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ファミレス

 俺たちはここにたどり着くまでに、結局2か月以上かかっていた。


 俺がこの星に来たのは紅葉のきれいな10月の中旬だったが、さっき見たテレビはもうすぐクリスマスだと言っていた。CMではいろいろなサンタがいろいろな商品を宣伝していた。


 食事を食べ終わった後も、お茶を飲みながらマリーはテルルの話を聞いた。2人はすごく楽しそうだった。そんな笑う2人の様子を俺がじっと見ていると、マリーが俺の視線に気づいた。


「生きてるって感じがする、トミーありがとうな!」マリーは俺の目を見て言い、俺の肩を強く叩いた。


「さっきの姿では笑えないんですか?」俺はマリーに聞いてみた。

「笑えないんだこれが」

「あれは何なんです?」


 マリーはテルルの顔を見て、話していないのかという顔をした。


「私には難しくて、正しく正確に話せないのよ」

「そうか、じゃあ何の話をしてある?」


 2人の顔が少し真剣になった。


「私の専門分野がメインね。この惑星の地球との違いのことや、この星系の惑星のことや、歴史のこと。ニオンが温暖化暴走で住めなくなって、ナーヌとトランに逃げ出して、そこで文明を新しく築いて、人口が増えて戦争して、科学技術が上がって惑星間戦争が始まって、あとモコソの登場から少し」


 俺が旅の途中で聞いた話だ。


「モコソはジルコン?」

 マリーが聞いた。モコソの問題点といえばジルコンらしい。神アプリってやつだ。


「ジルコンの途中までね。爆発的に普及して大衆がジルコン様の言うがままに動くようになって、いいことも悪いこともあったってところまで」


「社会問題の解決までか」

「そうね」

「うん、けっこう長い話だったな」

「そうね、旅の途中で少しづつ話したのよ、トミにも分かるように」


「そうかそうか、じゃあ私の番ってわけだな!」

「お願いできる?」

「専門家だからな!」

「さっきトミにあなたのことを少し話したのよ、全ての病気を治せる人だって。そうしたら、神か!って言ったわよ」

「人間だよ私は。そしてトミー、君のおかげで私は人間らしさを取り戻せた」


 マリーは立ち上がって俺の手を取り「ありがとう」と言って俺の手をブンブン振った。


「それで、あの姿は何か聞いても大丈夫なんですか?」

「うん・・・うん・・・いいんだが・・・どうするかな・・・」

 マリーは顎に手を当てて、話す順番を考えているようだった。


「うん、最初に大切なことを言う」

「何です?」


「私と子供を作ってほしい!!」


「はい?」


「私と子作りをしてもいいし、イヤなら精子の提供だけでもいい!」


 俺は助けを求めてテルルの顔を見た。テルルは真剣な目で俺を見返してきた。


「この人は何を言ってるんだ?」

「前に、私には子供を作れないって言ったこと覚えてる?」

「ああ」

「マリーは作れるのね」

「いや、そういうことじゃなくてだな・・・」


 美女と子作りはイヤではないんだが、何が何だか。テルルは俺とこんなに長く生活していたのに、俺とマリーがそういうことになっても怒らないのだろうか。いや、そもそもテルルとは何も無いけども。無いけれども、俺の頭がすごく混乱している。


「そして私も、ここで子供を作れる体に戻れる予定なのね」

「はい?」

「時間はかかりそうなんだけど、そうしたら私とも子供を作ってほしいのね」

「はい???」


「まあまあ、そう興奮するな、少し落ち着け!」

「落ち着けるか!」

「そんなこと言っても少しは嬉しいんだろ?」

「そ、そんなことは・・・」だめだ、顔が少しニヤけてしまった。


「よし!男はそうでなくっちゃな!こんな美人が2人も子供を作ろうと言ってるんだ。喜べ!」


「やったぜ!」俺はやけくそになって叫んでみた。


 顔がやはりニヤけた。どうやら俺は嬉しいらしい。



 

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