エピローグ
「本当に行っちゃうのね……寂しくなるけど、向こうでも頑張ってねソフィア」
「ソフィア、俺はいつでも待ってるからな!……ううっ」
「あんまりかかわりは無かったが、達者でな。ティボルト、泣くな!!」
「フィーちゃん、元気でね!!」
あれから、一週間の時が過ぎた。
大公は失脚し、現在はこれまでの罪を償わせさせる為に牢獄にいる。
そして、新しい大公はマキューシオになった。当然と言ったらそうかもしれないが、マキューシオは元々の約束通りに、ロミオとジュリエットの息子が成人したら位を譲ると言った。ちなみに、アイリスはマキューシオが後見人となり、無事にパリスとの婚約が認められた。
これで悪者もいなくなり、新たな問題も発生しない。そう、これがソフィアの望んだ結末、ハッピーエンド。
私のやることは、全て終わったの―――
「ちょっと、皆様!!私は、休暇を頂いただけですよ!?何で、こうなるんですか!!」
「そうわよねえ。少し大げさだったわ。ちゃんと、私達の正式な結婚式にも出席してくれるのにね」
「「「え?」」」
「そうですよ。ティボルト様もマジ泣きは止めてください!!」
「「「・・・・・・」」」
ん?
みんな、呆然としている?
え、まさか、お嬢様以外知らなかったの!?
あれ、冗談じゃないの!?
「え、知らなかったんですか?お嬢様が言いませんでした??」
「いや、ジュリちゃんは、フィーちゃんが今度、暇を取るとしか言ってなかったよ」
あちゃー
お嬢様の言い方が悪くて、語弊を招いてしまっていたのね…
「お嬢様…」
「ソフィア、ごめんね」
「はい…あれ?マキューシオはいないんですね?」
「マーシオなら、大公の仕事が忙しいらしいよ」
「もう、ソフィアったら!!ウフフッ」
お嬢様、何ですか?
スゴイ不気味…
あ、また、ティボルトが泣いてる。どうしたんだろう?
「あら?もう、こんな時間。ソフィア、一週間後の結婚式でね」
「ええ。今度会う時には、『お嬢様』では無く『奥様』と呼びますね!!」
「本当に!?絶対よ!!
「では、皆様、行って参ります」
****
ガラガラガラ
出発して、10分らい馬車に揺られてると、遠くからソフィアを呼ぶ声が聞こえてきた。
あれ?私を呼ぶ声が聞こえるような…
「…フィア……フィ……ソフィ…」
いや、これは90パーセントくらいの確率で私を呼んでいるわね。私の耳が正しければだけど…
でも、何でだろう?みんなとは挨拶はしたし、どうせ帰ってくるからわざわざ追いかけてくる必要はないと思うんだけど…
あ、忘れ物ね!!でも、わざわざ、そんなことしなくても良かったのに…
「すいませーん、止まってくださーい!!」
すると、勿論のこと馬車は止まった。10パーセントの確率の方だったらどうしようと思いながら馬車を降りると、そこには・・・・・
「マキューシオ!?…何で、忘れ物を忙しいのに届けに来たの?」
そう、そこには馬にまたがった(※白馬ではない)マキューシオがいたのだ。
「え?忘れ物?忙しいは正解だけど…」
「あ、違ったの?じゃあ何故?」
ソフィアが首をかしげながら聞くと、いつの間にか馬から降りていたマキューシオがにやけながら言った。
「いや、本当はみんなと一緒に別れを言うつもりだったけど、仕事が終わらなくて…」
「顔、にやけてるわよ。そう、つまり、別れを言いに?」
「うん、そう。ソフィア、離れていても絶対に週一でそっちに行くから、新しい男なんて作るなよ!!そん時はその男を闇に葬るから」
「なに言ってんの!?色々ツッコミどころがあるけど、新しい男って何?そもそも、あったことが無いわよ!?」
「ヒドイ、俺はどうなの?」
「・・・・はあ」
ソフィアが呆れて何も言わないでいると、突然、マキューシオがソフィアに抱き着いて言った。
「ソフィア、ソフィアがどれだけ嫌がっても、俺はずっと追い続けるよ。だから、諦めて俺とずっと一緒にいて」
「ええと、それはつまり…」
「プロポーズだよ。それと、はい」
すると、マキューシオはピンクダイヤモンドのダリアの花束を持っていた(馬に乗っていったのに何故?とツッコんだら負けである)。
「えと……何でまた急に?」
「だって、実家に帰っちゃうんでしょ?だから、他の男に取られる前にと思って…」
「はあ…それ、お嬢様の言い間違いよ。1週間後のお嬢様の結婚式には帰ってくるわよ」
「え…恥ずかし…」
二人とも顔を赤くして無言のまま数秒が過ぎた。先に口を開いたのはマキューシオだった。
「…返事は?」
「え!?へ、返事?ええと、それは……」
「じゃあ、ヴェローナに戻ってくるまでに考えといて」
「分かったわ。じゃあ、またね」
「ああ。あ、待って…」
そう言うと、次の瞬間にはマキューシオの顔とソフィアの顔との距離は0になっていた―――
え?
こ、これは、も、もしかして…
キ、キキキキス!?
「ちょ、ちょっと、何してるの!!私は、まだ返事なんて言ってないわよ!」
「これで、離れたくなくなったでしょ?じゃあね。チャオ!!」
「え、ちょっと!!」
すると、馬に乗ってどこかへ行ってしまった。一人になったソフィアは、再び馬車に乗った。勿論、御者は顔を真っ赤にしていた。
****
フフッ
でも、原作のマキューシオって、あんな奴だったかしら?
まったく、重なる所が思いつかない・・・
…でも、それで良いの。だって、私が好きなのは原作とかではなく私の知るマキューシオだもの。
戻ったら、どうやって返事をしようかしら?…
あ、そうだ!私もこの花をあげよう。ピンクダイヤのダリアを――
ピンクダイヤモンド――
意味、それは…完全無欠の愛、そして両想い――
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。




