8月24日
月が綺麗ですね。
この言葉に詰められたドラマは数知れず。
夏目漱石の手を離れ、この言葉は私が生まれるよりも先に独り歩き始めていた。
そしてその言葉へのアンサーも極めて多く作り出された。
昔から有名な話だ。
私は深くその言葉の歩みを見ていないからすごく憶測でしかないのだけれど。
昔からその「月が綺麗ですね。」という言葉の意味を知っている上でアンサーをした御人がいるのであればそれが一体どんな言葉なのか、どんな意味、どんな心持ち、それを深く深く理解したくなる。
一種のフェチズムとでも言うのだろうか。
私は恋愛をしていない。
小中高、全て。
私が好いた人は保育園の子だ、もう名前も分からない。
お人形さんみたいだった。
今まで私は容姿、発言、一挙手一投足が、1キモ1豚足と言われていたほど不快であったらしい。
本当かどうかは知らない。
そこはもう考えるつもりもない。
そんな私は文庫本を開いて、恋愛を知った気になる。
図書館は私の知らないものを見せてくれた。
「先生の想いや過去が私に手紙を通して伝わる話」
「姉ちゃんと愛しい人を呼ぶ百合の話。」
上げればキリがないほど、どれも型版から大きく逸脱した物語。
だけれどどれも私にはノンフィクションに見えた。
「何を読みに来たんだっけな…」
図書館はいつも閑古鳥が鳴いている。
何も恋愛話ばかり読む訳ではない。
私ぐらいの歳が読むようなジュブナイル小説だって私も読む。
思っているより好みでは無いけれど。
決して文豪至上主義ではないのだけれど、あまり商業的なカテゴライズに入る小説は苦手なのだ。
「これかな。」




