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2人で生きていく

関目線―――

最後の夜。小早も俺も離れない。離れられない。胸に拳を当てられた時、その手から力が抜けた時…忘れられない。あの触手は俺を真っ直ぐ攻撃し、1度は安宅のシールドで跳ね返された。直ぐに安宅にターゲットを変えて安宅は刺された。俺が2回死ぬはずだったのを安宅は助けてくれたのに。俺は結局こうして生きている。親友を死なせて、生き残ってしまった。隣の小早を見る。小早がずっと泣いている。小早が泣いている姿なんて一年以上一緒にいて観たことない。

「小早、関、ご飯の時間だから。」

中山教官だ。

「小早。」

小早は教官の声に反応しない。肩を叩いてもずっと安宅を見つめている。

「小早。何か食べないとお前倒れるぞ…副作用が激しかった後だし、今日もまだ副作用あるだろ?」中山教官も何度も声をかけるが頭を振り動かない。

「俺も小早と残ります。3人で過ごせるのはあと数時間なので。」

分かったと3人にしてくれる。教官たちにももちろん被害はあり、生き残った教官たちは休むこともなく合同葬儀や遺族への連絡や対応、メディア対応などに追われていた。

「関…。」

「どうした?」

「うち…これからどうしたらいい?」

ぎゅっと服を掴み肩を震わせる小早を無意識的に抱きしめる。案外体は小さく細く、そして震えていた。

「大丈夫。大丈夫だから。俺はまだ生きてる。安宅の分まで小早と戦うから」

なんでこんなこと言っているんだろう。あれだけ俺は小早に勝つことにこだわってたのに。今は守りたいと純粋に思う。

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