筋トレを日本人がするべきである、という「理由」その7
とりあえず、筋トレを勧めたい話についてはコレで区切りとしよう。
筋トレは筋力アップや筋肉の増加だけではなく、骨盤や肩甲骨といった骨の使い方の鍛錬としても効果があるのを長々と語ってきた。
だが筋肉と骨の使い方だけが筋トレか?というと違う。
筋トレも鍛えられるのは3つ。
ソレは呼吸である。
基本的に筋トレは「無呼吸運動」と言われたりもするように呼吸を止めて力を入れる事で重い物を持ち上げる。
確かに呼吸を止めるのだが呼吸を止めるのが目的ではなく、お腹に空気を貯めて「腹圧」を高めるのが目的であり、無呼吸はその貯めた空気を外に逃さないようにするための物。
背中には軸となる背骨があるが腹部にはない。
筋トレでは重い物を持ったり担いだりするが身体の前で持ち上げれば重心が身体の前に、仮にスクワットのように担いだ場合でも身体は前傾して持つことになるので結局重心が前なってしまう。
軽い重量ならあまり気にならないが重くなるに連れて骨の使い方と筋肉だけでバランスを取るには腹部に骨がない故の可動域の広さ、自由度は筋トレにおいては不安定さに変わる。
背骨のような骨がなく、内蔵を筋肉と脂肪が守っている腹部。
そこに空気を吸い込んで腹部を内側から膨らませ、さらに腹筋に力を入れて外から固める。
よく例えに出されるのは風船だ。
空気を入れなければヘロヘロであるが空気を入れて膨らませれば硬さを持つ。
もっとも、ただ空気を入れただけではすぐに破裂する。
タイヤに使われるゴムような硬い風船にするために腹筋に力を入れるのである。
とはいえだ。
こうした呼吸については筋トレにおいて重要である事は間違いないのだが正直な所、筋トレをする上で習得せざるを得なかったものであり、個人的には呼吸についてそこまで拘りはない。
単に「3分割」で考えた筋トレの優位性をエッセイに起こすに当たって書くべきだろう、と思っただけだ。
そもそもとして「呼吸法を手に入れたい」と思って筋トレをやり始めたわけじゃない。
筋トレをする際に「腹圧を高める呼吸法を知らなければ高い次元の筋トレが出来ない」から習得しただけ。
筋トレを始める目的は「筋肉をつけたい」「痩せたい」「筋力を強くしたい」と色々ある。
それは自分の身体の問題点についてその解決法が筋肉に関連するもの、筋トレで解決する、としか思っていなかったからだ。
運動神経など生まれ持ったものであり自分にはどうしようもない。
だが蓋を開ければ身体を動かす上で根本的な問題は筋肉だけではなかった、と筋トレを通じて知った。
筋肉は勿論、骨の使い方や呼吸など。
多くの問題が重なって歪んでいる。
ごくごく当たり前の事だがそんな事に自分を含めて日本人は気付けない。
ダイエット、といえば何十年というレベルで未だに食事制限しかしない、かと思えば有酸素運動しかしなかったり。
筋トレすれは太くなる、と言ってみたり。
唯一の答え、あるいは一つの行動で全部解決したがる。
楽だけど、仕事やパートナー以上に長く付き合う事になる「肉体」だ。
もっと深く探れるだけの知識や経験があるに越したことはないが、基本的な筋肉、骨、呼吸の3分割。
最低限の問題の入口に意識が向かうくらいには身体を知っておく、その基礎の基礎としては筋トレをするのが一番ハードルが低いんじゃないかな。
それに筋トレって回数とか重さとか分かりやすいし。
その辺は数字って分かりやすくて偉大よね。
ベンチプレス、初めて100キロ上がったときはやっぱり区切りとしてはデカかったなぁ。