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セフレはお友達に含まれませんか?  作者: 暦海
第1章

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40/122

きっかけ

「……さて、本日はこのくらいにしましょうか。最初よりは随分と良くなりましたよ、最初よりは」

「……はい。本当に、ありがとうございます白河しらかわさん」

「ふふっ、どういたしまして」



 それから、数十分ほど経た宵の頃。

 徐にバンドを外しながら、クスッと微笑みそう口にする白河さん。そんな彼女に、深く謝意を告げる僕。……うん、本当にありがとう、白河さん。

 ……ところで、最初よりはって二回言いました? どうやら、今がそれほど良いというわけでなく、最初がよほどひどかったということで……まあ、自覚は重々あるけども。



「……そう言えば、ずっとお聞きしてみたかったのですが……桜野さくらの先輩を好きになったきっかけって、何かあるんですか?」

「…………へっ?」

「確か、去年は別のクラスだったんですよね? だとしたら、接点らしい接点はなかったのかなと」

「……ああ」


 それからややあって、ベンチから鞄を掴み尋ねる白河さん。……きっかけ、か。彼女の言うように、去年は別のクラスだったので今年いま以上に接点なんてなかった。お話ししたことがないのはもちろん、顔を合わせたことすらない。ただ、僕が一方的に彼女を知っていただけ。なので……まあ、端的に言えば――


「……その、恥ずかしながら……いわゆる、一目惚れでして」

「……そう、なのですね。いえ、恥ずかしいことは何もないと思いますが」


 そう、逡巡しつつ話す。……うん、我ながら何とも単純だとは思うけれど……それでも、こうとしか答えようがなくて。……ただ、それはそれとして――


「……おや、どうかなさいましたか先輩」

「……あ、いえなんでも……」


 すると、ふっと微笑みそう問い掛ける白河さん。理由は、僕がじっと彼女を見ていたからで。


 その後、佳月の輝く空の下を共に進む。その間、柔らかな――そして、時に悪戯っぽく微笑む白河さん。それはほぼいつもの通りで、きっと何も気にするようなことはない。ない、はずなのだけど……あの時、ほんの一瞬ふっと見せたあの表情が、どうしても脳裏に焼き付いて離れなくて。






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