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私に出来ること

なごやかに夕食を終えて食器を片付けた後で、昼に作った試作品を並べ、何が一番役に立ちそうか話し合いが始まった。

美波としてはまずは照明器具と冷蔵庫かな、と思っているのだか二人はどうだろうか。


まずは照明器具を天井の梁から吊るして、明かりを点けてみた。

この世界にも魔石で点けるランプはあるのだか、魔石は消耗品で価格もそれなりにするので、使う部屋にランプを持って移動するというスタイルが一般的だ。

美波の照明は、魔石がいらない上に明かりの強さも調節できるので、かなり便利に使えそうだ。


「どうかな?言葉に出すと、もっと明るく・少し暗く・点けて・消してって操作出来る様にしてみたんだけど。」


言いながら、実際に操作して見せる。


「凄く明るいな、これが全ての部屋にあったらかなり便利だと思うよ。」


「本当にそうね。これって、形も色々できるんでしょう?でも沢山作るとなると、美波の負担が心配だわ。魔力切れを起こしたりしないかしら。」


聞かれますよね。当然です。


「あのね、私の魔力なんだけど、数値がマックスになってて。つまり、上限がないみたいなんだよね…」


二人とも固まってしまった。


「そ、そうなのか。それはまた、何と言うか…

エルフでも一応の上限はあるらしいのに、凄いな。」


「例の神様がすごくいいかげんだったから、面倒でマックスにしたんじゃないかな。

私としては、上限なく作れた方が皆の役に立てるし、ありがたいんだけど。」


膝の上のハクをあやしつつ、二人を見つめる。


「そうだな、美波の負担にならないなら村の皆も喜ぶと思うよ。」


どうにか衝撃から立ち直ったらしいギンが、そう言ってくれた。


「そうかな。じゃあ、皆の意見を聞いてそれぞれの家に取り付けてもらおうかな。

とりあえず先に公民館で説明会と実演をして、設置までやって完成したところを見てもらうのはどうだろう。」


この提案に二人とも賛成してくれた。更にハクロウ村で盛んな木工細工と組み合わせて、ランプを作り町で売る事も提案してみる。

魔石を使用したランプの職人さんが失業するのはまずいので、価格設定には慎重にならなければいけないが、クロのお父さんのミナトさんが、村の会計を任されているそうなので、相談しつつ試しに作ってみようという事になった。

村の現金収入に貢献出来れば、美波としても嬉しい事だ。


そしてもう一つ、冷蔵庫の試作品である。

この世界にも冷蔵庫は一応あるらしい、高名な魔法使いが緻密な魔方陣を組み込み、大量の魔石を使用して作成には成功したらしいのだが、コストがかかりすぎて実用化できなかったそうだ。

今は昔の日本でも使っていた、箱の中に氷を入れて冷すタイプが主流になっているそうだ。

水魔法が使えれば氷を作る事は出来るし、大きな町には氷屋さんもあるので、一般庶民はこれを利用するのだ。

ハクロウ村でもこのタイプを使用していて、この家にも勿論ある。ギンお手製の木箱で、小振りながら機能的で彫り物が可愛らしい。


「冷蔵庫と冷凍庫なんだけど。

冷蔵庫は一定の温度に保って食品を保存できて、冷凍庫は更に低い温度にする事で、中に入れた物を凍らせる事が出来るの。水を氷にしたり、お肉を保存したりしても良いよ。

もちろん魔石はいらないから、食料の保存が随分楽になると思うんだけど。」


更にこちらも、村の男達の木工細工の箱の内側に組み込む事で、村の特産品にする事も可能であると説明する。


「あと、アイスクリームなんかも作れるよ。」


「お姉ちゃん、それ何?」


ハクに聞かれて、冷凍技術のない世界では不可能なスイーツである事に気付いた。


「うんとね、ミルクに砂糖とか果物を入れて冷して固めると出来る、甘くて冷たいおやつなんだよ。

果物だけで、シャーベットっていうさっぱりしたのも作れるよ。」


ハクとリンの目が輝いた。しっぽもブンブン揺れている。


「今度、作ってみようか?」


「絶対ね!約束よ!」


どこの世界も子供と女子は甘いものに目がないらしい。

冷蔵庫も各家庭に設置すればかなり喜んでもらえるだろう、公民館に非常食用として大型の冷凍庫を置けば、冬場の備蓄に役立つはずだ。

男達が定期的に狩りに行き、仕留めてくる魔獣の肉(本日の夕食、三角牛も狩りの獲物だ)を保存するのにも使えそうだ。

こちらも同じく、町の氷屋さんへの配慮は必要になってくるだろう。細かい取り決めはミナトさんに要相談だ。


今夜はとりあえず、この二点に関して提案した。

ハクロウ村では、週二日休みで週三日は各自の仕事をし、残り二日で村の用事を協力してすませ、品物がたまれば町へ売りに行き、現金収入を得て分配するという方法をとっているそうだ。

今日、女達が作っていたジャムもこれにあたる。小麦やミルクなどの乳製品、卵などは自給自足で賄えるので、現金は砂糖や塩、雑貨などの購入にあてている。

森に入れば魔獣がいるし、果物や薬草も採れるので必死に働かなくても、安定した生活ができるようだ。

明日は休日だそうなので、公民館での説明会が出来る。朝イチで村人に連絡する事にして、異世界二日目は終了だ。

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