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異世界二日目

目覚めると傍らには、仰向けでお腹を丸出しにしたハクの姿があった。

夕べ晩御飯をご馳走になった後で部屋に案内されたのだが、ハクが一緒に寝たいと主張したため美波のベッドで共に眠りについたのだった。


ハクは未だ深い眠りの中、プスープスーと鼻をヒクヒクさせてこの上ないリラックスモードだ。

眠るときは狼型になるらしい、この姿の方がリラックス出来る上に聴力や嗅覚も鋭敏になるので、何かあっても安心らしい。

とはいえ、この世界はとても平和なので何かなど、そうそう起こる事ではないらしい。


可愛すぎる寝姿にうっとりしつつ眺めていると、むにゃむにゃ言った後に両手両足をピーンと伸ばして、ハクが目を覚ました。


「おはよう、お姉ちゃん。」


「おはよう、ハク。」


ベッドに腹這いになったハクは、両手を伸ばしお尻を高く上げて伸びをする。更に四足で立って後ろ足を一本ずつ交互にピーンと伸ばす。

バレリーナみたいでめちゃくちゃキュートだ。


乱れた毛並みをなでなでして整えてやりながら、着替えて下へ行こうと促すと、ハクは元気よくベッドを飛び降りて自分の部屋へと向かった。


美波もリンに借りた服に袖を通したのだが、長身のリンの服は155センチの美波には大分長い。

おそらく本来は膝丈のワンピースなのだか、マキシ丈まではいかないものの、結構な長さである。

胸の下で紐を締める様なデザインなので、どうにか着ることは出来たが、あの長身美人の服を借りるのはかなり無理があるようだ。

これは早急に何とかせねばなるまい。

美人揃いの人狼族は眺める分には眼福だが、己と比べるとちょっと悲しくなる。


美波はどちらかと言えば可愛い系で、色を入れていない黒髪は肩下くらい、しっかりアーチを描く意思の強そうな眉と大きくて丸い二重の瞳、 鼻は高くもなく低くもなく、唇は口角が上がっていていつも笑っているようだ。

公平に見て、上の下か中の上といった所か。

スタイルもまぁ、普通である。


「服は早めに何とかしよう、下着とかも要るしね。髪はまとめた方が良いかな。」


鏡を見ながら身仕度を整えていると、ハクが入ってきた。


「お姉ちゃん出来た?顔は下で洗うんだよ。行こう?」


手を繋いで一階に下りると、リンが朝食の支度をしていた。


「おはようございます。」


「おはよう、ハク、美波。よく寝られた?

ハクは寝相が悪いでしょう?」


美人は朝から美しい、美人のケモミミって素晴らしい!

心の中でそんな事を叫びつつ、大人として正しい挨拶をする。


「いいえ、とても良い子でしたよ。

ハクのおかげで不安を感じる事もなく、ぐっすりねむれました。一緒に寝てもらって良かったです。」


これは本心だ、異世界で一人という不安は傍らで眠る温もりに癒され、感じる事は無かったから。


「それなら良かったわ。

もうすぐ朝食だから、ハクと顔を洗ってらっしゃい。」


元気よく返事をするハクと共に洗面所へ向かい、手伝ってやりながら顔を洗った。

水回りは割りとしっかりしていて蛇口を捻れば水が出る。村のそばの川から貯水池に水を貯め、各家庭にパイプで送っているらしい。

動力は魔石だそうな、ファンタジー!!

因みにトイレも同じ様な仕組みで、こちらはこれまた魔法で浄化して川へ戻すらしい。

究極にエコな暮らしである。


リビングへ戻り、リンを手伝い皿を並べ朝食の準備が整った頃、ギンが入ってきた。


「おはよう、みんな。」


ハクを抱き上げキスをして 椅子に下ろし、四人でテーブルを囲む。

メニューは目玉焼きとウィンナー、サラダにパン、フルーツジュース。

元の世界とほぼ変わらない食事だ、野菜も新鮮で味が濃くてとても美味しい。ドレッシングが塩、酢、胡椒のみでとてもシンプルだが、この世界ってマヨネーズとか無いんだろうか。

などと思いつつ、美味しくいただいた。



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