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ドラゴンの来訪 ②

「まぁ、素敵…この飾り、形といい色彩といい、見たことないわ。綺麗…」


ソウキ様はバルーンアートが気に入った様子だ。


「お美しいソウキ様の髪と瞳の色をモチーフにして、美波が考えて村の皆で飾り付けたものです。

ソウキ様の美しさの前では霞んでしまいますが、喜んでいただけて幸いです。」


ミナトさんはブレないクールさでもてなしている。

さすが出来る男だ、感心してしまう。


「美波、素晴らしいもてなしを、ありがとう。

ソウキの色である青は、俺の最も好きな色だ。

料理も実に旨そうだ、王都からとっておきのワインを持ってきたから、皆で飲むぞ!」


コクガ様に肩を叩かれ、美波はもういっぱいいっぱいだ。男前すぎて目が眩む……


「コクガっ!久し振りっ!」


一瞬体に風を感じたと思ったら、隣にいたコクガ様に抱きつくユーリがいた。『えっ、呼び捨て!!』

その場にいた誰もがそう感じた筈だ。

コクガ様は、首にしがみついているユーリを抱きとめている。


「ユーリ、元気だったか?大人になったな!」


色々と突っ込みどころがありすぎて、誰ひとり口を開けない。大人の行動じゃないし、そしてユーリ、もはやダメ認定を通り越して勇者か!!


「うん、元気だよ。もう立派な大人だろ?」


凍りつく一同に、見かねたようにローザ様が口を開く。


「ユーリは子供の頃から、お二人とは顔見知りなのよ。コクガ様には、尾をすべり台にして遊んでもらったりしている位なの。」


ユーリ……間違いない、彼こそは勇者だ……



「そうです、そんな感じでクルクルっとして、チーズを絡めて食べて下さい。」


美波は三人のゲストに、チーズフォンデュの食べ方を説明している。

どうにかユーリの衝撃的な過去から、立ち直ったらしい。

皆さん片手に赤ワインのグラスを持ち、楽しそうにチーズフォンデュを頬張っている。


「んー。赤ワインとの相性がぴったり…

美波、このレシピも教えてちょうだい。」


ソウキ様はかなりのハイペースで赤ワインを空けつつ、コクガ様にあーんをしたりしている。

何というリア充ドラゴンカップル。お互いしか目に入らないというラブラブっぷりに、当初の緊張感はだいぶ薄れていた。


「フフフ。びっくりしたでしょう、美波。

ドラゴンは生涯にただ一人と決めて、番になるのよ。皆とても仲睦まじくて、一時も離れられないくらいよ。独り者には目の毒ね。」


茶目っ気たっぷりにローザ様が言う。


「ちょっとびっくりしましたけど、ステキですね。

唯一無二の存在っていう感じで、憧れます。」


その後もドラゴン達はとんでもないペースでワインを消費し、料理を楽しんだ。ドラゴンは基本的にザルらしい。

村人達もおおいに食べて、用意した料理は全て皆のお腹の中へ消えた。


三人のゲストの為に、大きめのプレートに全てのデザートを美しく盛り付けて提供する。


「どうぞ、召し上がって下さい。

アイスクリームとタルト、クレープを使ったケーキです。」


「んー。幸せ…美波、このアイスを作る機械も持って帰りたいわ、作ってくれるかしら。」


ソウキ様のリクエストならば、何個でも作りましょう!大きく頷いて、お土産リストに追加する。


「美味かったぞ。最高だ、美波。

長く生きていると退屈することが多いが、久し振りに新しい体験が出来たよ。ありがとう。」


コクガ様からもお褒めの言葉を頂いて、どうやらおもてなしパーティーは成功したようだ。

暫しの休憩を挟んで、簡単に村の案内をしてお土産の輸送方法について話し合う。

この間に大急ぎでアイスクリームメーカーを作成してもらう。

荷物は二人で全て運べるそうなので、美波が能力で蓋付の大きな箱、七メートル×七メートルを作り、上部にドラゴンの足で掴める突起を作る。

全ての荷物をこれに詰めて、後ろ足で掴んで持ち帰るそうだ。

さっそく箱を作り、村の男達とドラゴン化したコクガ様が箱に詰め込んでいく。レンガの倉庫はそのままコクガ様が足で掴んで積み込んでいる。

倉庫の上端に突起をつけたので、そこを掴んで運んでいるようだ。

レンガとシールを積んだら、ビーズクッションなどの小物やランプなどの壊れやすいものを積み込んでいく。

この間美波はローザ様とソウキ様に請われて、学校の中を細かく説明しつつ案内していた。


「いいわね、このトランポリンとボールプール。

王都の子供達にも遊ばせてあげたいわ。」


「そうね、人間もエルフもドラゴンも、皆で楽しめそうだわ。」


さすがにサイズ的に無理なので、いずれまたという事になった。

ホワイトボードとミニホワイトボードは各十個と百個作成し、お土産に追加した。


「突然異世界に来たわりに、落ち着いて楽しそうにしていて安心したわ。私達が認めれば、ドラゴンの一族は全て美波の善き友人になるから、これからもよろしくね。

悠久の時を生きる者同士、仲良くしましょう。」


ソウキ様の言葉に、美波は感謝しつつ礼を言った。


「ありがとうございます。今後ご相談することもあるかと思いますので、よろしくお願い致します。」

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