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出撃

ケンプファー号はゆっくりと前進し、ディッカーギガントの後ろに向かった。


ーーあれ、入れるのは前じゃなかったか?


神威はそう思ったが、後ろの扉が開いた。

ケンプファー号は誘導に従いながらゆっくりと中に入れる。

そして止まった。

全員降り、荷物を載せ始めた。

荷物はそこまで多くなく、全てケンプファー号に載った。

ワイヤーなどでしっかりとくくりつけた。

全ての荷物が載せ終わり、そろそろ出発という時に、メイド達が集まって来てメイド長が


「お嬢様方、こちらを。」


そう言ってエーデルに渡したのは赤に金の刺繍が見える布だった。


「これは?」


エーデルが聞くと、メイド達がさぁさぁというジェスチャーをした。

エーデルは布を広げた。

すると、赤をメインにアルベルツ家のマークだと言う鳥とドイツ語でエーデルと金の刺繍がしてあった。


「この旗は・・・。」


と、エーデルがつぶやくと


「我々が作りました!」


メイド達が一斉に声を上げた。

そして、皆がそれぞれの思いを声に出した。


「必ず生きて帰ってきてください!」

「結果がどうであれお嬢様方はご無事に!」

「チーナ様もどうかご無事で!」


などを言われエーデルは下を向いた。

メイド達はニコニコと笑いながらエーデルが顔を上げるのを待った。

エーデルが顔を上げて


「この戦いは今までとは比べ物にならないくらい大変になる。無事に帰って来れる保証もない。だが、今私は皆の気持ちを聞いた!私は必ず戻ってくる!それまで城を頼んだぞ!」


エーデルが涙を少し流し、嬉しそうな顔で言うとメイド達もそれに釣られ涙を流し始めた。

そこへ、ワートンがエーデルの元へ向かい。

耳元で何かを話した。

きっと出発するという事を言ったのだろう。

エーデルは旗を折りたたみ、折りたたみ式の旗竿を受け取ってディッカーギガントに乗り込んだ。

神威達も乗り込むと、この世界に来て間もないときに聞いたあのエンジン音が再びなった。

初めて乗った時と同じように席に座りベルトを締める。

窓から外を見ると、みんなが手を振っていた。

城の窓からは垂れ幕が降りていて


「無事の生還を望む。」


と書かれていた。

すると、ワートンが乗ってきて神威の隣に座った。

神威は驚きながら


「え、ワートンさんも行くんですか!?」


と聞くと


「いや、途中までさ。最後までついては行けないんだよ。残念だな。」


と、すこし皮肉混じりに言った。

数分後ディッカーギガントが滑走し始めた。

巨大でケンプファー号まで載せたデカブツが浮かび始め、飛んだ。

城の方を見ると、皆がまだ手を振っていた。

だが、すぐに小さくなって行った。


ーーまた戻ってこれるだろうか。


そう思った時、メッサーシュミットが隣に飛んできた。

乗っているのはエミールだ。

機体を左右に振ったあと、手を振ってから城に戻っていった。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

作者のかるびぃんです。

皆に見送られながら出撃した神威達。

果たして全員無事に戻ってくることは出来るのか。

次回をお楽しみに

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