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プロローグ ハイエルフ美少女はガーリックシュリンプの夢を見る
男は、自分より明らかにランクの低い女にも、平気で手を出す。
SSRのイケメンが、SRの女を――
屋台で売ってるガーリックシュリンプを摘んで、口に放り込むみたいな気軽さで。
そしてそのガーリックシュリンプは、勘違いする。
自分も、SSRに見合うSSRなのだと。
世界のランクを、見誤ったまま。
そうなったら、もう戻れない。
婚活市場を漂流する彷徨えるオランダ人になるか――
それとも、
担当作家のボツ原稿を写メって横流しした金で、
シャンパンタワーを建てる限界ライトノベル編集者になるしかない。
私は、後者だった。
もし、乙女ゲームのどれか一つでも、
中の上か、せいぜい上の下のヒロインが、
完璧超人みたいなメインキャラに抱かれた後で
「一回や二回寝ただけで、彼女ヅラされるの、重いんだよね」
とか、言われるシナリオがあったなら――
せめて、マスコット的なキャラクターが、
「女と違って、男は自分の適正ランク以下にも平気で手を出す生き物なんだプー」
とか教えてくれるシーンがあったなら。
たぶん私は、
銀髪ハイエルフ美少女に転生して、
こんな広いステージには立ってなかったと思う。
夜空を埋める星々のようなペンライトの海を見ながら、
ふと、そんなことを思った。




