第四章
ドM帝国……あ、いや、闘盟帝国のことだが、そこには似たような属性を持つもう一つの教団が存在していた。それこそが「亡霊女神教団」である。
もともとネクロマンサーたちのビジュアルは非常にまともなものだった。枯れ果てた身体、落ち窪んだ目と頬、そして身の回りには常にそれとなく死臭が漂っているような、そんな姿だ。
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しかし、これらすべては亡霊女神が神へと昇格した後に完全なる変貌を遂げることとなる。
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現在のネクロマンサーたちは皆、肉付きも良く、身のこなしもスマート。金縁のリムレス眼鏡をかけた学者風のスタイルをしており、人々からは「亡霊機械技師」と尊称されている。
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この絵に描いたような紳士たちは、自分たちの信奉する亡霊女神が「深窓の令嬢タイプの一切の穢れなき金髪ロリ」であることを偶然知ってしまって以来、日夜、生贄(貢ぎ物)を捧げては我が身の女神を口説き落とそうと躍起になっている。彼らの最終目的は、彼女の小さな足で思いっきり踏みにじられることなのだ。(具体的なイメージは『シャドウバース』のネクロマンサーのリーダースキンを参照されたし)
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初代主祭が「グール・キャラメイク術」を開発してからは、安価な労働力の代用品として、亡霊の僕たちが瞬く間に一般家庭へと普及していった。高効率、低消費、絶対の忠誠、そして一定の知性を備えているというメリットに加え、外見が美男美女へと改造されたことで、動物肉をベースにした万能型グールを拒絶する者などいなくなった。こうしてネクロマンサーは、日陰の身の稼業から一転、最も人気の高い技術職へと上り詰めたのである。
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定期的に顧客の家を訪問してはグールたちに亡霊の力を補充し、ユーザーのフィードバックに基づいてAIの微調整を行うだけで、大枚の金貨が転がり込んでくる。
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──もっとも、その中で一番売れているのが「セバスチャン型執事バージョン」であることについては、この技術オタクたちも首を傾げるばかりなのだが。
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彼らは生贄を捧げて女神の降臨を召喚するたび、まるでサルのように「ウホホホホ!」「ウヒョー!」と奇声を上げ続ける。そして見事に女神からの「ご褒美の踏みつけ」を賜った者は、至福の表情を浮かべて地面に横たわるのだ。踏まれた回数が多ければ多いほど神恩が深いことを意味し、その者が翌日の「主祭」となる。
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主祭は一日ごとに交代する。これこそが、亡霊教派が永遠に滅ぼされない理由の一つでもある。なぜなら、彼らが昨晩一体何をしでかしたのか、そして誰が一番女神の足で蹴り飛ばされたのかなど、部外者には絶対に預かり知れぬことなのだから……。
「亡霊機械工房」──それは、ここ数年で突如として現れた新興のショップである。店内に陳列されている「商品」は少々特殊で、それらはすべて、人間そっくりの形をしたオブジェクトだった。
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壁際にずらりと一列に並べられた老若男女のオブジェクトたちの胸元には、「セバスチャン型」「ツンデレメイド型」「ロリ型」「爆乳人妻型」「お隣の田中さん型」、そして「配管工型」といったモデル名が書かれたプレートが掛けられている。店の隅にある小さな扉には、「未成年者立ち入り禁止」の張り紙まで掲げられていた。
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その奥では、学者風の男たちが一堂に会し、全員が「ゲンドウポーズ」を決めたまま会議を行っている。
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「……つまり、生命の女神教団からの技術提携が、ついに取り付けられたということか?」
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「その通りです。我が方ではこれまで、擬似AI、体温維持、体液分泌といった機能を独自に開発してまいりましたが、唯一『妊娠機能』に関してだけは、どうしても技術的な壁にぶつかっておりました。しかし昨日、生命の女神教団から吉報が届いたのです。彼らが妊娠機能の開発、およびそれに伴い今後発生する一連の問題の処理を引き受けてくれることになりました」
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「……一連の問題、だと?」
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「はい。生命の女神教団の言い分によれば、彼らが提供する妊娠機能は、まがい物のシミュレーションなどではなく、本当に新しい命を誕生させることができる『本物』だとのことです。そのため、将来的に大量発生する恐れのある『ラブドール孤児』を防ぐべく、我が社の製品によって誕生した子供たちは、すべて生命の女神教団が引き取るという条件を提示してきました」
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「……『ラブドール孤児』、か。生命の女神教団も、随分とパンチの効いたワードを思いついたものだな」
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「私個人の意見としては、孤児というのはどこであれ希少な資源となり得ます。我が社の製品から生まれた子供たちは、諸教団や帝国へ広く供給することも可能ですので、必ずしも生命の女神教団に独占させる必要はないかと。何しろ我々は、この機能のために彼らへかなりの額の特許料を支払っているのですから」
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「……ふむ。ならば新型モデルの市場投入をスケジュールに組み込むとしよう。関連する購入契約書の内容は、くれぐれも詳細かつ確実に詰めておけ」
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「承知いたしました。──時に、今夜は女神大人へ何を捧げるおつもりで?」
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「フッ……この私がそれを貴様に教えるとでも思うか? 今夜、最も深いご寵愛(お仕置き)を賜るのは、間違いなくこの私だ! フフフフ……ハハハハハ!」




