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セフレはお友達に含まれませんか?  作者: 暦海
第1章

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疑問

「……あの、白河しらかわさん。……どうして、そのようなことを……」



 その後、ややあってそう口にする。もしかすると、彼女は何かしら……それこそ、僕には想像も及ばないほどの辛いご事情を抱えて――


「……どうして、ですか。単に、性行為が好きだからという理由では駄目でしょうか?」

「……単に、好きだから、ですか……?」

「ひょっとして、何か退っ引きならない事情でもあるとお思いでした? 例えば、何かしら過去のトラウマによりそのような不健全な形で愛を求めなければ精神を保てない、などと」

「……いえ、そこまで具体的には……」

「……ほんと、誰も彼も理解しかねます。そもそも、性欲は食欲、睡眠欲と並ぶ人間の三大欲求の一つのはずでしょう。なのに、性欲それを満たす最たる形と言えよう行為に関心を寄せることが、いったいどうして異常な状態の如く認識されてしまうのでしょう。どうして、何かしらの特殊な事情が潜んでいるなどと推測されてしまうのでしょう。実際、貴方だって関心がないはずはありませんよね?」

「……まあ、そう言われれば……」


 すると、僕の思考を察したようにそう口にする白河さん。……いや、まあそう言われればそうだけども……けども、そういう行為ことは恐らく心の繋がりも大事なのではと――


 ……いや、そう。彼女には彼女の価値観があり、当然ながら等しく尊重すべきものなのだし……そもそも、僕自身が正しい人間でもないのに何かしらの是非を判断するなんて烏滸おこがましいにもほどがあるというもので。



 ……ただ、それはそれとして。



「……あの、白河さんの仰ることはご尤もです。……ですが、その……どうして僕に?」



 そう、逡巡しつつも尋ねる。繰り返しになるけど、どんな価値観も等しく尊重すべきもの――当然のこと、彼女に対し何ら負の感情なんて抱いていない。

 ……ただ、疑問なのは――その相手が、どうして僕なのかということで。彼女の望むご友人の候補となる素敵な人は、きっと他にいくらでもいる。なのに、どうして僕なんかに――


「……ふむ、そうですね。貴方が美少年だから、というだけでは駄目でしょうか?」

「…………僕が?」

「……まあ、大方察してはいましたが……やはり、ご自覚がないようですね。貴方は、容姿に関しては類稀なる美形なのですよ? 尤も、その陰鬱な雰囲気ゆえ、周囲からはあまり良いイメージを持たれていないと推測しますが」

「…………」


 すると、どこか呆れたようにそんな回答をする白河さん。そして、そんな彼女に僕はただ呆気に取られるのみで。陰鬱な雰囲気、との部分は全く否定しないけど……いや、美形はないよね? だって僕だよ? こう言っては大変申し訳ないけど、是非とも眼科に行くことをお勧め……まあ、それはともあれ――


「……ですが、白河さん。申し訳ありませんが、その申し出は受けかねます」

「……それは、私が好みでないからですか? ですが、自分で言うのもなんですが容姿には自信があるのですけどね。それに、ほら」


 そう伝えるも、ニコッと微笑みそう告げる白河さん。制服越しにも大方分かる、形の良い二つの膨らみをぐっと持ち上げながら。……僕だって男、意識しないはずもないのだけど……だけど――


「……いえ、容姿そこが理由ではなく……ただ、やはりそんな気にはなれないと言いますか……僕は、まだ桜野さくらのさんのことが……」


 そう、たどたどしく告げる。……もちろん、分かってる。僕に、チャンスなんてないことくらい。もう、諦めなきゃならないことくらい。……それでも、僕はまだ彼女のことが――



「――ええ、そうでしょうね。ですが、だからこそこの申し出に応じるべきではないですか? だって、作る必要があるのでしょう? お友達を」






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