日向を失う
次の日の夜。
暗くなるのを待っていたかのように、数人の男達が、音を立てず、小屋を目指して移動していた。
彼らの背中には、特殊部隊と書かれていた。
緊急時にのみ出動する彼ら来ると言う事は、相当な厳重体制だ。
「あそこの小屋だ」
部隊の一人が小屋を見つけると、全員頷いた。
一斉に配置につき、小屋の周りを囲む。
その中の一人が合図を出すと、正面のドアから2人の男が一気に小屋に押し入った。
すると中から
「失礼じゃないですか?
勝手に人の家に入るなんて。
しかも土足で」
とトキさんが言った。
隊員達は、
「犯罪者を捕まえるのに、失礼もクソもあるか!
手を上げろ!
トキトウ、お前を逮捕する!」
と銃口をトキさんへ向けた。
トキさんは落ち着いたまま、
「犯罪者ね。
確かにそうですが、自分達の事棚に上げて、偉そうによく言いますね。
俺のシステムを利用して、国民を騙しているのはいいんですか?」
と返した。
「なにを小賢しい!」
そう言ってトキさんへ発砲した。
その音を聞き、残りの男達も突入して来た。
しかし、銃弾はトキさんをすり抜けて家の柱に当たった。
「大事な家、傷つけないでもらえますか?
それと、これはお返ししておきます。
ケントによろしく言っておいて下さい」
そう言うと、トキさんは消えた。
「クソ!ホログラムか!
まだそんな遠くに逃げてないはずだ!
周囲を隈無く探せ!」
リーダーの一人が指示を出し、全員散らばって捜索を始めた。
ホログラム越しに相手を確認したトキさんは、ピアス型通信機で全員に詳細を知らせた。
「相手は特殊部隊。
小屋に乗り込んできた人数は7人。
全員拳銃を所持している」
「だいぶ豪勢なお迎えじゃん」
冗談っぽく空翔が言う。
「人気者は辛いな」
とトキさんも冗談を返しつつ、続けて
「まぁともかく、ケントも焦ってるってことがわかった。
このまま作戦を実行する」
その言葉を聞き
「「「「「「了解!」」」」」」
全員覚悟の決まった返答がきた。




