↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/96

シーン3 茶屋・午後

(登場人物)

青井由太(19)

江戸から京都へ流れ着き、静に拾われた青年。働くことは嫌いだが、料理・洗濯・掃除は得意。年上女性に可愛がられる才能と、本人に自覚のない情報収集能力を持つ。


神無月静(26)

由太の「飼い主」。表向きは花街で生きる女性だが、裏では倒幕派に関係する女間者。剣の腕も立つ。


佐々木源吾(24)

新選組の若い隊士。実直だが女性に弱い。


桂小五郎(31)

長州藩士。京で活動する尊王攘夷派の中心人物の一人。

由太は頼まれた荷物を届けに茶屋へ入る。


そこに若い侍が座っている。


新選組隊士・佐々木源吾である。


源吾:

「……」


由太:

「こんにちは」


源吾:

「ん?」


由太:

「お妙さんにこれ届けに来ました」


源吾:

「ああ」


由太が帰ろうとすると――。


源吾:

「おい」


由太:

「俺?」


源吾:

「お前、ここの者か」


由太:

「違います」


源吾:

「この辺りには詳しいか」


由太:

「まあ、それなりに」


源吾:

「少し聞きたい」


由太:

「嫌です」


源吾:

「まだ何も言ってないぞ」


由太:

「面倒そうだから」


源吾:

「……正直な奴だな」


由太:

「働くの嫌いなんで」


源吾:

「なら、団子を奢る」


由太が座る。


由太:

「何でも聞いてください」


源吾:

「お前……」


団子が運ばれてくる。


源吾:

「この辺りで、最近見慣れぬ浪人を見なかったか?」


由太:

「いっぱいいますよ」


源吾:

「長州訛りの男だ」


由太:

「訛りなんて分からない」


源吾:

「痩せ形で三十くらい」


由太:

「そんな人もいっぱいいます」


源吾:

「頭が切れそうな顔をしている」


由太:

「顔見ただけで頭の良さなんて分からないよ」


源吾:

「……」


由太は団子を食べる。


由太:

「おいしい」


源吾:

「お前、真面目に答える気あるのか?」


由太:

「ありますよ。でも情報が雑なんだもん」


源吾:

「……桂小五郎という男だ」


由太の団子が止まる。


源吾:

「知っているのか?」


由太:

「名前くらい」


源吾:

「どこで聞いた?」


由太:

「町中で」


源吾:

「最近、この辺りに出入りしているという情報がある」


由太:

「へえ」


源吾:

「もし見かけたら、新選組に知らせろ」


由太:

「いくら?」


源吾:

「何?」


由太:

「情報料」


源吾:

「……お前、いい根性してるな」


由太:

「生活かかってるんで」


源吾:

「ヒモのくせに?」


由太:

「なんで知ってるの!?」


源吾:

「この辺りじゃ有名だぞ。『静のところに若い男が転がり込んだ』って」


由太:

「……」


源吾:

「しかも女に飯食わせてもらってるって」


由太:

「俺、家事してるからね!」


源吾:

「知らん」


由太:

「いや、そこ、重要だから!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。