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エリシオン·アル·レーヴ  作者: 蜜柑 宵薫
第四章(前編)
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魔王決戦編 前編 -2

 天高く(そび)え立つ巨木で囲まれた原っぱに眠っていたシュヴァールは、眩しく差し込む朝日で目を覚ます。そして、膝を三角に立て、抱え込んで座る。

 すると、遠くから生い茂る雑草を踏む音がだんだんと近づいてくる。

 ビクビクと怯え固まっていたシュヴァールは、その音のする方へ首をゆっくりと振り向かせる。

 そこには、笑顔でこちらに手を振りながら歩いて来る、少し年上の少年がいた。そして、彼はシュヴァールの傍に駆け寄ると、顔を伺うように膝を(かが)め、腰を落とす。


「君、随分と汚れているね。こんなところで何をしていたの?」


 シュヴァールは、顔をそっぽに向かせ、視線を落とす。


「隠れていたんです。この世界から…」


 その白南風(しろはえ)に鳴る風鈴のような弱々しく震える声に、少年は耳を澄ませた。そして、逸らされた瞳を横から見つめ、僅かな沈黙を置くと、シュヴァールの頭をそっと撫でる。


「そっか。この世界と”かくれんぼ”…してたんだね。きっと、今は一人になりたいと思うけど、僕を傍に居させてくれないかな?君の居る世界に僕も居たいんだ」


 シュヴァールは、忘れようとしたはずの悔し涙を思い出したかのように、温かさが少し滲んだ涙を頬にスーッと垂らす。その一粒を追いかけるように、ボロボロと涙が溢れ止まず、泣き崩れた。 

 それを見た少年は、シュヴァールの背中に手を添えて静かに(さす)る。

──彼の名はヘリオス・アルバ。光の英雄と呼ばれる初代国王の第一王子であり、白い光に祝福されて誕生したと言われる”天使の御子”。


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