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ドレスが出来ました!

翌朝、カエン様はお土産のぎっしり詰まった箱を足で掴み、王都へ向けて飛び立った。

箱の中には、ミチル達が頑張ってアイデアを出したドレスのデザイン案が手紙と共に積まれている。


近日中に返事が来るだろう。ソウキ様のドレス製作も順調なので、ご本人が来る日も近いはずだ。

思いがけないドラゴンの来訪で、浮き足立っていた村人達もそれぞれの仕事に戻り、ハクロウ村は落ち着きを取り戻した。


イツキさん達は技巧を凝らしたランプや冷蔵庫を作り、若手の職人さん達は技をみがく。

お針子さん達は祭り用のドレスを縫い、ウエディングドレスやソウキ様のドレスを縫う。

ミチルはひたすら刺繍をして、ルリさんは新しいアイデアを魔方陣に込めて人工魔石で実験を繰り返しているようだ。

美波は子供達に簡単な算数を教えたり、頭を使う遊びをとクロスワードパズルの問題を作ったりしている。

合間にユーリに元の世界の話をしたり、ビーズを作ったり料理をしたりする。



そうして二十日ほどたった頃、ドレスの完成を待ちわびていたソウキ様が村にやって来る日。

美波はミチルと共に公民館にいた。

机を壁際に寄せてスペースを作ったので、いつもより広く見える。

中央のトルソーにはソウキ様のドレス。

鮮やかな青のワンピースは上半身はシンプルなノースリーブで、背中の部分は大きく開いていてセクシーだ。スカート部分はアシンメトリーで、右側が膝上くらい、左側はふくらはぎまでの長さ。

布をたっぷり使用して、斜めのラインのティアードドレスに仕上げてある。

スカート部分には所々淡いブルーのビーズを縫い付けてあるので、歩くたびにキラキラと上品な輝きを放つだろう。

上半身にはミチルの手でごく小さな透明のビーズで、波紋を図案化した模様が刺繍されている。

布地の色を透かして煌めく波紋は、水滴が水面に落ちる一瞬を切り取ったようで、神秘的な美しさだ。


そして右隣には試作品のウェディングドレス。

こちらはスタンダードにプリンセスラインで仕上げてある。フワリと大きく広がるスカートは、裾に向けてボリュームを持たせてあり、まさにお姫様のドレスである。

人工パールと透明のキラキラビーズで、ツルバラのデザインで刺繍が施されている。

肩を大胆に出したデザインは、花嫁を美しく見せるだろう。


左隣にはお祭り用のワンピース。

こちらは胸の部分から斜めのティアードドレスになっていて、膝丈くらい。

若い女の子に似合いそうな、桃色のワンピースだ。

このデザインは多少胸のボリュームが足りなくても、それなりに見えるというありがたい特典があるのだ。

決して美波の為に作られた訳ではないはずだ。

こちらもビーズ刺繍がしてあり、胸元には小さな花が散りばめられていて、スカート部分にもキラキラ輝くビーズが縫い付けられている。


折角ソウキ様とローザ様が村にいらっしゃるので、王都で最先端のドレスを見慣れているお二人に、感想を聞こうという魂胆である。


「 うん。いい出来だね、すごく素敵。

ソウキ様のドレスは最高級の布だけあって、格が違うって感じだし。他の二着は庶民でも手が出る布だとは思えない仕上がりだよ 」


「 でしょう?頑張ったもの、みんなで。

ウェディングドレスはレンタルの予定だから、まだ値段は決められないけど、ピンクのドレスは普通の女の子でも頑張れば手が出る値段に出来そうよ 。

刺繍の図案もシンプルにしてあるしね 」


ミチルはちょっと得意気だ。今日までの頑張りを隣で見てきたので、美波も自分のことのように嬉しい。


「 ウェディングドレスの方は、マリさんがヴェールを編んでくれているんでしょう?

少しだけ見せてもらったけど、すごく素敵だったよ 」


町で暮らしていた時に、レース編みをマスターしていたというマリさんは、細い糸で見事なレースを編み上げてくれるはすだ。

ファッション関連の企画は、今のところは全て順調だ。あとは数を作るだけである。


「 もうすぐいらっしゃるわね。今日はワカサギ釣りでしょ、それで夜はかまくらデートを楽しんでもらうんでしょう?」


カエン様経由で情報を得たらしいドラゴンの番は、手紙でかまくらデートを熱望しているとアピールしてきたのだ。 ご招待せねばなるまい。


「 そうだよ。夜は二人きりでかまくらデートを楽しんでもらうつもり。ワインと食事は最初からセッティングしておくから、ホントに二人きりだね。

ローザ様は私達でおもてなししよう!」


今回は初めからお泊まり宣言をされているので、今日は夜まで予定が一杯だ。


「 ドラゴンの番が仲睦まじいのは有名だけど、想像も出来ないくらい長い間、あのラブラブっぷりを維持するのってすごいわよね 」


「 確かにね。だいぶ慣れたけど、初めはびっくりしたもん。あんなに自然に自分の妻に愛を囁く夫って、本当にいるんだね 」


顔を見合わせて、リア充ドラゴンカップルの姿を思い出す。

ちょっと羨ましいね、ということで意見が一致したらしい。


「いらしたみたい、行きましょう 」


ミチルの耳がピクリと動き、ドラゴンの羽音を捉えたようだ。

広場には村人が集まっているはずだ。


「 うん。行こう、ミチル!」


遅くなりました。


ストックが尽きてしまった上に12月は多忙な為、毎日投稿するのが厳しいかもしれません。

なるべく頑張って書くつもりです。

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