2 海辺のダンジョン
ルイス達はクラーケンのいるダンジョンに到達した。陸上にいたクラ―ケンを攻撃したが、水中に潜られてしまった。
2 海辺のダンジョン
島の中央にある建物の地下はダンジョンになっていた。海の魔獣のダンジョンだ。地下に降りると大きな池があった。なんとその岸辺にクラーケンが横たわっていた。地上で横たわっているクラーケンなら狙い易い。チャンスだ。ルイスは指示を出した。
「アンドロイド達は池の上空からクラーケンに魔法を放て、絶対に池に潜らすな。マリエールと僕はこちら側から攻撃する。合図と共に一斉に攻撃する。持ち場について待機せよ。」
ルイスはマリエールに言った、
「迂闊に近くなよ。脚に巻き付かれるぞ。」
マリエールは頷いた。
各自持ち場についた。ルイスは、
「攻撃開始」
の合図をした。アンドロイド達は池の上空から魔法攻撃、マリエールとルイスもその場から魔法攻撃した。クラーケンはぬすと起き上がった。池に向かおうとしたのでアンドロイド達は火力を上げ何とか拒もうとしたがクラーケンは物ともせず池に潜ってしまった。ルイスは、
「残念ながら、作戦失敗だ。水中に潜るしかないな。下層に降りるにしてもこの池に入り口があるのだろうし。」
マリエールは心配そうに、
「ルイス、水中では呼吸出来ないわ。アイテムボックスがあれば中の空気で呼吸出来るけど、自力ではアイテムボックス出来ないかしら。」
ルイスはアイテムボックスを想像して念じてみた。残念ながら反応はない。
「駄目そうだ。」
「仕方ないわ。魔法を付与しましょう。」
ルイスはアイテムボックスが出来た。しかも共有アイテムボックスだ。マリエールは、
「空気の吸い方判る? 」
ルイスはやってみた。
「判るよ。不思議な感じだね。」
「できればいいわ。エアーシールドで覆って潜りましょう。」
一行は水中に潜った。どのくらい潜っただろう。クラーケンを見つけた。近くに洞穴らしき物がある。下層への入り口なのかもかも知れない。先ずはクラーケン退治である。
クラーケンの厄介なのはその脚である。脚で巻き付かれたら身動きが取れなくなる。それを避けるためには、魔法の遠距離攻撃だろうが、クラーケンに致命傷を与えるような遠距離攻撃をルイス達は持ち合わせていない。どうしてもクラーケンの懐に入って致命の一撃を与えるしかない。ルイスは考えた。火と土と風と闇の魔法をヒヒイロカネの剣に纏わせた一撃を一斉に襲いかかって決めたらクラーケンを倒せるのではないかと。しかし水中のここでそれをやることの是非を判断することができなかった。マリエールに尋ねた。マリエールは、
「確かに水中で火魔法を使うのは推奨されていないわね。スピードも落ちるし、この攻撃にはあまり適した状況とは言えないわね。違う攻撃と言えば凍剣くらいかしら。心配ならアンドロイド達だけで攻撃させてみる? 」
凍剣、アンドロイド達だけ、ルイスは考える。
「アンドロイド達だけで攻撃させるのは我々のポリシーに反するよ。凍剣は状況に合ったいい攻撃方法だと思うけど単独魔法ではやはり心もとないよ。当初の計画通りここは火と土と風と闇の魔法を纏わせた剣での一斉攻撃で行こう。」
マリエールも同意した。
クラーケンを取り囲んでルイスを始めとした一行は火と土と風と闇の魔法を纏わせた剣を構えて合図を待った。ルイスは、
「攻撃開始」
と合図を送った。スピードが乗らない、水中でのフライ、一方クラーケンの脚は速い。何体か捕まるアンドロイドがいる。ルイス達はようやくクラーケンの懐に入って一撃を喰らわせた。クラーケンは大きく体勢を崩し捕まえていたアンドロイド達を手放した。二撃目、三撃目と放って有利に進んでいるようにみえたがクラーケンは脚を鞭のようにしなわせ一行を鞭打つように払った。魔法も切れかけたようだ。凍剣に切り替え剣撃を放った。これは効果があったようだ。クラーケンの身体の一部が凍りつき剥げ落ちた。何撃かの攻撃でクラーケンの身体全体が凍りついた。トドメを刺すためにクラーケンの目を狙った。目を失ったクラーケンは暴れ回った。ルイス達一行は落ち着いてその場を離れ遠距離攻撃に切り替えた。火と風と闇の魔法を付加した貫通魔法を一斉に放ってクラーケンにトドメを刺した。
クラーケンの魔石やドロップアイテムを回収して洞窟に向かった。数々の宝箱、宝剣、どれも美しくて価値が高い。全てを回収して次に進んだ。次はシーサーペントの層だと判った。取り敢えず冒険者ギルドに戻って報告することにした。受付嬢はギルド長を呼んでルイス達を歓待した。
「島に渡って帰ってきた者は誰もいないというのに、クラーケンを討伐して次はシーサーペントだという情報だけでも価値がある。31層のクラーケンの魔石を買い取って国に報告しよう。きっと大きな報奨があるだろう。」
ギルド長はルイス達を賞賛した。ギルドや冒険者達は湧いたけどフライのない身では島に渡りようがない。たとえフライがあったにせよ。水中にいるクラーケンと戦うすでがない。
帰ってきた伯爵屋敷でマリエール商会の売り上げが順調であることはアンドロイドからの報告で判っている。伯爵はマリエールとルイスの帰領を喜んでくれた。
「マリエール、ルイス、お帰り。お前達は儂の自慢の冒険者だ。さぁ教えてくれ。お前達がしてきた冒険を。」
マリエールは複製しておいたクラーケンの魔石を伯爵に見せながら今回の冒険について語った。特にルイスが如何に勇敢であったか語った。伯爵は、
「何と凄い冒険をしてきたもんだ。クラーケンも凄いが次はシーサーペントか。伝説上の魔獣だと思っていたけど本当にいるのじゃのう。とんでもない物がいるものだ。いるとすれば100mは下らない大きさだろう。王宮よりも大きな化け物だということだ。」
伯爵は感心やらため息やらつきながら、聞き、話した。
話題に領政に移った。伯爵が、
「国王陛下がワインの製法をどうしても教えろと仰るのだ。儂は国王陛下にワイン職人をこの領に派遣してもらって実際見てもらって話しを聞いてもらうのが一番だと申し上げて、実際派遣されたのだが上手く伝わらなかったらしい。思うようなワインが出来ないそうだ。儂もそれ以上はマリエールがいないとお答え出来ないと申し上げてある。マリエール頼む、国王陛下の職人にワインの製法を教えてやって欲しい。」
ちょっと難しい注文だ。基本的製法なら教えられる。その製法でできた特に良いワインだけを複製して売っているのだ。製法だけ教えても必ずしも同等のワインが出来る保障はない。複製魔法のことを教えても使えるわけではない。
「難しい注文です。製法は教えられても必ずしも同等のワインが出来るわけではありませんので。」
伯爵も納得したようだ。
ルイス達はクラーケンを討伐して凱旋した。ギルド長が歓待してくれギルドは大いに盛り上がったが島に渡る方法もないし、たとえ渡ってもクラーケンと戦う手立てがない。




