エピローグ
それから10年。カレンダーは9月21日を示していた。心の中で「宇宙と出会って25年か・・・」と心で思い、すぐにはっとした。今日はタイムカプセルの開封日だと。宇宙はいないが、開けても問題ないだろう。そしてスコップを物置から取り出し、公園に向かった。あの日と同じように大木がどっしりと構えている。そこをスコップで掘るとあっさりと銀箱が出てきた。そこには「2025.9.21 Jun Matsuo and Utyu」と書いていた。間違いない。銀箱を慎重に開ける。そこには修学旅行の写真、未来の自分への手紙。そしてもう1個、宇宙から「2025年の純へ」と書いた手紙があった。
『拝啓 松尾 純 様
今年の9月は冷えました。そちらの9月はどうでしょうか。気候的には暖かくても心が冷え冷えしてるかもしれません。
それは僕がいないからだと思います。死んでいるか、宇宙に帰ったか。少なくとも、いま一緒に見ているということはないでしょう。だから今、思いをぶつけます。
純と出会えてよかった。5年しか過ごせてない現状だけど、そう思います。なのに先立つ不幸となったのには訳があります
実は地元である星から今、時々メッセージが来るのです。仕組みは難しいから略しますが。
戦争が落ち着いてきたから帰ってこい、そういうものでした。でも僕は帰りたくない。純と一緒にいたい。
帰らないで済む方法、それには死しかないでしょう。もちろんそんなことをしたら純とは会えなくなる。
しかし運がいいというか強靭というか、1度だけなら死んでも死なず、声だけ聞こえるのです。
しかしどんな死に方でもいいわけではなく、自殺限定でした。
もしかしたら、別れる前に死んだほうがいいんだとか言ってるかもしれませんね
それにはそういう理由があるのです。そして事故とかが起きたら普通の人と同じように死にます
最後に、今までありがとう。そしてさようなら。』
それを見た時、大木の周りが濡れ、自分が書いた手紙が湿っていった。




