表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

誰がリア充だよ!

「部活作ろうぜ!」


いきなりこんな所から始まってすまん。

状況を説明するために少し時を戻ろうと思う





「いやー、晴天っていいなー心が洗われるようだよ...春美、お前もそう思うだろ?」


あ、ちなみに俺の名前は緑川雄一みどりかわゆういちです。黒髪に中肉中背と見た目に関しては言い返せないほど特徴がない。

豊穣学園の高等部一年A組に所属している。 (豊穣学園はほぼ中高一貫式で中等部と高等部がある。ちなみに妹が居るが中等部にいる)

今は高校一年の六月というふつうなら出会いの時期なんだが中高一貫式の代償としてほとんど顔触れも変わらず、もう出会いとかない。まぁ、反対に言えばみんな始めから顔見知りだから気兼ねないんだけどな。



「雄君、晴天が気持ちいいのはわかるし同意もするけどその言い方はやめて欲しいのとそういうなら朝早く余裕を持って起きて欲しいな…私に起こさせないで」


こいつは七瀬春美ななせはるみ。同じく一年A組、地味に委員長をやっている。俺の家とこいつの家が近くて子どの頃から遊んでいたいわゆる俺の幼なじみって奴だ。俺達はお互いに雄君、春美と呼んでる。ん?なに?リア充?ちげーよ!

なれちゃって呼び方がかえられないんだよ!

春美が言ったように俺は毎朝起こしてもらっている


「あのな春美、俺は朝に弱いんだよ、それに起きてないときには天気なんて関係ない(キリッ」


だから出来る限り良い顔で答えてやった


「...多分今ほど雄君との朝の登校にイラッと来たことはないと思うよ...」


なぜだ!なぜ春美からあんな怒気を感じるんだ...まずい、なにかわからないがなんかまずい気がする


「あ、あの春美?」


「なにかな...雄君?」


あはは、なんだろう周りが春美の怒りで歪んで見えるような気がする。



...逃げよう!逃げなければ危ない気がする!

主に俺の生命活動が!


「お...俺、先行くわ!忘れ物した!した気がするから!」


俺は春美から全速力でにげた。



学校


朝のホームルーム前に俺は完全に疲労困憊、死にそうな顔をしていた(らしい、後にほかの奴から聞いた)

理由は簡単、春美の愛(怒り)の鞭が飛んでこない用に全速力で逃げたからだ



「お~、緑川、大丈夫か?なんか今にもエジプトのピラミッドに安置されそうな顔しとるが」


それは暗に俺が今ミイラみたいだと言ってるのか?回りくどい。言うならハッキリ死にそうな顔と言って欲しい (むかつくが)


こいつは志村麻雨土しむらまうと俺の友達。黒髪でとてつもない天然パーマで本人もそれを気にしている。低身長、声が低い、知能が低い。と低い尽くしだが良い奴だ、それに口が回る。

昔、俺はこいつの話術で救われたこともあったな。それには感謝している


「おい、今、心の中で俺のこと貶さなかったか?」

 

読心術でも会得してるのか?コイツは?時々そう思ってしまう鋭さがあるぞ...

  

「気のせいだ」


一応だけど誉めてやったし。


「そうか?ならいいんだ。なんでおまえそんな死にそうな顔してるんだ?」


「ん?あぁ、朝に春美に良い顔で答えてやったら何故か怒ってな...命の危険を感じたので全力で走って逃げてきた...ってカッターを刃を出してこっちに向けて投擲しようとするな!!」


「ウルサイ、コロス」


「またもや、命の危険!?」


なんでこんな朝っぱらから命の危険を二度も、しかも本気で感じなければならんのだ!


「うるせェェ!!なんだテメェは緑川。朝からぐったりしてるからなんだと思って心配してやったらその原因が痴話喧嘩だと?春美さんなんて美少女と幼なじみってだけでも許せないのに俺の心配してやった気持ちを返せ!」


いや、しらねーよ!

春美は確かに男子に人気があるらしい(これも聞いた話)、だがな!


「あいつの本気の怒りは超怖いんだぞ!?」


「知るかっ!まず俺達はその本気の怒りを向けられるほど親しくもねぇんだよ!なんだ?逆に自慢か!?このリア充爆発しろ!」


「誰がリア充だよ!彼女いない歴=年齢なめんな!」




そんなバカな言い合いをしてる俺達に近付くイケメンが一人


「...なにを騒いでいるんだい?」


その一言で俺達の口撃のしあいは一度中断した。


「ん?あぁ、颯か」


「止めないでくれ、氷室イケメン、ソノリアエモノコロセナイ。」


何だ!?麻雨土はどんな言語を話しているんだ!怖すぎる!


「い、一度落ち着け!麻雨土」


「そうだよ、一回落ち着いて僕にも事情をはなして?」


俺と一緒に止めてくれるこの青髪のイケメン。名前は氷室颯ひむろはやて。高身長・顔が良い・普通の時の性格はいい・スポーツ得意と言わずもがなもてる。滅茶苦茶もてる。だってモデルみたいだもの!てかなんで地毛と目の色が青なんだよ!俺や春美や麻雨土は特徴もない黒髪で黒目なのに!だがこいつにはそれを補ってあまりあるほどの欠点がある。


それは...


「足が天についてないから...落ち着いて...」


そう...


「颯...」


コイツは...


「なに?」


とてつもないレベルの...


「それを言うなら足が地についてないだ...」


バカなんだ...


ほら見ろあの、決して成績の良くない麻雨土でさえ、その間違いに俺への怒りを忘れて呆然としてるじゃないか...。


「...間違えた。」


「どうやったら間違えんだよ、氷室...」



順位で表すと学年で165人居るんだが俺は53位、麻雨土は121位、颯は164位ともう後ろが一人しかいないレベルのバカだ。ちなみに春美は8位、頭良すぎだろ


「麻雨土...颯にも教えてやってくれ、わかりやすいように」


「説明ならまぁ、任せろ。

よく聞け、氷室」



~説明中~


「と言うわけだ」


「なるほど...雄一」


真剣な顔をして颯が俺を呼んだ。それだけなのにすごいいやな予感がする


「なんだ?」


あぁ、気のせいでありますように安全な言葉でありますように


「七瀬さんとはヤったの?」


爆弾落としやがった


「ブッ!!そんなわけねぇだろ!!まず付き合ってもないのに!」


「え?突き合う?」


なんて危険な聞き間違いしやがる...


「そっちじゃねぇよ!いや、それもしてねぇけど!」


そう、コイツは顔に似合わずバカでさらに救いようがないほど脳がエロに直結している。

コイツはよく告白されるのにまともに付き合った事が一度もない。その理由は至極簡単、告白されてOKを出した瞬間エロい方向に行動を起こそうとする。

そして振られる。

その逸話からついたこいつのあだ名「エロの英雄ヒーロー」その名の通り男子からは臆せずエロい単語を女子に言うことから英雄視されている。

だが口数は少ない。まぁ、そのために一見クールだから告白が耐えないんだろけどね!

くそ、基本スペックの差か...

だがとりあえずみんなの共通認識はもう救いようのないバカだ



「雄君?なにそんな叫んでるの?」


「ん?あぁ、朝からこいつらが俺と春美の事に関して色々と.........っては、は、春美!?」


このタイミングで一番会いたくない人間に会っちまったよ!チクショウ!


「え?私と雄君の色々な事って?てか雄君さっきからうるさいよ?」


やめてくれ...

話の詳細を聞くのはやめてくれ...


「あぁ、春美さん...それはね雄一と春美さんがもうヤっt」


「颯ェェ!テメェは黙ってろォ!!」


お前の発言は今の俺にとってはもう死刑宣告に等しいんだよ


「...わかったよ」


解ってくれて俺は嬉しいよ、うんうん

解ってくれたから俺は助かって


「何言ってんだよ、緑川、春美さんとお前が付き合ってるんじゃないかって話だろ?」


無かった。

忘れていた、この馬鹿(悪魔)の存在を

そして感じた、本日3度目の命の危機を


「なんて事言ってくれるんだ、テm...」


その言葉は届くことは無かった。なぜなら。


「私と緑川君が?///そんなっ、恥ずかしいよッ!!!!」


「ヒデブッ!」


照れ隠しに放った春美のパンチが俺の顔にクリーンヒット。そのまま意識を手放したからだ。


麻雨土、俺は意識を失う寸前に見た、テメェのその「ざまぁみろ」の顔忘れねぇぞ...!!









「知らない天井だ」


まぁ、んなわけないんだけどね


ここは保健室だ。俺は春美に意識を刈り取られた後、「いつものように」保健室に運ばれたらしい。


「あ、雄君!起きた?」


やっぱり横には「いつものように」春美がいた


「ん?あぁ、たった今な、ちなみに今、時間は?」


「二限目が終わったところだよ」


丸々二時間はねてたと...


「ごめんね、雄君...私、恥ずかしくて」


そう言って俯いてしまった


「別にやっちまったもんはしょうがないさ」



だから俺は頭を撫でて安心させてやる、こうやると昔から嬉しそうにするから


「雄君、ありがと...」


う...なんだろうすごい良い雰囲気になってきてないか?だがこういう時に限っていつも邪魔がくるんだよな...ははは、いつもそう邪魔がくるわけないけど


「ヤッホー!見舞い来てやったわよ雄一~」


うん、知ってた、邪魔が来るって!

俺は撫でてた手を急いで下ろしたバレないように


「なんだよ、佐藤」 


こいつは佐藤由利さとうゆり隣のクラス(Bクラス)で

...今まで通りの見た目の説明をすると髪は茶色 (本人曰く遺伝)なんでそんな特徴的な髪色になるんだろうか。

そして女子の中では、俺達男のバカ三人集のテンションについてこられる希有な存在である。

...ホントに女子でついてこれるのってまれなんだよな、麻雨土のテンションについてこれないから。そう言う意味ではコイツもバカなのかもな。成績は麻雨土とどっこいどっこいだし。

時々うちのクラスに来て麻雨土と騒いで帰るからな...頻度は低いが


「ご挨拶ね~今、言ったでしょ見舞いに来たって、『また』春美ちゃんに殴られて保健室に送られたって聞いたから」


そう、『また』なのだ。今日のように麻雨土が俺と春美との仲をはやし立てる度に俺は照れ隠しの攻撃を食らうのだ。最近は耐性がついてたんだが付き合うとかはまだ無理だったらしい



「でも、アンタが元気で安心したわじゃあ私、先教室戻るわね、アンタもその機能停止した春美元に戻して自分のクラス戻りなさいよ」




「え?...春美が本当に機能停止しとる!?」


「う~、見られたかも、頭なでられてる所見られたかも...付き合ってるって思われたかも...」


ヤバイ、これは相当マズい。休み時間は恐らく残り五分程度、だがこの壊れよう、治すのに恐らく20分はかかる


「春美って真面目な反面こういう場面に弱いのよね~治すのてつだえとか言われたらめんどいから帰るね、じゃあねぇ~」


「おい!待て、佐藤!せめて休み時間ギリギリまで手伝ってくれよ!おい、いや、手伝ってくださいお願いします!」


「嫌よ」


「即答!?」


「ただでさえ成績が悪いのよ?治すのに時間書けて勉強する時間が惜しいもの」


「いや、お前そんなキャラじゃないじゃん!?」


むしろ低得点バッチコイなキャラじゃん!


「ハッキリ言うと一人にさせた方が面白そうだから、だから、頑張って」


と言って戻って(逃げて)行った





~30分後~


「おい、春美ー、大丈夫だから、見てないから多分見てないから」


「うー」

30分こうやって呼びかけてるのに反応がうーとかしか返ってこない...さて、どうしたものか



「うー」


このままにしておくわけにも行かないし...

もうアレだ。この状態のまま教室連れてくか




廊下(1-A教室前)



くそ、ほとんど動かない春美を連れてくるのがここまで辛いと思わなかった...いつもなら歩いてどんなに遅くても数分でつく道のを10分もかけて来ることになろうとは...


今の状態?俺が春美を担いでる状態だ。今、ここで目を覚ますと大分マズいことに...あ、これフラグだわ


「うーん、あれ、雄君?」


やっぱりかよ!とにかくまずい...この状況は...!


「あ、アレ?この状況って」


あぁ、俺の人生の終焉のカウントダウンが聞こえる




「あのな、春美、これは別に変な状況じゃなくてただおんぶしてるだけでな」



「と、と、とりあえず、お、お、おはよう春美」



「う、うわぁぁぁぁ近いぃぃぃぃ!!」



「えと、すいませんでしたぁ!ゴフッ!」


祝!本日4度目の命の危機







目覚めた場所は今度は保健室ではなく教室だった


「お!おきたか緑川!」


「あぁ、麻雨土、状況を説明してくれると嬉しい」


いや、だいたい予想はつくんだけど


「いや、俺たちも驚いたんだぜ?なんせ三限目が終わっていざ廊下出たらお前が倒れてたんだから、まぁ、周囲の状況から見るに春美さんがまたやったんだろうな、とみんな納得してたけど」


それで納得されるのなんか嫌だな!いや、でも普段の俺たちのテンションからすれば解らなくもない...のか?


「で、その春美はどうなってるんだよ」


「春美さんか?今は普通だぞ?」


良かった...あのままの状態だと無限ループが確立されてしまうところだった...

無限ループって怖いよね



「まぁ、間もなく授業が始まるところだ、お前はこの授業寝るとかして休んでおけ」


「ん、あぁ、ありがとな」


麻雨土の言葉通り4校時開始二分前だった。


「あ、あと昼休みに話があるから俺、緑川、氷室の三人で昼食をとろう」


話?まぁ...コイツのことだ。

あまり重要な話ではないと思うが、断る理由もない


「あぁ、かまわないよ」


「ありがとう。ちょうど先生も来たな、じゃあまた昼休み」


「おう」


4限目 科学



始まってから20分。

俺は寝る気は無かったんだが睡魔に負けようとしている...その主な理由だが


「そう、先生は昔アメリカ当たりに少しすんでいた事があってな、その時の話なんだが」


先生...開始20分たったっていうのに一度も教科書を開かず、自分の昔話で時間を潰すってどういう事ですか?

授業として成り立っているんでしょうか?

いや、先生の話とか興味ないですから!

多分その知識が生かされることはないと思います!

それより役に立ちそうな科学の授業をして下さい!


その後も続く先生の昔話に、先生がアメリカで出会った親友のくだりでついに俺のまぶたは眠気に屈しようとしていた。


あぁ、ダメだ...こりゃ寝るわ.........





昼休み


どうも、こんにちは


1,2,3限目を失神で過ごし4限目を睡眠時間に当てた緑川です。


いや、4限目は寝る気無かったんですよ?本当ですよ!?


先生の昔話という子守唄さえなければ起きていられましたよ!


なに?言い訳はもういい?確かにそうです、言い訳ですね。なんでこんな心の中の癖にハイテンションなのかって?

昼食だからです高校生の心のオアシスのご飯の時間です。

メンツは最悪だけど!



「で?なんのようだよ、麻雨土」


「そうだよ、話があるって話だけどどんな話なの?」


「部活を作ろうぜ!」


と、ここで冒頭に戻るわけだが、正直言って戻っても状況がよく解らなかった


「意味分からん、理由と活動内容を簡潔に五十文字以内で述べろ」


「理由と活動内容を合計五十で!?いや、やってみるか」


やるのか...バカだな


「理由はこんなバカするなら人集めて部活すれば面白そうだったから!活動内容はそうだな遊べればなんでもいいや!」


おおう、本当に五十文字で説明しやがった...


てか五十文字で説明できるってどんな内容薄い部活なんだよ...


「部活内容が遊ぶだけとか全く受理される気がしないんだが」


これで作れたらある意味奇跡だと思う。


「それに部活申請に必要な人数って五人だろ?この三人とあと誰にする気だよ」


予想は付くがな


「何言ってんだ?俺、緑川、氷室、春美さん、由利に決まってるだろう」


「やっぱりかよ!メンバーの中で春美だけそんなバカじゃねぇんだから、こんなバカなことに付き合わせたらかわいそうだろ!颯もそう思うよな?」


氷室は話を聞いてから一言も発していない黙ってふるえている。

きっと怒っているのだろう



「...そう」


「え?颯、なんだって?」


声が小さくて聞こえなかった


「...すっげぇ楽しそう!!」


なんか楽しみに震えていた。


「おお!分かってくれるか!氷室!」


「ああ!みんなで遊ぶって楽しいもんな!楽しい部活にしようぜ!」


あぁ、麻雨土(阿呆)と颯(馬鹿)が手を組んだ...


「雄一も協力してくれるよね?」


えぇー、やっぱりそうなるんですかー


「まぁ、しょうがねぇなぁ...」


これも俺の悪いところだ。頼まれるとどうしても断れない。悪いところだと自覚しているが


「よし!申請書も作ってあるし早速申請するぞ!」


「受理されるとは思えねぇけどな...」



早速俺達は阿呆のテンションに流されるがまま部活申請へと乗り出すことになった。




廊下



「なぁ、麻雨土、部活名って決まってんのか?申請に必要だと思うんだが」


「あぁ、その辺は抜かりない遊技研究同好会と言う名前にしようと思う」


なげぇな!


「長いな、おい」






「じゃあ、お前は娯楽部みたいな名前で良かったのか?」


それはだめだろう...某百合アニメの部活名そのまんまじゃないか



「それは...駄目だな...ていうか同好会なんだな、さっき部っていったのに」


「いや、部活だぞ?同好会だと部費でないだろ?」


「部費にこだわる要素ある!?」


名前まで同好会にしてあるのに!


「部費使って合宿するとか楽しそうじゃね?」


そんな理由かよ!いや、楽しそうではあるけれども!


「合宿...麻雨土泊まるところは温泉付きで混浴にしよう」


「颯?お前は合宿をなにか旅行とおもってないか?」


あぁ、もうめんどくせー!もう名前の話はあいや!



「もういいよ...活動内容は?」


一番重要だからな...そうそう馬鹿な風には...


「世界中のありとあらゆる遊びの研究」


あぁ、やはり通る気がしない...馬鹿だった







職員室


「部活動作成の申請に来ました」


本当に来てしまった...

俺たちが狙う先生はそこそこ人が良さそうな先生。さらに女性(これは颯の要望である。変態め)

その条件に当てはまる先生は国語教師白神零(しらがみれい) (24)若く美人な先生で美人なのになかなかユーモラスな性格をしている。


「え?あぁ、バカ三人ぐ...通称バカ三人組ですか」



あれ?言い直したよね?言い直したのに通称がついただけに終わってない?てか通称されてるのか...出来ればいつもの先生の冗談であって欲しい


「あなた達が作る部活なんてろくなものじゃない気がしますが...」


白神先生、そこには俺も同意です。ですが俺たちを一括りにしないでください。こいつらよりはマシな自信があります。


「とりあえず見せてください」


「はい」


そう言って、麻雨土が持っていた申請書を見る白神先生。


あ、先生の顔がみるみる険しくなっている


「あのね、あなた達?」


「はい」


「こんなふざけた部活動を受理できる訳ないでしょう!?」


ですよねぇー!



「遊ぶだけの部活ができるとあなた達本気で思ってたんですか?」


このバカ二人は思ってたようです。先生


「一応出してみますが...」


あ、出しはするんだ。さすが生徒をないがしろにしない先生ランキング (非公式)、結婚したい先生ランキング (非公式)、優しい先生ランキング (非公式)のV3を達成した先生だ。


ちなみにこの非公式ランキングは麻雨土発案。

麻雨土監修で行われている。

この非公式ランキングで俺はBLが似合いそうな男ランキング (氷室との)で一位をマークしている。俺の中の学校生活で忘れたい思い出ランキング (当社比)で一位をマークしている。俺はホモじゃねぇ!


「もう昼休みも終わるから早く教室に戻りなさい。次は私の授業よ」



やった、戻れるぜ!こんな面倒そうな部活の話からおさらばだぜ!






ん?何か忘れてるような...




五限目


今は先生の授業の時間だって?そんな事はどうだっていいんだよ...なんでこんなテンションが低いのかって?俺の弁当オアシスタイムを忘れて食えなかったからだよ...!あぁ、やる気が起きない...




くっ!本当は使いたくなかった手段だがしょうがない!白神先生の授業でしか出来ない手段!


「先生...!弁当を...弁当を...!食わせてください」


正直に今の気持ちを先生に言い食う!バカじゃないかって?昔、コレと同じことやって食った奴居るから平気!!


「駄目に決まってるでしょう!?」


「せめて...!せめて...!一口...一口だけでいいんですっ...!」


二度押せばだいたい先生は折れる


「そこまで気迫を出されると断りにくいじゃない...今回だけですよ?」


計画通り!さぁ...俺の弁当オープン!



そこにはあり得ない光景が...



白飯だけ...だと!?梅干しが入っている訳でもなく、ふりかけがかかっているわけでもなく、ただの白飯オンリーだと!?

そんな弁当箱についていた紙についていたメモには



「ごめん。寝坊しちゃった☆おかずは他の人に分けてもらって



           愛しの母より」






うわぁぁぁぁぁ...!!!!


母よ...なんか今日弁当渡すとき気まずそうに目をそらしたと思ったらアンタ...あんまりだろう...!



「緑川君?どうしたの?」


「先生...!」


今は弁当を食うより大切なことが出来てしまった。


「なに...?」


「家のクソババァ殴ってきていいですか?」


「さすがにそれは駄目!!」


今の最優先事項はアイツの頭を叩いて治すことだ...電気製品みたいに!!飯だけでどう食べれば良いんじゃぁぁぁ!!!


「授業中にお弁当食べたいって奇行に走った上に自分の母親殴って良いですかって流石に許容しがたい物があります。少し廊下で反省しなさい」


「それは廊下に出して母お...いえ、クソババァを殴りに行って良いって言う先生の優しさですか?」


「駄目に決まってるでしょう!?」


「大丈夫です!先生に迷惑はかけません!」


「この問答がすでに迷惑です!」


なに...?この会話のキャッチボールが迷惑だって?そうか...先生は...


「先生。ツンデレですか?」


「どこから今の質問に飛ぶ要素が!?」


「こんな楽しい会話のキャッチボールを先生が迷惑と言うからです。」


「あなたは...はぁ、もう座って静かにしてください」


「いや、でも先生」


「静かにしてくれないんですか...?」


「えっと」


「...............」


「静かにします... 」



無言の重圧が強すぎた...まさか白神先生にこんな面があるとは...


え?こんなバカな事してクラスメイトは何をしてるって?


俺の席はちょうど真ん中あたり...ここから周りの生徒の状況を説明してやろう


俺の前 ...話を聞いてるふりをしながら寝ている、話を聞いてるふりをしながらねるというのは凄いが俺が騒ぎ出したことで真剣に聞いてないのバレバレだぞ


俺の右隣...麻雨土だ。俺が騒ぎ出したのを良いことに昼に食い忘れた弁当 (菓子パン)を食っている。くそ、うらやましい羨ましかったのでさり気なくパンを一つ踏みつぶしておいた。ちなみに通称バカ三人組最後の一人颯の席は麻雨土のさらに右隣だ


左隣...またかと呆れながら真剣に授業を受けている。しょうがないだろ、腹が減っては戦が出来ぬと言うだろ?勉強という名の戦には弁当が必要だったのさ............白飯だけど


後ろ...呆れもせず、興味も示さず授業だけを聞いている、ちなみにクラスの副委員長。堅い奴だな...このクラスには珍しい堅物だ。


分かると思うがこのクラスはバカな奴と真面目な奴が半々の割合で構成されてる。だがバカのキャラが濃すぎてすごいうるさい。素晴らしいくらい。みんなそのうるささに慣れてきている。いやー、慣れって恐ろしい





授業も終わり五限目も終了となった...白飯がトラウマになりそうな悲劇も有ったけどな...



「テメェェェェ!!緑川ァァァァ!」


そこにトラウマになりそうな麻雨土の顔も出現した。


「なんだ、麻雨土?そんな飯を食ってる最中に飯の一部が踏みつぶされて切れてるような顔は?」


「やっぱり確信犯か!コノヤロォ!」


「ハッハッハッ、俺が白飯だけだったのに横でパンをうまそうに食ってんのがわりぃんだよ!!」


「逆恨みだろ!」




「二人ともやめてよ...これ以上の争いは不毛だよ...」


そこに立ち塞げる唯一の存在で俺たち通称バカ三人組唯一のイケメン氷室颯のお言葉



おお...あの颯が言葉間違えていない...感動だ...


「どけ、颯、お前には関係ない...!」


「いいや、関係あるよ」


おお、さすがイケメン仲間だからとか言う発言が来るか?


「それは何故だ?仲間だからとか言うなよ?臭いから」


同じ事を考えたらしい


「ううん、そんな事は言わないさ、なんせ...」


「なんせ...?」



「僕も踏みつぶしたからね!」


キラーンという擬音が似合いそうな顔で言いやがった、って


「「お前もかよ!!」」


「どうりで届く訳ない右側のパンも潰れてると思ったらお前もやったのかよ!」


哀れ麻雨土..両サイドのパン合計2個も葬られるとは...


「ごめん、麻雨土のせいでお昼ご飯を満足に食べられなかったのにその麻雨土が美味しそうにパンを食べてて雄一がふみつぶしてたかつい...」


「ついじゃねぇよ!お前、確かに俺のせいかも知れないけどパンに罪はないだろ!」


流石に俺が止めてやらないとな...


「麻雨土、起きたことは起きたことでくよくよせず前を向けよ...犠牲になったパンがかわいそうだろ...?」


ふ...決まったな...これは綺麗に決められたはずだ。ほら、麻雨土も前を向こうと悲しみを耐えて震えている。


「まずパンをはじめに潰して犠牲にしたおまえが言うんじゃねぇぇぇ!!」


「くそ...バレたか...」


綺麗にまとめたと思ったんだが...


「バレバレじゃぁぁぁあ!」


「自業自得だと割り切れ!」


「無理に決まってんだろ!その腐った根性叩きのめしてやる!歯ァ食いしばれ!」


ここから死合いと言う名の喧嘩が勃発。


六限目開始のベルの瞬間までその闘いは終わることは無かった...颯はその間に飯を簡単に食べたらしい...あれ?まともに食ってないの俺だけじゃないか?



六限目


もうこれ以上は飯のことを思い出すのはよそう、暗黒面に落ちそうだ..


それよりも申請を一応すると言った部活のことだ。

万が一、百歩譲っても、天地がひっくり返っても、全く通る気がしないがアレが作られたらどうなってしまうのだろう?

まぁ、採用されたら自分のことよりこの学校の行く末を心配されるレベルの部活だ...



だけど、俺は口ではこういっているが別にあまりあの部活に否定的じゃない


楽しそうだからだ。シンプルにそれだけ...


...中等部の前半までにはこんなバカな考えは出来ていなかった...。少なくともあの未来の目標から挫折し、絶望し、ふさぎ込み、今のあいつらに出会い、救ってもらうまでは。

今のようにバカな事が出来るようになるまではこんな考え方、出来なかったんだろうな...そう言う意味なら俺はあいつらに返せないほどの恩があるって言える。颯にも、佐藤にも、麻雨土にも、もちろん春美にもだ。だから俺はこの恩を返すためなら俺に出来ることはするつもりでいる。バカな部活をする事でも、だ。


つい暗くなってしまった...やっぱり昔の事を考えると駄目だな、立ち直れたと思ったけどまだ駄目だ。ちゃんと俺が過去と向き合えるようになってからこの過去を精算しよう。それまでは高等部に入ってからのバカな俺のままで...、あいつらに恩を感じてるなんて見せないで...一緒に過ごしていこう。


なんか、おかしいな...授業に集中しよう。そして、授業が終わったら元の俺に戻ろう...




放課後


授業もホームルームも終了し帰るだけとなった。今日もいつものメンバー、俺、春美、麻雨土、颯、佐藤と帰ることになった。


そんな帰り道の風景


「今日も授業というなの拷問が終わった...。家に帰ったら寝よう。僕の馬鹿な頭が爆発しそうだよ」


あ、馬鹿って自覚合ったんだな。それだけは感心できる


「そうだな...俺なんかパンは潰されるわ、何故か緑川と殺し合いするわで散々な目に遭ったな…」


「おい、麻雨土、俺の一日と比べてから言ってもらえるか?俺は二度失神、弁当白飯、麻雨土との殺し合い。という高校生とは思えない一日だぞ」


ホント見直すと濃い一日を過ごしている...


「失神...ごめんなさい、雄君」


う...謝られるとネタにしにくいじゃないか...


「あー、悪い、春美、怒ったみたいに言ってるけどそこまで怒ってねえから気にすんな」


もとはといえばからかった麻雨土のせいだ


白飯は許せないけどな...ババァ、覚えとけ...


「そう?ありがとう、雄君」


笑顔を見せてくる、かわいいなー、こいつー


「あのさ、お二人さん。見せつけるならよそでやってくれない?そろそろ麻雨土が我慢の限界らしくて血の涙流して鋏で雄一の喉元狙ってるから」


佐藤がそんな事を言ってくる。気にしないようにしてたのに...現実に引き戻されたよ...



さて、麻雨土はと




「リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す、リア充殺す」


「麻雨土、駄目だよ!人殺しは駄目!」


みなかった。俺は何も見なかった...そう、何も見なかったんだ。呪詛の言葉を投げかけてくる男なんて見なかった。


そしてありがとう颯、お前が居なきゃ多分俺今死んでる


「......そういう佐藤はどんな一日だったんだ?」


「ん?私?そうね...朝は先生の為の罠を作成して罠にかけて、一限目は寝て、二限目はあんたが倒れたって聞いてどういじるか考えて二限目の休み時間にアンタをからかいにいって三限目は...特にないわね、寝たわ、言うならば休み時間にアンタの状況聞いて爆笑したくらいね、四限目も、似たように寝てたわ」


ヤバい、コイツ寝てるだけだ...あと、俺を馬鹿にすることしか考えてない。だから馬鹿と言われるのに...


「お前、ほかにやること無いのか」


「変な部活を私の許可なく勝手にメンバーにした奴らに言われたくないわ」


おい、あの部活は変だがその扱いは...


ん?許可なく?


「おい、春美」


「なに?雄君?」


「麻雨土が部活作ろうとした話知ってるか?」


「え?そうなの?知らなかったよ?もしかしてお昼休み教室居なかったのってそれが理由?」


ああ、あの馬鹿...


「ああ、そうなんだが、その部活のメンバーに春美の名前もあるの知ってるか?」


「え!?知らないよ!勝手にメンバーにされてる!?」


あぁ、馬鹿(麻雨土)のせいでいつも冷静な春美でさえここまで狼狽するとは...まさか部活メンバーを許可も取らず勝手に書いてるとは...


「おーい、颯。麻雨土の方は直ったか?」


「え?うん、直ったよ。少しボーッとしてるけど」


「好都合だ、こっちに連れてくるんだ」


「わかったよ」


今は俺の前に麻雨土がいる状態だ。言いたいことが有ったからな。


「麻雨土.........ちゃんと許可取っとけ、バカ野郎!!」


腰あたりを蹴ってやった


「腰痛ァッ!?なにしやがる!」


「あのな、常識って言葉しってるか?」


「とりあえずは、授業中に弁当食って良いか聞く奴が語って良い言葉じゃないのはわかる。」


「黙れ!!アレもお前が部活作るなんて事言い出さなければ普通に食えたんだよ!その部活で許可もとってない人間をメンバーに組み込んでんじゃない!!」


「いや、佐藤は断らないだろうし、春美さんもお前が部活入るなら入ってくれるだろうし良いかなーって」


「よくないからな?一応確認とれよ」


「わかったよ...。春美さん、佐藤これから作る部活に入ってくれないか?」


そうだ、それで良いんだ。凄い遅いけど


「私は別にいいわよ、春美は?」


「私も別に...」


「ほら、良いって言うじゃねえか」


どや顔すんな


「はあ.....、そう言う問題じゃ...ってあれは?」


不意に路地裏で豊穣学園の生徒で絡まれてる女の子が目に入った。しかも相当嫌がってるな...。



くそ、もうしないって決めてたけど見捨てるとなるとやっぱな...。助けたくなる


「どうかしたか?緑川?」


「ん?いや、麻雨土。おまえたち先行っててくれよ、忘れ物しちまったみたいなんだ」


「一緒に行ってやろうか?」


「いや、いいよ、そうだな...じゃあ、そこら辺で待っててくれよ。取ってきたら戻るから」


「あぁ、わかった」




よし、話は纏まったことだし行くとするかな。






「おい、やめてあげろよ」


俺はさっき絡まれてた女の子の所に駆けつけていた。もうこういう事はしないって決めてたけどやっぱり見たのに見捨てるってなんかな...


「あ?なんだよテメェ。正義の味方気取りかよ」 


「そうそう、馬鹿じゃねぇのか?」


正義の味方気取りね、まさにその通りだよね。

不良二人相手に一人で挑むって。


「正義の味方....か」


「なんかいったか?」


「いや、昔の夢を思い出してね。あきらめた目標をね…」


そう、俺の昔捨てた夢は正義の味方。悪を挫き、弱きを助けるってアレだ。俺は中等部に入るまでは本気でなれると信じ、目指していた。ある出来事が起きるまでは...

俺は結局、理不尽な暴力に負ける弱い奴だったってだけの話って事だ


「なに、一人で考え込んでるんだよ!」


「ボーッとしてんじゃねぇぞ!」


流石に考える時間が長すぎたか。


「おっと、

...おい、そこの子、俺があいつらを挑発するから俺に怒って集中してる間に逃げてくれ。」


小声で指示を飛ばす。一回で解ってくれると嬉しいんだが


「...わかった。」


よしよし、一度で理解してくれたな。

次の問題は俺がこの子を逃がす時間を稼げるかって事だな。

相手は二人。その二人とも注意をこちらに逸らさなきゃいけない。

...これは大怪我覚悟しないとな...最近体鍛えてないし。



戦いの覚悟は出来ている。しっかりやらないとな...


「おい、あんたら、恥ずかしくないのか?一人でこんな女の子を襲って、人間としてさ。」



ふぅ、まさか普段のばかさわぎで培われた煽りスキルがこんなところで生かされるとは


「「なんだとテメェ!」」


怒ってるな、だがまだ怒ってもらわないと


「やっぱり知能レベルは同じか、類は友を呼ぶって本当なんだな(笑)」


「「ぶっ殺してやる!!」」


充分か...


「「死ねぇ!」」


それにしても本当息ピッタリだな、こいつら全部打ち合わせしたようにハモるって...



っと、とりあえず少し避けないとな、せめて逃げる時間は稼ぐって話だから...


不良A (以後Aと呼称)が俺の腹部、不良B (以後B)が俺の顔に殴り込んでくる。


そこで俺はしゃがみ込んでAの攻撃を手で受け止めた。そのすぐ後には顔を狙ってたBが振り下ろしの体勢に入ってたが。


あ、やばい。コイツら意外と喧嘩慣れしてる。腹部と顔をねらっておいてしゃがみ込めば避けられるレベルの攻撃はおかしい。こいつ、顔ははじめからフェイントかよ...しゃがみ込んでAの手も止めてるから避ける動きができない。

あ、これ、ボコボコにされるわ。やっぱ一人で二人は無理だわー。1対1なら勝てるんだが...まぁ、もう女の子も逃げたから目的は達成した。


振り下ろしをまともに食らった。血の味がした。でも不良の怒りは収まらないだろう。Aの手も離してしまった。あぁ、二人にボコボコにされるのかイヤだな...まぁ、絡まれてる子を助けるときに覚悟してしたことだ。しょうがない


後は、耐えるだけだ






...?一向にパンチがこないと目を開けると


「ほら、言ったとおりだったろ?氷室」


「そうだね、また雄一はこんなことをしてたよ。」 



馬鹿しんゆう二人が居た



「なんで、お前達...」


「話は後だ!緑川、俺と代われ!俺は喧嘩が弱い!確実に負ける!正直一発目止められたのも奇跡!」


そんな情けないこと自信満々に言うなよ...。

カッコ悪いぞ...。まぁ、今のおまえ最高にかっこいいけどな!



「あぁ、代わってやる。元々俺のせいで起こったことだ。自分で決着を付けなくちゃな...」


「バトンタッチだ!」



「はいはい、チェンジだ」


麻雨土の代わりに前に出る。俺のわがままなのに、また助けてもらってしまった。やっぱり麻雨土にはそういう所はかなわないと思う。


「だからこそ...俺はこういう体を使う作業であいつを助けてやろうと思ってた。」



「なに臭いこと言ってんだよ!さっき俺たちに手も足も出なかった癖によ!」


Aがそんな事言ってくる。二対一でやった癖に何言ってんだよ。いや、挑発したの俺だけど。


「今、帰るならお前は怪我させないで帰してやる。俺はあの子を逃がしたかっただけだからな」


「何言ってんだ、テメェ、そんな事できるわけねぇだろうが!」

       

Aが殴りかかってくる。


「そうか...」


1対1ならまけない。







描写カットしてすまない。端的に言えばあれからほとんど一方的だった。攻撃が読みやすかったので逆にカウンターを取ってやった。1対1で戦うことに関しては昔の経験のおかげで相当強くなってる


「う...う...」


Aも呻き声をあげている。少々やりすぎたと反省している。


さて颯のほうはと



「反省してる?」



「はい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい.....調子に乗りました...すいません!!生きててすいません!」 



なんか調教完了後みたいになってるな...



颯...一体何をどうしたら敵をあんな精神状態に持ち込めるんだ...

颯、恐ろしい子...敵に回したくないな…



「さっすが氷室!俺達に出来ないことを平然とやってのけるぜ!あこがれないけど!」


麻雨土...お前も何やってんだよ...。


「そういや、麻雨土、お前なんで俺がまた人助けしてるってわかったんだよ?」


「ん?あんな不自然な態度とられたら誰でも解るわ、それにお前、昔の正義の味方目指してたときの目と同じような目してたからな。どこか達観して投げやりなのに子供のような無邪気な目をな」


そんなわかりやすかったのか...なんか恥ずかしい...



「緑川...人助けをするのは別にいい。悪い事じゃないからな…。だけど自分の身を犠牲にして助けるのは駄目だ。それじゃ昔と何も変わってない。変わると誓ったんだろう?」


麻雨土にそう言われて思い出した。俺は誰かを助けるのをやめたんじゃない。自分をないがしろにするのをやめたんだ。昔の俺は自分を後回しにして周りを助けた。その結果は...まだ...思い出したくない。


「そうだよ、雄一、自分の身を犠牲にして助けるのは僕は悲しいと思うよ。そんなの身も鍋もないよ」


颯...お前は...


「ありがとう。颯...


だけど身も蓋もないだからな?」


おい、バカすぎだろ。シリアスな雰囲気だったのに台無しだなおい


「だけど...本当にありがとう。麻雨土、颯。そういや、後の二人は?」



「俺が帰した。もしかしたら面倒なことになってるかと思ったからな。案の定面倒事だったが」


佐藤と由利は帰ったか。やっばりみんなには悪いことをしてしまった...


「...すまない」


みんなには本当に迷惑をかけてしまったな...


「いいって。それが嫌ならお前に貸しを付けておく」


「僕の事も気にしないでいいよ。気にするなら麻雨土と同じで貸しにしとくよ」

 

「あぁ、この恩を絶対に返すよ。もちろん、颯にもだ。」


「なら、こんなしみったらしい空気も終わりだ。さぁ、帰るとしよう」


「そうだね」

「あぁ」









「そういや、緑川、助けた子、女子だったか?可愛かった?」


何をいきなりバカなことをいいだすんだこいつは


「え?女子だったよ。顔はあんまり見てなかったけど、たしか可愛かったよ、絡まれるぐらいだし」


「やっぱりか、死ね」


え?なんで!?なんで拳を俺の方に向かって殴ろうとしてるの!?くそ!また、この流れかよ!!


「なんでだよ!?」


「そのフラグ建築能力がにくい!!滅殺!」


「八つ当たりだろうがぁぁぁ!!ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」


なんでこんな理不尽な目に俺が...



このあとは家に帰って母親と昼の弁当に関する喧嘩をして一日を終えた。せめてふりかけが欲しかった。次からやるときはせめてふりかけを付けてくれという内容で恐らくもっともくだらない親子喧嘩は終結した。

喧嘩の描写ができません...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ