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1ー1ー1二つ目の加護

という訳でタイトルの由来がここで出てきます。召喚士要素が今のところありませんがもう少しでわかります。

 永遠ともとれる暗闇の中、俺は目を覚ました。脳の覚醒とともに目の前に存在している光を放つそれに気付く。

 炎を纏った鳥、それが一番最初に出てきたそれの見た目だった。横に並ぶのは白い毛を生やす虎、これが白虎なのだろう。

 不意に光がかたどる他の二体の姿も見えた。片方は青い鱗を纏った龍、もう片方は蛇と亀が繋がっている茶色い存在だ。

 いきなり白虎が雄叫びをあげたかと思うと目の前の三体も雄叫びをあげる。だんだんと目の前の光は強くなって遂には目を開けることが出来なくなってしまった。

 その時、一言それらは言った。

「あなたを近くで見守っています。強くなりなさい」と。


 光が目に当たり否が応にも脳が覚醒を始める。見慣れたというべき光景が眼前に広がり俺はただ驚くことしか出来なかった。

「サーシャ……?」

「はい、どうしましたか?」

 俺が食らったであろうサーシャが息をして目の前に座り込んだ。首には俺の作ったネックレスをかけておりとても綺麗に輝いている。

 まだ半分信じきれていない自分を納得させるためにサーシャの頬に触れる。ぺたぺたと幼児が親の体を触るように何度も確かめながら触れる。

「ヨーヘイ様、なぜお泣きになっているのですか」

「えっ?」

 俺の眼かは流れる数滴の涙をサーシャは指で拭いながらそう聞いてきた。その温かさに次第に自分が今まで何をしてきたのかを思い出し始める。

 自分の欲求の赴くままに人を殺し食らう、それは傍から見れば禁忌に手を出したのと変わらない。

 生きるためとは違う、殺したいから殺し食らいたいから食らう。それは動物と変わらない。そんな欲求を抑えるために今まで大切にしてきたものを殺してしまったのだ。

 俺はこの場所にいる理由があるのだろうか。いていいのだろうか。……いや、駄目だろう。他人がいいと言っても自分自身がそれを許さない。

 ふと見たステータスカードには加護が一つ追加されていた。朱雀の加護、火を纏う鳥だ。

 ____________________

 四聖獣の加護(朱雀)

 隠しスキル、時間逆行を獲得する。日に一度のみ、その日の朝に時間を巻き戻すことが出来る。この際に戻される時間はこの能力を持つものが目を覚ましている時に限る。

 残りの青龍、玄武は未開放

 ____________________

 俺が死ぬことなくこの場に生を得ているのはこの能力のおかげだろう。『巻き戻すこと』と書いていることから、俺が狂ってないのは今朝俺が意識を正常の状態だったからだろう。

 これは嬉しいようで嬉しくない。もちろん、また普通に彼女たちと話せることは嬉しいのだが、俺は狂ったままの方が良かったのかもしれない。

 俺は決めた、ここから出るということを。ステータス自体は引き継がれているし、レベルもダンジョンで上げたままになっている。

 ____________________

 カナクラヨウヘイ

 職業 召喚士

 レベル 32

 体力 323

 物攻 323

 物防 323

 魔攻 333

 魔防 333

 俊敏 323

 幸運 200

 固有スキル 召喚、四聖獣の加護(白虎、朱雀)、聖剣術、空歩、鑑定眼、心理眼、魔剣術、空剣術、奴隷術、付与術、気配遮断、空間魔法、精神魔法

 スキル 錬金術、回復魔法、異空間倉庫、偽造、威圧、房中術、料理

 称号 異世界人、四聖獣の加護

 ____________________

 倉庫の欄にはみんなに渡したはずの指輪も残っており、素材も残っていた。ここは『時間を巻き戻す』という点に合致しないのかもしれない。

 俺の泣いたり笑ったりを繰り返しているのを見てサーシャはオロオロとしている。即座に倉庫から指輪を渡して言った。

「昨日作っておいたんだ。別に結婚とかの意味は無いけど貰って欲しい」

 前と同じようにこの指輪をすべて渡しておかないといけない。これは後々、みんなを救うかもしれない。脈絡のなさに嫌気がさすが言える時に言わないと後々困る。

 少し悩んだ後、「わかりました」と言い薬指に付けるサーシャ。「ありがとう」と言って頭を撫でてから着替える。早く着替えたためか朝倉さんはまだ来ていない。

「朝食を取ってきます」と言ってサーシャが部屋から出て数分後、忍び足で部屋に入ってくる朝倉さんがいた。俺はわざと寝た振りをしてことの成り行きを見ていたが、すぐに俺の腹に頭を乗せスースーと荒い呼吸を始めていた。

「この変態聖女め」

「へっへへへ、変態じゃないし。ってか起きてたのっ?」

 無言で肯定をして布団から抜け出る。着替え終わっていたためもう寝巻きではなく、それに気付いたからか残念そうな表情を浮かべていた。これのどこが変態ではないのだろうか。

 そんなことがあってから数分後サーシャが部屋に戻ってきた。その頃にはもう布団から出ており朝食を食べる準備が出来ていたためそのまま頂く。

「ヨーヘイってここでご飯食べてたんだ」と言う朝倉さんに「そう」とだけ返した。

「ところで朝倉さんに渡したいものがあるんだ。サーシャにも渡したものだけど」

 そう言って指輪を渡すがあまり嬉しそうな表情を浮かべない朝倉さん。少し悩んだ後に、

「それは嬉しいんだけどさ。……また朝倉さんって呼び方に戻ったの?」

 相手の心を傷付けないように、と考えて出たであろうその言葉を聞いて少し沈黙が続く。まさか能力の話をするわけにはいかない。そこで体験したことを言うのは尚のことだ。

「ごめんな、なんかそっちの方がいい気がして」

 無理やり出した言葉がそれだった。朝倉さんは「そっか」と少し悲しそうにしたが俺の近くから離れることはなかった。何かいい言い訳がないかと思い少し悩む。

「……実は夢の中で誠也兄が出てきたんだ」

 そう小さく言った。朝倉さんにその声が聞こえていたのかわからないが、より重い沈黙が辺りを支配する。サーシャも何を言えばいいのかわからないからか口を閉じていた。

 こんな状況じゃいけないと思い手をパンと叩いてから朝倉さんの左手の薬指に指輪を付けた。

「別に他意はないけどもう少しだけ時間が欲しいんだ。俺は何が正しいのかわからない」

 そう言って俺は二人を置いてアルのいる場に向かった。

一章の始まりです。これから奴隷等や街の話なども出るためお気をつけてください。またスローライフがもう少しで始まります。お楽しみに。


これからもよろしくお願いします。出来ればブックマークや評価等もよろしくお願いします。

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