりやってきなさい。」

「はい!」


 私は腹から声を出し、応えた。


「国東さん!えっと…その…久しぶり。だね。」

「森川さん…。」


 声のした方を向くと、森川さんが少し気恥しそうに佇んでいる。


「香川さん。もういつでも準備できてるみたいだけど…。国東さんはどう?」

「はい。私もいつでも大丈夫です。」

「…変わったね国東さん。」


 森川さんは相変わらず少し気恥しそうな面持ちながら、声は幾分か柔らかくなった。変わった。森川さんに言われた言葉に私自身もそう思った。以前ならすぐに返事が出来なかっただろう。だけど変わった。いや、変わるように皆が手を差し伸べてくれた。変えようと頑張ってくれた。だから、こんな私でも変わる事が出来たんだ。


「ところで国東さん…。」

「はい?」

「その…道着ボロボロだけど…?」


 言われてみれば南戸家での特訓以前より、既に限界が近づいていた道着は今にも袖が千切れてしまいそうなほどにボロボロであった。


「ど、どうしよう零音!?替えの道着とかってある?」

「いや…。持ってきてないです。」

「大輔。とりあえずあなたの道着を貸してあげなさい。」

「お、おう。まぁ仕方ねえしな。」


 大輔は着ている道着を脱ごうと帯を緩めたところで、森川さんがそれを制止した。


「この前注文用紙渡したよね?」

「そういえば。」

「新しいの届いてるから持ってくるね!」

「ありがとう。森川さん。」

「どういたしまして!」


 森川さんは背を向けると、道場の入口へと駆けていった。

いい加減書ききりたいので次回本気出します!!

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