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17.(最終話) ノブレス·オブリージュ

母テレサと伯父は極刑が決まった。斬首か毒盃かを自分で選択できる。


母は毒盃を選んだ。


錯乱したまま愛しているだのなんだのわめいていたそうだ。


誰に対して言っていたのかは不明。


私は最後まで母とは何一つ会話をしなかった。会話ができる状態ではなかったから。


それに、ルファ-ブルを一切忘れるということは、私のことも一切覚えてはいないということなの。


伯父には子が無く、他に兄弟姉妹もいなかったので、血縁は私がどうやら最後の一人みたい。


事実上、この国に害になるルファーブルの系統はこれで滅亡したことになる。



私は王の暗殺阻止に協力したので、罪は問われなかった。


母の嫁ぎ先(監視用)だった子爵家も不問になった。

けれど、忠義の塊の子爵様は責任を感じて自害しようとして、周囲に止められ事なきを得たという。


子爵様には申し訳無さすぎて私は顔向けができない。

不肖の母が本当に大迷惑をおかけしてすみませんでした。




ミハエル様との婚約は解消(結婚を辞退)した。ディーン様との仲も公表されたわ。


伯爵位も返上し王宮を出て、ただのノーマ·コネリーにまた戻ることができたの。


それでも引き続き保護及び監視対象ではあるから、許可無く国内外を移動することを禁じられている。


私が禁を破れば、即クリフト様がすっ飛んで来る筈よ。



今私は王宮魔導師としての職を得て、王宮からさほど遠くないところで暮すことを満喫させていただいている。


忘却魔法が得意(特異?)技。でもこれは最後の手段に取っておくの。


防御魔法と治癒魔法も習得したから一人暮しでも問題ない。

黒髪になってから、魔力が数倍アップしているの。

益々魔女っぽくなって来て、「魔女ノーマの再来」だなんて言われてしまってちょっと困っている。


毒気抜き···ではなくて、様々な『毒抜き』のエキスパートを目指している。

今に魔女ではなくて「毒抜きノーマ」と呼ばれるようになってみせるわ。



お兄様達とも仲良くさせてもらえている。


お父様は相変わらずツンツンだけれど、お兄様達曰く「父上はあれでもツンデレ」だそうだ。

ティティア様の呪いを解いたこと、陛下の暗殺阻止に活躍した点は評価されているのはわかるのだけれど、お父様のデレはまだよくわからない。




私は王家とこの国のために生涯結婚はしない。


子どもを残すことをしたくないから。


これは国を害する種の元、争いの火種となる血統を私の代で終わらせるためなの。


子を残してしまうと、自分達の御輿や御旗に利用しようという良くない輩、権力の亡者が寄ってくる。

そうやってまた亡き国の亡霊が火種を作り、国の中枢に寄生し巣食い、国主を傀儡にし蹂躙する。そして簒奪。


その悲劇をもう繰り返したくないの。


それはレノお兄様も同じ。


マルヒュスを自分の代で終わらせるという考えなのよ。


これは私もレノお兄様も、系統の最後の一人だからできることなの。


あの戴冠式の日、愛しているとお互いに伝え合った時に、私達はそれを共有した。


これはまだ二人だけの秘密。


以来レノお兄様とはツーカーな関係。


私達は平和のために自分の生をひそかに捧げる同志みたいなもの。


でもこれは自己犠牲ではなくて、私なりのノブレス·オブリージュなの。


血族を産み増やすことで繁栄と平和を保つこともあれば、平和や治安を維持するために打ち止めにする、終わりにする方がいいこともあるのよ。


それがレアケースだとしても。


レアケースが必ずしも不幸なわけではないのよ。


そういう生き方があってもいいでしょ?



愛とか恋とか言うまえに、自分が果たさなければならないこともあるわ。


それは本来、誰でもそうだと思うの。


私やレノお兄様は、そのような役割を果たすだけ。

人が生きる役割は人それぞれ。


これが私のハッピーエンド。ハッピーエンドは人それぞれなの。


私はこの生を精一杯楽しんで全うするわ。



ロンダさんの店を継がないかって言われているけど、それも悪くない。


その時は店の名前はどうしよう?


シンプルにそのまま、それともロンダ&ノーマ、ロンダ&ロンダとか!?


でも、もうロンダと名乗るのは恥ずかしいのよね。


まだまだ先のことだから、それは追々。



今日も私は、ロンダさんにレシピを教えてもらった黒スグリのパイを携えて、これからお兄様達の毒気を抜きに行くところよ。



(了)

最後までお読みくださってありがとうございました!


毎度、恋愛要素極少でごめんなさい······。


こういうハピエンもありということで!?


気が向きましたら、後日番外編を追加します。

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