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032 純潔とはホモ

あらすじ

長道が、魔力消失の袋でホモの剣聖につかまる。

復讐としてウホッからアツーされそうな予感に泣く長道。

― 032 純潔とはホモ ―


大失敗だ。

究極魔法と言えども、魔力を空にされると無力になるってわかっていたのに。

分かっていたのに全く対策を立てていなかった自分が憎い。


いまお屋敷に分身を置いてきていない。

だから消えて逃げる事も出来ない。


マリアお母様に分身をいつもお屋敷に置いておくように言われていたのに、今日に限て分身してなかったのだ。


しかも妹が一緒に居ない単独行動。


僕はふと昔の言葉を思います。

『大きなトラブルは、大抵はいくつもの小さなトラブルやミスが重なった時に起きる。繊細に小さなトラブルやミスを避ければ大きなトラブルには見舞われない』


そんな事を偉そうに言っていた自分を思い出した。

前世の僕!偉そうに他人にそれを教えるなら、言った僕自身が忘れるなよ。

今日は些細なミスを重ねて、大トラブルに見舞われちゃったよ。

僕のバカ野郎!


袋を被せられたまま馬に荷物のように乗せられ、さらに運ばれる。

30分ほど移動すると降ろされた。


少しの間だけ手足が自由になったが、すぐにベッドのような場所に『うつ伏せ』に手足を縛りつけられた。


ちょっと。

せめて仰向けに縛って。

うつ伏せってことはアレか?お尻狙いか?


剣聖アキリス・オプテアは楽しそうに僕のお尻を撫でた。

「今から生意気な貴様を調教してやろう。」


うそでしょ…

いや、ほんとやめて。

純潔のケツを汚さないで…


剣聖アキリス・オプテアは僕のズボンのひもを解き始める。

やめろおおおお!


「むぐむぐむぐ!」

必死にお尻を振って妨害するも

「おいおい、誘ってるのか?」

と言われてしまう。


くそ、こんな事なら黒竜王の戦闘スキルを自分に移植しておくべきだった。

だけど、<原始魔法>でスキルや魔法を植え付けられた人が「刃物が刺さったみたいに苦しかった」っていうから、怖くて自分には何も移植していないのだ。


失敗した…


何か戦闘スキルを自分につけとけばよかった。

ズボンが半分脱がされたところで高麗こまの声がした。

『あと20秒ほど頑張ってくださいませ。』


20秒?

わらにもすがる気持ちで、お尻を盛大に振って剣聖アキリス・オプテアの妨害をする。

「はっはっは、抵抗しても無駄だぞ。すぐに新しい世界を教えてやるから大人しくしろ。」

ズボンとパンツが完全に脱がされてしまった。


ノオオオ、新しい世界なんて教えられてたまるか!

うおおおお!高速お尻シェイク!


20秒くらいならノンストップで抵抗してやるぞおお。

必死にお尻を振って抵抗していると、急に背後でハリセンで叩くような音と奇妙な声がする。


パアアン!

「うぎいい!」


そして僕のお尻をつかんでいた手から力が失われ、剣聖アキリス・オプテアがどさりと倒れる音がした。


誰かが僕に被せられた袋外してくれている。

助かったのか?


袋が外れると、目の前に長い黒髪の美少女が立っていた。

「お兄ちゃん、アツーッて叫んだ?」


里美だった。

「大丈夫、まだウホってところ。でも危なかったよ…里美が天使に見えた。」

「元々私は天使級に可愛いけどね。」


パンパンと扇子の衝撃波で僕の手足を拘束していた鎖を破壊してくれる。


自由になって、ズボンをはきなおしながら身を起こすと…

床に股間をおさえた剣聖アキリス・オプテアが、うつ伏せに気絶していた。


袋を被ってたから分からなかったけど、こいつすでにズボンを脱いでいたのか。

危ない所だった。


ベッドから降りるとデルリカと康子も飛び込んでくる。

「お兄ちゃん、純潔を失ってもデルリカはお兄ちゃんの事が大好きですわ!」

「お兄様、男性同士のそれは操を失ったことにならないという説があります。お気を確かに。」


2人とも、僕がアツーされた前提で話してる。

「いや、里美が間一髪で助けてくれたんでギリギリ大丈夫だった。助けに来てくれてありがとう。」


そう言ったけど、デルリカはなぜか生優しい目で僕を見ている。

いや、本当にまだ大丈夫だったから。


「ところで里美、袋を被っていたから何が起きたか分からなかったけど、奴に何したの?」


すると扇子を下から上に振り上げる動作をした。

「こうやって、後ろから近づいて、下から上に向けて衝撃波を撃ちこんだだけ。なんか潰れた感触がしたから大ダメージを与えたのは確かかな。」


「むごい…」


里美が膨れた。

「お兄ちゃんを守るために大事な扇子で汚いお稲荷を叩き上げたのに!それはヒドイんじゃないの?」


そうだった!

あと少し遅ければ、僕がお尻をアレされてアツーとか叫ばないといけなかったんだ。

「すまない里美。そしてありがとう。心の底から感謝しているよ。」


ハグしちゃおう。

可愛いぞ里美。


「分かればいいのよ。」


さて剣聖アキリス・オプテアをどうしようかな。

そう思いながら振り返ると、ちょうどデルリカがスコップを振りろそうとしていた。

「まって、すっ殺(すぐ殺そうとする)ちゃん!ちょっとだけまって!」


デルリカは不満そうに僕を見た。

「助けますの?マリアお母様はいざとなったら確実に殺せと言っておりましたわ。」


「ちがうよ。今回は殺す必要が無いし、むしろ僕を追ってこいつが動いていたことを誰かが知っていたら面倒になるでしょ。だから死ぬほどムゴイ事にしようと思うんだ。だから任せて。」


「そうですか、ではお任せしますが、、、ぬるい罰で解放したらワタクシが殺しますわ。」


こわいな、うちのすっ殺ちゃんは。


さて、魔力が回復してきたので<鑑定探査>を使う。


職業の聖剣士を引っこ抜く。

ふん!


称号:剣聖を引っこ抜く

ふん!


スキル、魔法、武技、全部引っこ抜く

せいや!


筋力、素早さ、体力、寿命も半分以上引っこ抜く。

どすこい!


抵抗力とかいう数値はほとんど引っこ抜いた。

せいや!


備考欄に貴族ってあったからそれも引っこ抜く。

ふん!


財産、金貨50000枚相当ってある。引っこ抜く。

どりゃあ!


ふう、いい仕事したぜ。


「地位も名誉も能力も財産も引っこ抜いたよ。どうなるか実験も兼ねているからこれで少し泳がしてみて。貴族っていう肩書や、財産金貨50000枚相当とか奪ったけど、どうなるか見てみたいんだ。」


デルリカは悪い顔で微笑む。

「ふふふ、お兄ちゃんはひどいですわね。お金持ちの貴族が地位と財産を失うとか、死ぬより厳しいでしょうに。」


僕は里美を見る。

「では里美、助けてくれたお礼にこの金貨50000枚相当をあげよう。いる?」

「いる!」


凄い勢いで返事が返ってきた。

そして目をつぶって身構える里美。


概念を移植されると苦しいのは知っているんだね。

それでも金貨が欲しいか。

流石里美、欲望に忠実だ。


「行くよ!」

金貨50000枚相当という概念を里美に投げつけた。


「ぐあああ!」

胸をおさえて倒れる里美。


すぐに抱きとめた。

「里美、大丈夫か!」


苦しそうに汗を垂らしながら、良い笑顔でサムズアップしてきた。

大丈夫そうだ。


そして僕らは玉を潰して気絶しているアキリス・オプテアをその場に残し帰宅した。



次の日。

ギルドに妹達と美容薬をもっていく。

まだまだ売れているらしい。これは相当稼げそうな予感ですな。


ギルドにつくと、そこには純潔騎士団団長のモンガンが待っていた。


妹達が警戒する。

でもモンガンから出た言葉は意外なものだった。


「警戒しないでくれぬか、今回はアキリス・オプテアの処分について説明に来ただけだ。」


「処分?」


頷き、モンガンは近くに積んである大きな箱を指さした。

「あれはアキリス・オプテアの所有してたものだが、オプテア伯爵より君たちに与えるように言われた。」


ピンとくる。


「口封じですか。もちろんお受けします。アキリス・オプテアは許せませんがオプテア伯爵を敵にまわす気はありませんから。」


モンガンは感心した顔をすると、頷く。

「なるほど、ユカエル殿が言うように賢い子だ。だが条件がある。これから魔法契約を行ってもらおう。立会人はユカエル支部長にお願いしてある。契約魔法を行えば、決してこの事件の顛末は関して話せなくなるが。いいかな。」


「構いません。言う気もありませんから。ですが何を言ってはいけないかを明確に示してください。」


「もちろんだ。アキリス・オプテアは各地で少年に暴行を働いた罪で教会から弾劾されそうなのだ。そうなればオプテア伯爵も立場が危なくなる。そこでアキリス・オプテアは自ら股間を切り落とすことで自らを罰し、さらに貧しい修道士となり教会に尽くすこととなった。アキリス・オプテアの股間は彼が自ら切り落としたことにしてほしい。」


切り落とした?

潰したのではなくて?

まあいいか。


「分かりました。こちらもお尻を狙われたと知られればあらぬ疑いを受けますので、その時の出来事は生涯忘れ去りましょう。」


「うむ、ではここにサインをしてくれ。」


だされた書類は魔法の契約書だ。

誓約すれば逆らえなくなる。

危険な魔法だから、公正に行われたかどうかをギルド支長のユカエルさんが立ち会うということか。


サインをし、小さく腕を切って血で拇印を押す。

すると、不思議な光が体を包み、魂に何かを書き込んできたのが分かった。


それで完了だ。


紙をもってモンガンが去ったあと、僕は純化魔法で誓約の呪いからすり抜けて、魂から消してから話し出す。


「あの小屋でのアキリス・オプテアは股間を潰されたんじゃないの?」

いきなり事件について僕が話し出したからユカエルさんは目を丸くする。


「長道坊っちゃん!あの事件について絶対話すなっていう誓約の魔法にサインしたのに何で?」

「え?さっきのサインで『絶対喋らないで』って魂に書かれたけど、そんなメモは無視して消しましたけど。」


「坊っちゃん…、ほんと神の御業だね。もう一生ついていくよ。」


いや、適当に手伝ってくれればいいから。

まあいや。


僕は里美を見た。

すると舌をペロと出しておどけてきた。


「えへ、本当は下から衝撃波で打ち上げたら、千切れて天井にぶつかってへばりついたんだ。だけど、それを言ったらお兄ちゃんが怖がると思ってアノ場では言わなかったの。」


わお…


「なるほど、それはあの場で言わなくて正解だね。そうだ、あの箱は約束通り里美に全部あげるよ。」


「やった、金貨50000枚相当の金品だね!やっほー。」


スグにモンガンが持ってきた大きな箱は里美の<空間収納>に消える。


うむ、これにて一件落着。

あとでマリアお母様にも報告しよっと。


ギルド支部の奥に居あるレストランスペースを見るとダグラス団が居た。

ついでなんでイタズラしちゃおう。

ダグラスさんにバジリスクから奪ったステータスを投げつけた。


「ぐあああ!」


胸をおさえてダグラスさんが転がる。

やっぱり苦しんだ…

自分に能力移植するのがまた怖くなった。


でも、僕の錬度が上がれば苦しまなくなったりしないかな?

慌ててダグラスさんに駆け寄るダグラス団の3人にも、練習の意味でバジリスクから奪ったステータスを投げつける。


「ぐああ!」

「ぐはああ!」

「ぎゅわああ!」


ぱたぱたと倒れる。


ユカエルさんが僕に駆け寄ってきた。


「羨ましい。何をあげたんだい?」

「バジリスクの<状態異常の魔眼:4>と<毒>セットですよ。まだ二つ余ってるけど…いります?」

「状態異常の魔眼:4だって!魔族の暗黒魔導士でもないと手に入らないレアスキルじゃないか。ぜひ欲しいよ。お願いできるかい。」

「いいですよー。ではお覚悟を。」


目を固くつぶって身構えるユカエルさん。エロい。

そこにバジリスクのスキルを投げ込んだ。


えい!


「ああああん。」


うわ、エロい声で倒れた。

すぐに駆け寄ろうとしたら、自分で起き上がってきた。

おや?ダメージが減った?

「はあ、はあ。なんか慣れて来たみたいだよ。」


慣れるんだ。ちょっと研究のために聞いてみなくちゃ。

「どういう風に慣れる感じですか?」

「そうだね。刃物に刺されなれると、刺されても動けるようになるんだよ。そんな感じかな。」


うわあ、やっぱりすごく苦しそう。

全然参考にならなかった。


苦しまないでステータスを移植できるようになるまで、自分に能力移植するのはやめようと心に誓った。

<状態異常の魔眼>説明。

8種以上の状態異常に関する魔眼を手に入れると、それらの魔眼を生贄にすることで手に入れる事が出来る魔眼。

12種類の魔眼の能力を持つのでお得。最上位魔眼の1つ。

バジリスクのように、弱いのに初めからこれを持っている魔物は珍しい。

ポイントが増えると、やれることが多くなる。


P1:魔眼能力追加

 <衰弱の魔眼>疲労、栄養失調、老化

 <痒みの魔眼>痒み、脱力

 <痛みの魔眼>幻痛、五感に強刺激

P2:魔眼能力追加

 <混乱の魔眼>敵味方識別不能

 <眠りの魔眼>睡眠、意識低下

 <麻痺の魔眼>麻痺、感覚消失

 <神経麻痺の魔眼>呼吸困難、行動阻害

 <石化の魔眼>高速石化、永久石化

P3:各魔眼、ポイント3化

P4:各魔眼、ポイント4化

P5:魔眼能力追加

 <毒の魔眼>遅効性毒、速攻毒、筋肉毒、神経毒、幻覚毒

 <病の魔眼>病気誘発、伝染病

 <腐食の魔眼>肉体腐食、精神腐食

P6:各魔眼、ポイント5化

P7:各魔眼、ポイント6化

P8:各魔眼、ポイント7化

P9:魔眼能力追加

 <魂の魔眼>魔物化、魂の邪悪化、魂摩耗、アンデット化

P10:各魔眼能力、ポイント10化

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