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何か書きたい。  作者: 冬の老人
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完結の考えた方の挟撃その2 結論

その2の前置きからの続き

さて前置きの時点でかなり長くなったが仮に「完結するべき思想」がなろうで定着した場合。

なろうの中で「普通」であろうとする作者は他所で完結した物を掲載するだろう。

後は完結させやすい短編も増えるだろう。

だが「なろう系」と言われるようにネット小説といえば「小説家になろう」であるというブランドはデカい。

「なろうに掲載している」と言うだけで価値がある以上、内情はともかく、見た目の利用者はそこまで減らないと思う。


さて、その1で上げたように「高い意識」はその時点では「ちゃんとしたオチをつけて完結させる事」が「小説家」の在り方である。

しかしそれが「普通」となったら更なる「高い意識」は何処になるのか。

それは現存の仕様で言えば「一定の期間で一定の評価ポイント以上の作品」だとか「一定の更新スピード」とか更なる「小説家」としての完成度だ。

まぁ、そうなるとなろう全体を見ると何千、何万ポイントとかいう作品がランキングにいる中でそれを基準にされると自分なんかは更新スピードはともかく、期間当たりの評価ポイントなんかでは完全にアウトだな。


ただ苦しいとはいえそれは「作者」側であり、「読者」からすると都合が良い。

「オチをつけた完結」を肯定するように作者側から提案された物なら喜んで同意するだろう。


更に次の段階へ進める。

なろう内において「オチをつけた完結は当たり前」「評価ポイントや更新スピードに一定の基準を求められるのが当たり前」となると当然「小説家」としての水準が上がっているのだから「小説家になろう」のブランドは保持される、あるいは外部からの評価は上がる可能性すらある。

となると次に求められる「普通に満たない物の削除」である。

そりゃそうだ。誰しも整理整頓はするだろう。

「価値のある物」と「価値のない物」を分ける。

そして「価値のある物」を残し、「価値のない物」を捨てる。

この弱肉強食ともいえる物で更に小説家内は洗練され、小説家としてのなろう全体のレベルが上がる。


さて、問題はここからだ。

こんなふうに利用者の内「作者側」だけに負担のかかる物になっていく状況、現実世界でもよくある話だ。

いくらネット小説内での「小説家になろう」のブランドに力があったとしても作者側が限界だ。

無料で読める小説投稿サイト。

作者側の報酬は「やりがい」「表現や創作の喜び」といった据え置きでありながら「基準」と「制限」だけが釣り上がる。

じゃあ今度は同じ「利用者」として「読者」に対して要求がされる。


「オチのついた完結」の対価として「必ず感想や評価ポイントをつける事を求める」

「一定の評価ポイント数や更新スピード」の対価として「読者自身にも『読者ポイント』のようにランク付けされて期間内に一定の作品を読む事を求められる」

最初のウチはゲームの「デイリークエスト」「ウィークリークエスト」みたいな感じで楽しめるかもしれない。

しかし自身も昔やっていたがその手のゲームはやがて飽きる。

「スタミナ消費だけする」とか「デイリー報酬だけ貰う」とか義務感を感じるようになる。

その義務感こそが「作者側」が感じていた「求められる高い意識の小説家像」であるが、一応そこにはクリエイターとして「やりがい」等があったから続けてこれたわけだ。

その「やりがい」、義務感を読者にも求めるのは同じ利用者としては何ら間違ってはいない。

同じ利用者なのだから。

だけど読む専門の人間からすると窮屈なだけ。

そりゃそうだ。読むだけの人間はあくまで「お客さま」の気分で「無料」で読めるから利用しているだけ。

一時期「漫画村」が問題となったように「お客さま」気分の利用者には作品を作る作者側の人間の事など然程重要ではない。


けど別にコレは読者に心がない、という事もないわけではあるがそれだけではなくて作者側に余裕が無いのが問題なだけ。

何故そうなのか、と言えば最初の「小説家はオチのついた完結をするべきである」に繋がる。

かといってその「意識の高さ」自体は悪ではない。

問題はこうした未来の危険性などを考慮せずに「自分の主張」を「数の力」で正当化する事。


まぁ、自分なんて所詮は底辺エッセイ投稿者だ。

予想はしても外れるかもしれないし、あるいは自分よりもっと細かく、そしてさらに次を見通せる人もいるかもしれない。

最終的には「オチのついた完結を作者に求めたから小説家になろうが終わった」と言う簡単な結論にはなる。

しかしそれだけを伝えると「実力のない素人小説家が一層されて結果、オワコン化しただけ」と解釈されかねない。

しかしこうしてアレコレと考察を重ねて説明をすれば「高すぎる理想のために作者、読者双方に限界を迎えた」と同じ結果でも異なる解釈ができる。


まぁ、なんだ。

作者と読者も同じ「利用者」なんだからお互いに尊重しようか、と言うどこにでもある「普通」の答えにはなるが。

「早過ぎてもダメ、立ち止まってもダメ」

だけど個人差はある。

遅くとも歩こうとする人に少し待つくらいの配慮は損もしないしバチも当たらんと思う。

楽しむなら周りを見ようか。

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