君が不老不死になったあの日 (プロローグ)
太陽暦3023年世界は過去一番の犯罪者数を達成した。
世の中は混沌としていて、一ヶ月に一回のペースには凶悪な犯罪、テロが起きるようになった。
もう、この世に善者なんていないだろうと思えるほどだった。
だからなのか、国は人ひとりぐらいの殺しなんかは眼中になかった。
これからおこるであろうテロと、これまでにおこったテロの対処で手一杯だった。
またそれも犯罪者が増えることに繋がった。
そんな、世界で自分達子供らは真っ先に捨てられる弱者のカタチだった。
弱くて、年齢が二桁に達しないとまともに何もできなく体が成長するために食糧がおおくいる。
そんな自分らは強者のカタチをしたものに踏み潰されることしかできない。
強者もかつては弱者であっただろうに。
だから、弱者のカタチをした自分らは強者になるまでに死にもの狂いで生きていかないといけない。
弱者のカタチをしたものは次々に消えるが次々に現れる。
強者の傀儡の嬉しくもない副産物として。
そんな、強者の傀儡の副産物として生まれた自分は、十になる数まで最低限の食糧を与えられ生を繋げていることは、まだマシな部類に入るであろう。
十になり、知らない街で知らない道に車から放り投げられた。
死ななかったのは、毎日の受け身も取れなかったあの拳のおかげだろうか。
勝手に自分の体は強くなっていた。
さいわい、その街で君に会えたことは幸運だと自分も思う。
君も強者からできたのに、捨てられた弱者で必死に生に繋ぎ止められていた。
まるで死神が魂を刈り取るのを躊躇っているように。
自分にとって君に会えたことは奇跡だと思う。
君と俺は弱者なりに強者までの道を進んでいた。
だけど、
ある日、君は言った。
完成なんてしたくない。成熟なんてしたくない。強者になんてなりたくない、と。
ある日、君は見た。
手足がない不完全なカタチをした弱者の最後の生きた姿を。壊れたカタチの死に様を。
ある日、君は聞いた。
カタチができた時の産声を。足掻いて消えていく唸り声を。絶望だらけの悲鳴を。
ある日、君は食べた。
不完全なカタチをしたただの肉塊を。
ある日、君は感じた。
絶望と苦しみを。行き場のない焦りを。
だからなのか君は綺麗に散った。
羨ましいくらいの笑顔と涙で。真っ赤に咲いた華の真ん中で。
絶望と焦燥感に押しつぶされて。
君は散った。
君は消えた。
君は死んだ。
そして、君は不老不死になった。
あの日に。
世界で一番、綺麗だった星月夜のあの時に。
君は永遠になったんだ。




