守りたい雨
トキさんを探して入って行くが、中に進めば進む程、警告が大きくなり『これ以上は進めません』と表示されると舞華が教えてくれた。
「晴希、これより先は倒壊で進めないって出てる」
「わかった、じゃあこっちに行こう」
そう言って、ルートが限られていく中、進んで行く。
トキさんと最後に会った場所までたどり着けるかも不安になってきた。
「ねぇ、晴希、あれ見て」
舞華が指差した先には、看護ロボットが動いていた。
看護ロボットは病気や怪我の手当もちろんだが、緊急時には避難誘導を行う。
人が安全に生活出来るように設定されている。
しかし、この看護ロボットは俺達を発見すると
「タスケテ、タスケテ」
とこちら助けを求めてきた。
そしてそのロボットが向かう先は更に危険なエリア。
「晴希、待って。
この先、火災って表示されてる。
かなり危険だよ」
舞華には危険と表示されている。
どういうことだ?
看護ロボットが危険な方へ誘導するなんて。
その看護ロボットは、俺達が立ち止まっているのを確認すると振り返り
「タスケテ。
オネガイタスケテ」
と再び呼びかけてきた。
舞華も俺も半信半疑だったが、その呼びかけにただ事ではないと思い、後をついていった。
そのロボットが案内した先には、人が倒れていた。
それはトキさんだった。
「「トキさん!!」」
舞華と俺は同時にトキさんに駆け寄り、声をかけるが気を失っていた。
「トキさんいたのか?」
俺達の声を聞き、大地と空翔が聞き返した。
「あぁ!トキさん見つけた!
これから出口に向かう!」
そう言うと、看護ロボットが
「アシガトレナイ。
タスケテ」
と言った。
トキさんのアシを見ると瓦礫の下敷きになっていた。
これで助けを求めていたのか!
俺と舞華でトキさんの足元の瓦礫を退かしていく。
看護ロボットはその間に瓦礫から足を抜こうとトキさんを少しづつ引っ張っていた。
お互いの協力の元、トキさんの足が瓦礫から抜けた。
看護ロボットはすぐにトキさんの足の状況を診ると
「ホネハダイジョウブソウデス。
スグニダッシュツシマス。
ツイテキテ」
と答え、トキさんを担いで俺達を出口へ案内してくれた。
トキさんのいた部屋を出ると、すぐ隣では炎が上がっていた。
もう少し時間がかかっていたら、俺達も危なかった。
その看護ロボットはトキさんを大事そうに抱え、最短ルートで出口まで案内してくれた。
出口では、大地と空翔が待っていた。
2人は看護ロボットが抱えているトキさんを見ると、
「トキさん、よかった!
よく見つけられたな!」
と俺達に聞いてきた。
「この看護ロボットが教えてくれた」
そう答えると、
「トキさんナノチップついてないのにどうやって?」
と大地が言った。
確かにそうだ。
看護ロボットはナノチップで人の居場所を確認し救出に向かうのに、どうやってトキさんを見つけたんだろう?
と疑問に思っていると、
看護ロボットは
「アルジヲオネガイシマス」
とトキさんを俺達に託すように渡した。
そして、
「ドウカゴブジデ」
とトキさんに言い、その場から離れて行った。
ロボットだから表情は変わらないはずなのに、少し安心した優しい顔に見えた。
俺達もトキさんを担いで、すぐに建物から離れた。
近くには消防や警察のサイレンが近付いてきていた。
出来る限り早く離れたかったが、トキさんを担いでいるため、あまり早く動けなかった。
そこで、誠真さんがすぐに逃走ルートをGPS表示してくれ、それを辿ってばあちゃん達の待つ小屋までなんとか帰りついた。




