インターバル1
千佳さんの写真を見てみたいと言ったら、ひろ兄が実家から数冊のアルバムを持ってきてくれた。
「これが千佳さん? うわ。ほんと夏帆おばさんと千明ちゃんそっくり」
「こっちは……大さんが赤ん坊の時のか」
「夏帆さんが庭でちーを抱っこしている写真と、ちーがチャッキーを抱いている写真が同じ場所と構図で笑えるんだけど」
「あ、これワタシらの入学式の時のだ」
「小さい頃はよくそっくりだって言われてたけど、ほんとに自分で見ても見分けつきにくいわ。ねっ? るーもそう思うでしょ」
「あぁ、そうだな。でも、右がメイだろ。笑ってるから」
みんなでそれらをかわるがわる見ながらアレコレ言い合っていると、和佳ちゃんが恒くんとひろ兄に不意に声を掛けた。
「ほら、これ。恒の卒園式の時の」
そう言ってとあるページを見せると、次になっちゃんとまぁちゃんを手招きで呼び寄せた。
「ナル、マサ。これ見てごらん。あんたらが生まれる前のだけど、懐かしいでしょ?」
二人の後ろからわたしものぞき込んで見ると、そこにはまだ園児の恒くんと和佳ちゃんと一緒に、なっちゃんそっくりの女性が写っていた。
「この後半年位で産休に入っちゃったけど、あたし達の代の卒園式の時には生まれたばかりの赤ちゃんを連れて顔を出してくれてね。その時の写真が……ああ、あった」
和佳ちゃんは嬉しそうに写真を見せながら
「ナルは本当に、年々まるみ先生に似てきたよね」
と言ってなっちゃんに笑いかけた。




