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クリスマスパーティー②

 その後も、食卓はにぎやかに進んだ。自然と親たちと子どもたちで会話のグループが分かれ、両親と優作さんはワイン片手に仕事や趣味の話で盛り上がっていた。ワインはスパークリングの後に白が三本空き、赤ワインも二本目突入している。グラスを重ねるごとに大人たちの声も少しずつ賑やかになっていく。優也の頬もほんのり赤く染まり、テンションも明らかに上がっていた。

 「あれ、お前らもうグラス空じゃん」

 そう言って、優也は和也と佐々木のグラスにワインを注いだ。断るタイミングを逃し、ふたりで顔を見合わせる。佐々木も少しだけ頬のあたりが赤くなっているような気がして、思わずじっくり観察する。

 そんな中、ソファの隅で胡坐をかいていたスイが、小さな声でぽつりとつぶやいた。

 「……いいなぁ」

 その言葉に気づき、ちらりとスイに目を向けた。彼は視線を落としたまま、寂しげに指先を弄んでいる。普段ならもっと図々しく絡んでくるのに、今日はやけに静かだ。気を使って、遠慮しているのだろう。

 少し大きめに咳払いをすると、スイが顔を上げた。目が合ったから、「ついてきて」と視線で合図し、グラスを置いて「トイレ」とだけ言って席を立った。後ろから足音ひとつ立てずにスイがついてくるのを感じながら、廊下に出たところで振り返った。

 「……入れ替わり、しますか?」

 スイは驚いたように目を見開いた。

 「えっ、いいの?」

 「ちゃんと“俺らしく”してくれるなら。変なことしないで。大人しく飲んで、しゃべりすぎない。……それが条件です」

 「うん、絶対」

 スイは嬉しそうに目を細めて、何度も頷いた。

 「じゃあ、どうぞ」

 目を瞑り、少し緊張しながら胸をスイのほうへと突き出す。入れ替わるのは三度目だが、まだ慣れない。

 一瞬、空気がふっと冷たくなったような気がして――次に目を開けたとき、自分が目の前にいた。

 「わぁ。あまり酔った感覚がないや。でもわりと飲んでたよね?このからだ、酒も強いのかな」

 楽しげに呟くスイを見て、思わず頬が緩んだ。

 スイは上機嫌なまま席に戻り、佐々木の隣へ腰を下ろす。手に取ったワイングラスをくるくると回し、香りを確かめるように鼻先へ寄せたかと思えば、上品に口をつけた。

 「……っは~~~~~、沁みる……!」

 ああ、さっそく自分らしくない行動をしている……。案の定、佐々木が訝しげな目を向けていた。

 

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