64話 変態、特に変わったことはされなくて、一日オワタ
途轍もなく恥ずかしいミスがありました。
前話の、全裸になっちゃった必殺技の腕は左手です。
空が赤い。
叫び声、泣き声、怒声。
焼けた臭い、血の匂い、仄かな甘い匂い。
俺は半身を失って、座り込んでいた。
身体が熱くて、冷たい。
壁が硬い。
もたれかかり、ぼーっと遠くを眺める。
『ヤツ』は、去った。
これでもう姉さんや妹は大丈夫だろう。
しぬ。
しぬ。
しぬ。
俺ももう悩む事は無い。
とん、と『在る方の』方が当たる。
「なあ」
見ると鏡みたいに正反対な俺が、いた。
「お前、どっちの、俺だ?」
夢の続き。俺は口を開く。
「今は、どっちも俺だよ」
「そっか」
正反対の俺が消える。
「あいつをたすけてやってくれ」
声が、聞こえた。
そこでぱっと目が覚めた。
夢だ。
夢だけど、夢じゃなかったけど、夢だ。
不思議な夢だ。
だけど、この夢は終わっていない。
俺は、スマホのMINEを開き、メッセージを送る。
姉さんに挨拶。
顔を洗う。
歯を磨く。
外に出る。
ランニング。
ジュリちゃんに会う。
ストレッチ。
軽い組手。
ジュリちゃんに別れを告げる。
帰宅。
返信はない。
シャワー。
秋菜に挨拶。
父さん、母さんに挨拶。
朝食。
両親を見送る。
姉さんを見送る。
秋菜を見送る。
冬輝にいってきますと言う。
返信はない。
登校。
愛が迎えに来ている。
途中で愛と別れる。
四方山に到着。
返信はない。
アホと眼鏡と下らない話をする。
授業開始。最近欠席者が多い気がする。
それでも、居心地の悪いがっこうのじかんが進んでいく。
返信はない。
お昼。愛の弁当を食べる。
腹を壊す。
耐える。
雑賀先生に久しぶりに会う。明日の話をする。
先生は背中を押してくれた。
がっこうのじかんが終わる。
返信はない。
下校。
アホと眼鏡と下らない話をする。
御剣学園に到着。
返信はない。
チャラ男2発見。逃げていく。
お嬢様を発見。逃げる。
東江さん達とトレーニングをする。
とても順調だった。
氷室さんが早めの到着。
最近本当に暇らしく、来るのが早い。嬉しそうだ。
そのせいか、最近どんどんセーブが緩くなって怖い。
木部さん、岩田さん、チャラ男1もちょっと引いていた。
返信はない。
コンビニに立ち寄る。
冒険者マンチョコを3個。ジュースを一本買う。
空いていてすぐ買えた。ラッキー。
帰宅。
夕食。
トレーニング。
風呂。
勉強。
返信はない。
至って普通の一日だった。
穏やかな、普通の。気持ち悪いくらい静かな。
今日は早めに寝よう。
明日は、忙しい。多分、忙しい。
眠る。
起きる。
姉さんに挨拶。
顔を洗う。
歯を磨く。
外に出る。
ランニング。
ジュリちゃんに会う。
ストレッチ。
軽い組手。
ジュリちゃんに別れを告げる。
帰宅。
返信はない。
シャワー。
秋菜に挨拶。
父さん、母さんに挨拶。
朝食。
両親を見送る。
姉さんを見送る。
秋菜を見送る。
冬輝にいってきますと言う。
返信はない。
登校。
「さあて、行きますか」
愛が迎えに来ている。
途中で愛と別れる。
四方山に到着。
返信はない。
「で、君は散々迷惑を掛けた挙句、我が校を辞めたいと? 更科夏輝君」
校長やら担任やらがこっちを馬鹿にしたように見ている。
やってやんぞ、ごらあ。
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