嫉妬戦争 後編
結局、阿久津は日高が必死に隠していた喫茶店の椅子をカウンターの裏手にあるのを発見するやいなや、すぐさま座る。
「全く……。呼んだのはそっちだろうが」
「……ごめんなさい」
と、全くの無表情のメイド姿で日高が謝る。
「……殴っていいよ、お詫びに?」
「いや、俺にそんな趣味は無い」
「……しないで、遠慮」
「遠慮じゃない事は確かだ」
「……辞典でも、どうせなら」
「さらにハードルが上がってるから」
「……良いから、ちょっとで」
「意味が分からん」
なんでここまで日高が頭を殴られたいのか、日高には分からなかった。
Mでしょうか、いいえ違います。違うはずだ。
「……」
急に黙り込む日高。それに心配する阿久津。
「おーい、大丈夫か?」
「うぇーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」
「おっ!?」
急に日高が泣き出して、阿久津は驚く。
顔文字で言うと、(*´∀`*)。いや、Σ(゜д゜lll)。
「どうした、日高!?」
「だ、だって……殴ってくれないから、私の事嫌いになったかって!」
「キャラ崩壊を起こすような起こす事ではないぞ!」
「ヒック……。だって、だって、坂下さんが『阿久津はS』って!」
「誤解だ!」
(そして、坂下!どうして俺にそんな不利な情報を流す!
あれか!最近、放送部の活動を手伝わないからか!)
阿久津はとりあえず坂下を後で殴る事にして、阿久津は日高を止める事に決めた。
「日高、それは嘘だ。坂下の流した真実からかけ離れた物だ!
だからこそ、日高。話をもう1度戻そう」
「そ、そうだね。最低にしよう、部活は、坂下ちゃんの」
「坂下が死ぬ。主に放送サークルの人に」
「それより……。阿久津」
日高は阿久津をジト目で見つける。本当にじーっと、見つめる。
「教えてください、久世さんとの、精神関係を」
「ただの中学からの友達だから」
「教えてください、久世さんとの、肉体関係を」
「……厭らしいな。そんな事は無い」
「教えてください、久世さんとの、ただれた関係を!」
「もはや変な所で確信するな!」
久世はそう言った関係では無い。
結局、1時間ほど阿久津は日高に、久世との関係が何も無い事を説明した。
「……分かりました」
「分かってもらえたか」
それは何よりと、阿久津は胸を撫でおろし、
「無いのですね、関係が、久世は。……人間じゃないの?」
もう1度説明するのが面倒くさいなと、阿久津は思っていた。




