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価値観

「……あの、白河しらかわさん。……どうして、そのようなことを……」



 その後、ややあってそう口にする。もしかすると、彼女は何かしら……それこそ、僕には想像も及ばないほどの辛いご事情を抱えて――


「……どうして、ですか。単に、性行為が好きだからという理由では駄目でしょうか?」

「……単に、好きだから、ですか……?」

「ひょっとして、何か退っ引きならない事情でもあるとお思いでした? 例えば、何かしら過去のトラウマによりそのような不健全な形で愛を求めなければ精神を保てない、などと」

「……いえ、そこまで具体的には……」

「……ほんと、誰も彼も理解しかねます。そもそも、性欲は食欲、睡眠欲と並ぶ人間の三大欲求の一つのはずでしょう。なのに、性欲それを満たす最たる形と言えよう行為に関心を寄せることが、いったいどうして異常な状態の如く認識されてしまうのでしょう。どうして、何かしらの特殊な事情が潜んでいるなどと推測されてしまうのでしょう。実際、貴方だって関心がないはずはありませんよね?」

「……まあ、そう言われれば……」


 すると、僕の思考を察したようにそう口にする白河さん。……いや、まあそう言われればそうだけども……けども、そういう行為ことは恐らく心の繋がりも大事なのではと――


 ……いや、そう。彼女には彼女の価値観があり、当然ながら等しく尊重すべきものなのだし……そもそも、僕自身が正しい人間でもないのに何かしらの是非を判断するなんて烏滸おこがましいにもほどがあるというもので。


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