初仕事は子守りです 1
食後の片付けを手伝い、リビングへ移動したところで、今日の予定について話し合う事になった。
「今日は、村の男達は畑で種まきをする事になっているんだ。
女達は村へ売りに行くジャムを作る予定だ。
美波には出来たら子供達の面倒を見て欲しいんだが、頼めるか?」
村にはハクの他に、80才(人なら8才)位の双子の男の子と、70才位の双子の女の子、130才位の男の子がいるらしい。
人狼族は180才で成人するので、それ以上の男女は畑仕事とジャム作りにまわるらしい。
美波が子守りをすれば、仕事がはかどるという訳だ。
「もちろんです。任せて下さい!
何処で遊ばせれば良いですか?」
「村の中なら何処でも大丈夫よ。一番上のナギはとてもしっかりしているから、聞いてちょうだい。」
四人で家を出て、噴水広場に集まった村人達に紹介して貰う。
総勢三十人程で、みんな快く迎えてくれた。
ギンは他の男達と村の周りの畑へ向かい、リンは女達と共に村長の屋敷の隣にある、公民館的な建物へ向かった。
共同作業はそこで行うらしい、美波は母親達に紹介して貰った子供達に改めて自己紹介して、母親達の許可を得た上で例の防御膜を一人ずつかけた。
これで怪我をする心配はなく安心だ。
双子の男の子はカケルとハヤテ、耳の先だけ白くて後は黒、瞳はブルーグレー。
双子の女の子はナナとマナ、同じく耳の先だけ白くて後はグレー、瞳はグリーン。
しっかり者のナギは真っ白で、瞳は紫だった。
「さて、何して遊ぶ?いつもは何してるの?」
美波の問いかけに真っ先に答えたのは、カケルとハヤテ。
そっくりすぎてまだ、見分けがつかない。
「玉遊び!」
そう言って差し出されたのは、布を丸めたボールの様な物。
『これ、もしかして例の能力で作れたりしない?』
何となく行けそうな気がしたので、子供達に待ってもらい手のひらに意識を集中する。
『イメージはゴムボールだ。空気を包んで、弾力を持たせて、子狼達が噛んでも穴が開かず良い感じにはずむボール…
色は派手目が良いかな、蛍光ピンクに黄色。サイズは一番小さなハクが誤飲しない大きさで…』
「よし、出来たっ!」
ポポンッ、美波の前にゴムボールが六つ並んだ。
試しに一つ手に取り、地面にぶつけてみる。
ポンッ。合格だ、きちんと弾んで手に戻ってくる。
「お姉ちゃんっ。何それっ、すごいっ!
遊んで良い?」
子供達は興奮気味で、待ちきれないとばかりにしっぽを振っている。
「もちろんOKだよ。もう少し広い所ある?」
こっちこっちと手を引かれて、村の中心から離れた広場へ向かう。
右手では男達が畑仕事の真っ最中だ。




