いざ!マヨネーズ!
広場で皆と別れて、家に戻った。
ハクは、今日どんな遊びをしたか喋り続けている。
「聞いて、聞いて!父様、母様、僕ね人型で泳げたんだよ!」
興奮気味に話すハクの手にはボールがあった、小さい方のボールを子供達に一つずつ配ったのだ。
「そうなの。凄いのねハク。母様は人型だと泳げないわ。」
リンに褒められてご満悦である。
まだまだ話し足りないハクを、ギンと共にお風呂場へ押し込み、女性二人は夕食の仕度に取りかかる事にした。
「リン、何を作るの?」
「そうね。パンはあるし、トマトスープと三角牛のステーキ(角が三つある野生の牛、すごく美味しい)、後はジャガイモを焼こうかと思うんだけど。どうかしら?」
ジャガイモ!これはもうアレを作れという啓示に違いない!
美波は、ずっと気になっていたアレを作る事を提案してみた。
「あのね、元の世界の調味料で、卵と酢と油で作るマヨネーズっていう物があるんだよね。
それと、茹でたジャガイモでサラダを作ると凄く美味しいんだけど、作ってみても良い?」
「マヨネーズ?その材料なら家にあるから大丈夫よ。食べてみたいわ、作り方教えてくれる?」
こうしてめでたく、この世界初のマヨネーズ作りが決定した。
『まずはトマトスープ作りから、野菜を切ってハーブと少量のベーコンと共に煮込みます。
次に皮を剥いたジャガイモを茹でます、キュウリは刻んで塩揉みに。
茹で卵を作っておくのも忘れずに。ジャガイモを茹でている間にいよいよマヨネーズ作りだ。
ボールに卵黄を入れて酢を少し加え、泡立て器で混ぜます。更に酢を加えてまぜ、完全に一体化したら塩・胡椒・マスタードを入れます。
この後が大事!油を少しずつ加えて混ぜる!分離しない様に少しずつ、トロミがついたら完成!』
「完成!味見してみる?」
キュウリにつけて、二人で味見してみる事に。
「うん、上出来。ちゃんとマヨだね。」
「美波!これ、凄く美味しい!凄いわ!」
お気に召したようである、マヨ恐るべし。
続けて茹で上がったジャガイモの水気を切り、少しだけ火にかけて粉ふきいもに。こうすると水っぽさが無くなり、ホクホクのポテトサラダになるのだ。
ジャガイモを潰して粗熱を取っている間に、茹で卵を剥いて白身の部分だけ粗く刻んでおく。
マヨネーズ作りで余った白身は、フライパンで焼いて同じく刻み、混ぜてしまう。
「卵白だけとか卵黄だけ使う時って、余った部分を使いきるの結構大変よね。」
などと、お料理あるあるな会話をしつつ、程よく冷めたジャガイモにキュウリを加え、マヨネーズで和える。茹で卵は最後に混ぜると、黄身が大きいまま残るので、食べた時に嬉しいのだ。
味見をして完成だ。ポテトサラダは無限のバリエーションがあるけれど、今日はステーキなのでシンプルに仕上げた。
残ったマヨと出来上がったポテトサラダは試作品の冷蔵庫にしまって、リンと美波も交替でお風呂を使う。
四人揃ったところで、三角牛のステーキを仕上げてスープとパン、そしてポテトサラダをテーブルに並べる。
「今日のご飯は、美波の世界のマヨネーズを使ったポテトサラダもあるのよ。食べたらびっくりするわよ!」
リンの言葉にギンとハクは興味津々だ。
料理を取り分けて、いただきます!
「ん。旨いなこのサラダ、色んな味がするぞ。」
「うん。美味しいよ!お姉ちゃん、僕これ大好き!」
美波はリンと顔を見合わせて、にっこりした。
「良かった~。リンが美味しいって言ってくれたから、大丈夫だとは思ったんだけど、子供の味覚に合うかどうか分からなかったから、ハクが気に入ってくれて嬉しいよ!」
「美波はとても手際が良いのよ。二人で料理を作るの、とても楽しかったわ。」
「私もすごく楽しかったよ。リンも凄く料理上手だよね、このスープもステーキもとっても美味しい!」
女性二人は、すっかり料理で意気投合した様だ。
あちらの世界の料理を、村の他の女性達にも披露する事が決まったらしい。




