ラヴァンダの固有魔術
「すごいですね!アルク兄様!」
「これぐらい、修行を重ねた者は容易くできるだろうがな」
アルクは魔術によってできた破壊跡に改善の案を考えている。
が、ラヴァンダにとっては先ほどの魔術だけでも大きな興味を持つ。
「ラヴァンダの固有魔術はなんだ?」
「私の固有魔術は『魔力増強』という、魔力を増やすだけのものです」
(魔力増強……?ならば何故今、ラヴァンダの魔力は少ないんだ……)
「それは一日一回などの制限があるのか?」
「いえ。一日何回でも使えるみたいです」
「………そうか」
アルクの神妙な声に、ラヴァンダは何かしてしまったのかとアルクの方へ目を向ける。が、アルクは手を顎に当て、考える素振りをやめなかった。
「あ、それでは私もやりますね!」
「……あ、あぁ。なんの属性だ?」
「とりあえず、四大魔術の最も簡単な『球系』魔術の同時発動です」
ラヴァンダのさらりと答えたその発言に、アルクは大きく目を見開く。詠唱が必要ない魔術は同時発動が可能。だが、四つ同時というのは熟練の魔術師でも難しい。
そして、まずラヴァンダの年齢で球系魔術全ての詠唱を必要としないことが、ラヴァンダの大きな魔術への才能を示していた。
球系とは、アルクが放った《炎球》のように、球の形をした魔術全般のこと。
球形は最も制御がしやすく、基礎魔術の一つである。
《火属性魔術 火球》 《水属性魔術 水球》 《土属性魔術 土球》 《風属性魔術 風球》
ラヴァンダの周りに四つの球ができた。それぞれ火、水、土、風を纏っている。そして、ラヴァンダが的へ指を少し動かすと、その四つの球は的へ向かい、当たると大きく弾けた。
的は四つの魔術の勢いに耐えられなかったのか、的を支えていた地面に刺している棒がポッキリと折れている。
(ヨシっ。アルク兄様の前だからこれぐらいはいいだろ……)
ラヴァンダの魔術に対し、アルクは先ほどよりも大きく目を見開き驚いている。
(まさか……、ラヴァンダの魔力増強は……)




