僕はどうやって異世界に転生したのか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
この話で、学園編の第一部は一区切りです。
楽しんでいただけたなら嬉しいです!
これからもフィンたちの物語は続いていきますので、よければ引き続きお付き合いください!
通知:
<ガイドが復元されました。>
「……ちくしょう」
「早すぎるだろ」
「もう僕の平穏が消えたじゃないか」
――それで、ポンコツ。
「どこにいたんだ?」
通知:
<フィンが「顕現」スキルを発動した際、ガイドのスキルに干渉が発生しました。>
<ですが、このような現象が再び起こることはありません。>
「つまり、お前は役立たずのプログラムってことだな」
通知:
<違います。>
<前例のない反応だったためです。>
「それでも、前よりずいぶん流暢になった気がするんだけどな」
通知:
<あなたの気のせいです。>
「なぜだろう」
「なんだか、この会話……どこかのアニメからそのまま持ってきたような気がする」
「誰にも気づかれないといいけどな」
「まあいいか、僕のガイドさん」
「また僕の頭の中に戻ってきてくれて光栄だよ」
「君がいない間に、いろいろあったんだ」
通知:
<フィンの記憶を解析します。>
<利用可能な情報をすべて取得しました。>
「速いな」
「やっぱり変わっただろ?」
通知:
<あなたの気のせいです。>
「はいはい」
「この件については、あとで製作者に感謝しておこう」
――フィン、何を考え込んでいるの?
――あははは、悪い。
――ちょっと考え事をしていたんだ。
――何を?
――あの年頃の少年が、どうしてあんなに強いんだろうって。
――君にとっても、やっぱりおかしいだろ?
イラリアは一瞬、黙った。
――言いたいことは分かるわ。
――私もおかしいと思った。
――どれだけ力を上げて立ち向かっても、あの男は戦い方を変え続けていた。
――まるで、私には追いつけないところまで、力そのものが上がり続けているみたいだった。
――それで……どうして戦えたんだ?
――実は、意識を失ったあと……私の中で何かが変わったの。
――圧力があった。
――まるで、内側から押し潰されているような感覚。
――そして、それが解放された。
彼女は少し考えてから、続けた。
――いいえ。
――どちらかというと、圧力そのものが影響しない場所にいた、という感じだったわ。
「ふーん」
「なるほど」
「面白いな」
「僕が彼女にしたことが関係しているのか?」
彼女は小さく笑った。
――でも、意識を失ったあの瞬間、ずっと心の奥に押し込めていたものと向き合う機会があったの。
――それに……あなたも見たわ。
「そうか」
「やっぱり最初から匂わせていたんだな」
「この子、間違いなく僕に惚れてる」
「あははは」
「誰かに好かれるって、なんて素晴らしいんだ」
イラリアは静かに僕を見た。
――勘違いしないで。
――これは恋愛感情じゃないわ。
「……ショックだ」
「ちくしょう」
「もう少し夢を見させてくれよ」
――さて、問題に戻ろう。
――じゃあ、僕はどうすれば助かる?
イラリアは静かに窓を閉めると、奥にある扉へ向かい、それを開けた。
柔らかな風が部屋へ入ってくる。
彼女は扉を閉め、僕の前に座った。
――問題は、相手が一人なのか、それとも複数いるのか分からないことよ。
――どうしてそれが僕に関係するんだ?
――もし一人で、しかもあの少年本人だった場合、捕まえるのは難しいわ。
――あの強さを実際に見たでしょう?
――ヴィラークスの誰かなら、捕まえられないのか?
――あれだけ強いんだろ?
――そのあと裁判にかけるとか。
イラリアの表情が少し変わった。
――それが二つ目の問題なの。
――あの日の夜、同じ頃にハーモニーの町も襲撃された。
「えっ?」
「本当に?」
――ええ。
――実際に事件が起きたわ。
僕の頭に、一つの疑問が浮かんだ。
――死者は出たのか?
――例えば、二人の老人とか。
――一人はレストランを経営していて、もう一人は荷物を運ぶ荷車を持っている。
――早まらないで。
――確かに戦闘は起きたけど、町の通りではなく、私有地で行われたの。
「ちっ」
「くそ」
「あの二人の老人……」
「僕の人生を地獄にした連中は死ななかったのか」
「なんて運がいいんだ」
だが、イラリアは少し間を置いてから続けた。
――でも、死者は出たわ。
「え?」
「本当に?」
――ええ。
――ヴィラークスのメンバーが一人、あの戦いで死亡した。
沈黙が落ちた。
背後の窓が風で揺れる。
――待ってくれ。
――ヴィラークスって強いんだろ?
――街や王国を守っているんじゃないのか?
――それなのに、どうしてそんな簡単に一人が死ぬんだ?
――これはかなりまずい。
――亡くなったのは「レッド・レイトン」。
――ヴィラークスでも最強クラスの一人だった。
――でも、戦いの最後に殺された。
――同じ人物に殺されたのか?
――それが問題なの。
――あなたが戦った人物に似た者が現れた。
――でも、顔立ちが似ているだけで、あの道化師と関係のある別人という可能性もある。
――つまり、もしあれほど強い道化師がもう一人いるなら、捕まえるのはかなり難しい。
彼女は腕を組んだ。
――捕まえられないわけではないわ。
――聖女サーニャがいるもの。
――彼女はヴィラークスのリーダーよ。
――とても強い。
――でも、もし彼女がその道化師の一人と衝突したら……
――おそらく、生け捕りにはしない。
――殺して終わらせるでしょうね。
「怖いな」
「ものすごく怖い」
「この世界、どうなってるんだ?」
「どうして殺すとか、牢獄とか、破壊とか……そんな話ばかりなんだ?」
「でも、これは本当に問題だ」
「イラリアちゃんに、僕が異世界から来たことを話さなくて本当によかった」
「貴族だけど、こういうことなら信頼できる」
「でも、この状況はいつまで続くんだ?」
「それに、彼女の家族だって、いつまでも僕を助けることを許してくれるとは限らない」
「ちくしょう」
「どうして僕の世界から来た人間が、こっちでこんな惨劇を起こすんだ?」
「しかも、僕が住んでいる場所で」
――ガイド、この件についてどう思う?
通知:
<利用可能な情報を分析した結果、同じ種類に属する人物が複数存在する可能性が非常に高いと判断します。>
<ニフェルタニ王国を相手に、これほど大規模な争いを引き起こすには、一人では困難です。>
<何らかの組織が存在する可能性があります。>
<フィンの世界から来た人々を集め、元の世界について情報を収集し、こちらの世界で秘密組織を形成している可能性。>
<あるいは……>
「あるいは、何だ?」
「急に黙るなよ」
<フィンの世界から来た一人の人物が、何らかの目的のために、このような人物たちを作り出している可能性。>
「なるほど」
「でも、やっぱりお前、進化したんじゃないか?」
――新しいアップデートでも入ったのか?
通知:
<あなたの気のせいです。>
「はいはい」
「この件については、あとで製作者に感謝しておこう」
「でも、一つ重要な疑問がある」
「異世界から来た人間」
「異世界の勇者って、召喚された人間のことだと思っていた」
僕はイラリアを見る。
――一つ聞きたい。
――勇者として召喚される場合と、普通の人間が異世界から来る場合では、何か違いがあるのか?
イラリアは少し考えた。
――いい質問ね。
――過去には、偶然この世界へやって来た人たちがいたことが確認されているわ。
――召喚された勇者ではなく、この世界で普通に暮らした人たちよ。
――中には力を得た者もいた。
――何の力も得なかった者もいる。
――でも、彼らがどうやってこの世界へ来たのかは、今でも誰にも分からない。
――勇者の場合は、特別な儀式によって召喚される。
――そして、特定の役目を果たすために呼ばれる。
――それが、彼らに勇者としての力を与えるの。
「ふーん」
「なるほど」
――普通の人間がどうやって異世界へ来るのかは、誰にも分からないのか?
――ええ。
――今のところ、確かな答えはないわ。
「正直、今まで考えたこともなかった」
「ここで目を覚ました時、僕は夢を見ているんだと思っていた」
「あるいは、悪夢を」
「でも、生活が苦しくなってからは、生き残るために人目を避けることだけを考えていた」
「だけど今になって考えてみると……」
「僕以外にも異世界から来る人間がいるなら、そいつらはどうやってここへ来た?」
「この世界で新しく生まれたのか?」
「それとも、望んでもいないのに転移したのか?」
「あるいは……」
「最初からこの世界で生まれていたのか?」
「例えば、僕みたいに」
「僕は今でも、自分が最初からこの世界で生まれていて、目を覚ました瞬間に前世の記憶が戻ったのかどうか分からない」
「もしかしたら、別の世界で死んだからなのかもしれない」
「あるいは、死ぬ直前にこっちへ転移したのかもしれない」
「でも、もしそうなら……」
「元の身体をそのまま持っているはずだ」
「なのに、今の身体はまったく違う」
「しかも、幼い頃の記憶が一つもない」
――どう思う、ガイド?
通知:
<現在の状態では、その質問に答えることはできません。>
「なるほど」
「役立たずに戻ったな」
通知:
<解析能力の問題ではありません。>
<この件について十分なデータが存在しないためです。>
<転生や輪廻といった概念を、現在利用可能な情報に存在する確定した概念と結びつけることができません。>
「ふーん」
「まあ、確かにそうだな」
「アニメでも似たような話はあった」
「人が死んで、別の世界で新しい人生を始めるとか」
「あるいは、女神が気まぐれで人間を異世界へ送るとか」
「でも僕からすれば……」
「僕の身に起きたことは、そんな単純な女神の思いつきよりも、ずっと複雑な気がする」
「この状態を説明できる言葉があったはずだ」
「前に読んだことがある」
「でも、何だった?」
「くそっ」
「言葉そのものを忘れた」
「まあいい」
「そろそろ、この件について本気で調べる必要がありそうだ」
「特に、こんな不運に見舞われ続けているモブキャラとしては」
「この世界の管理者に苦情を入れる必要がありそうだ」
イラリアは僕の耳をつまんだ。
――痛っ!
――耳!
――ああ、そうだった。
「すっかり考え込んでいたな」
――それで、イラリアちゃん。
――僕たちはどうする?
彼女は深く息を吸った。
――一つ、あなたと貴族たちの間にある問題を解決する方法があるわ。
――えっ? どういうこと?
――気にしないで。
――まず、今から話すことは誰にも言わないで。
――今まで君から聞いた話だけで、頭が爆発しそうだったよ。
――それで、どこまで話していい?
――全部よ。
――ここの人たちは、この状況について何も知らない。
――それに、ヴィラークスのメンバーが一人死んだことは、誰の前でも口にできるような話じゃない。
――とてもデリケートな問題なの。
「だったら、どうして僕に全部話したんだ?」
「僕は弱い平民だぞ」
「拷問されたら、全部しゃべるぞ」
イラリアは静かな自信を見せるように僕を見た。
――もちろん、私は誰にも話さない。
――あなたを信じているもの。
「そうか」
「これが正解だな」
「でも、どうして彼女は僕をこんな目で見ているんだ?」
彼女は少し俯いた。
その表情を、僕にはうまく理解できなかった。
少し迷ったあと、僕は尋ねた。
――怖いのか?
彼女の目が大きく開いた。
指に力が入る。
「私は、本当に怖がっているの?」
「これまで何度も経験してきたのに……」
「あの人物は普通じゃない」
「私は怖がっている?」
「そんなに分かりやすい?」
彼の顔を思い出す。
「怖い」
指に力が入る。
――フィン……
――彼は間違いなく強い。
――それだけじゃない。
――あの仮面の裏には、何か恐ろしいものが潜んでいる。
――確かに、私は自分の限界まで追い詰めた。
――でも、私は彼に勝ったわけじゃない。
――彼のほうが、引いたの。
「初めて、彼女のことが心配になった。」
「なぜかは分からない。」
僕は彼女に近づいた。
そして、頭に手を置いた。
――大丈夫だ。
――きっと何とかなるよ。
――全部、元に戻るよ。
彼女の目が大きく開く。
そして、僕のシャツを強くつかんだ。
「本来なら、逆じゃないのか?」
「彼女が僕の頭を撫でて、大丈夫だと言うべきだろ」
「僕がモブなんだ」
「君じゃない」
「このゴリラめ」
でも、まあいい。
僕は彼女の髪を指でそっと撫でた。
――心配するな。
彼女は僕を静かに押しのけた。
顔が赤くなっている。
「何なんだ、この子?」
「嫌なら、どうして僕のシャツをつかんだんだ?」
彼女は僕を見る。
――ああ、そうだ。
――もう一つ大事なことを忘れていたわ。
――どうやら王が、オーリンとサマラリスと一緒に、あなたに会いたがっているの。
――えっ!?
――僕に?
――おいおい!
――どうして?
――王の前で処刑されるのか?
イラリアは笑った。
――違うわ。
――あなたたちがあの災害を止めるのに関わったと聞いたの。
――だから、お礼の品を渡したいそうよ。
「贈り物?」
「正直、僕の頭に浮かんだものは一つだけだった」
「金塊」
「金」
「金」
「金」
「贅沢な暮らし」
「ついに」
「あはははは」
イラリアに頭を叩かれた。
――痛っ!
――何なんだ!?
――この身体は大事なんだぞ!
――だから、叩くのをやめてくれ!
「ちっ」
「こういうところ、本当に嫌いだ」
――それは、自分の立場をわきまえる必要があるからよ。
――この王国の王に会うの。
――王の前で少しでも間違えれば、絞首台に送られるかもしれないわ。
「ごくり」
「なるほど」
「これは好きじゃない」
――もちろん。
――じゃあ、僕は何をすればいい?
――礼儀正しく、落ち着いて、誇りを持って振る舞えばいい。
――そして、あなたが信頼できる人間だと見せるの。
――それができれば、あなたを殺そうとしている貴族たちの問題も、少しは楽になるかもしれない。
「なるほど」
「いい作戦だ」
――それで、いつ会うんだ?
――手紙には、あなたが意識を取り戻したらできるだけ早く会いたいと書いてあったわ。
――だから、これから王宮に手紙を送る。
「よし、フィン」
「待ちに待った瞬間だ」
「静かに暮らしたい人間にとって、王に会うなんて最悪の出来事だ」
「でも、前にも言った」
「貧乏で、命まで狙われている僕が、静かに暮らせるわけがない」
「そうだ」
「これが正しい」
――それじゃあ、イラリアちゃん。
――この包帯を何とかして、一番いい服を用意して、王に会いに行くよ。
――じゃあ、失礼する。
僕は勢いよく扉を開けた。
そのまま、元気を取り戻したような足取りで部屋を出ていく。
「ふふ」
「まさか、こんな馬鹿げたことを嬉しいと思う日が来るとはな」
部屋の中で、イラリアは静かに微笑んだ。
――本当に、変な人ね。
それから静かに窓を開けた。
ようやく学院の出口まで来た。
そこにはオーリンが待っていた。
――おーい、オーリン!
――戻ってきたぞ!
彼は遠くから手を振り、近づいてきた。
――気をつけろ。
――怪我をしているだろ。
――休んだほうがいい。
――気にするな、友よ。
――今日はついに、このモブがずっと待ち望んでいた人生を生きる時だ。
――王が僕たちに会いたがっているって聞いたか?
オーリンは静かに頷いた。
――ああ。
――招待状は受け取った。
――でも、君が目を覚ますまで待っていたんだ。
僕は彼を抱きしめた。
――行こう!
――この会談にふさわしい服を探すぞ!
最初の一歩を踏み出した。
柔らかな風が吹く。
そして、声が聞こえた。
「夜は眠り……木々の上で」
「風は静まり……家の裏で」
僕はその場で立ち止まった。
なぜか分からない。
でも、動けなかった。
「僕は歩いていた……一人で」
「声もなく……道もなかった」
「雨の中から君が来た……」
「震えながら……寒さに震えていた」
頭の中に歪んだ何かが流れ込んできた。
すべてが回り始める。
――何だ、これ?
オーリンは心配そうに僕を見る。
――フィン?
――フィン、大丈夫か?
歌は続いた。
「僕は君に手を差し出した……」
「君は僕に笑顔をくれた」
胸の中に、誰かがいるような気がした。
手が僕に伸びている。
暗い場所。
そこがどこなのか分からない。
あの人物が誰なのかも分からない。
「そして、その日から……」
「夜はもう長くなかった」
「僕たちは星を数えた……」
「一つは僕の星……一つは君の星」
頭の中に映像が流れ込んでくる。
――何が起きている?
そして、僕は静かに地面へ倒れた。
上では。
イラリアが窓のそばに立っていた。
その声が外へ届いていた。
彼女は歌を歌っていた。
「雨が降れば……」
「屋根の下に隠れた」
「冬が来れば……」
「もっと近くに寄った」
「家は暖かかった……」
「僕たちが一緒にいる限り」
そこで彼女は止まった。
自分の震える手を見つめる。
「あの少女……」
彼女は強く拳を握った。
「誰なの?」
「とても強い」
「本当に、強い……」
下では。
すべてが元に戻り始めていた。
オーリンは僕を見る。
――フィン?
――どうしたんだ?
――ああ、悪い。
――まだ少し具合が悪いのかもしれない。
――大丈夫だ。
僕は彼に寄りかかり、ゆっくり立ち上がった。
――フィン、休んだほうがいい。
――君は今回のことで、一番ひどい目に遭ったんだから。
――そうだな。
――君の言う通りだ。
――少し休めば、元気になる。
僕は彼と並んで歩き続けた。
前を見る。
「さっきのは、この身体の記憶だったのか?」
「分からない」
「頭が割れそうなくらい痛かった」
「森が見えた」
「雨が僕に降り注いでいた」
「いや……この身体の持ち主に降っていたのかもしれない」
「誰かが、その人物を雨の中から引き上げた」
「誰なんだ?」
「紫色の髪」
「その顔に傷があった」
「この身体の持ち主の知り合いなのか?」
僕は頭を押さえた。
――痛っ!
「この痛み、耐えられない」
そして空には花火が上がった。
ヒュゥゥゥゥ!
ドォォン!
また一つ。
ドォォン!
花火が夜空いっぱいに広がっていく。
二日後。
ようやく、大きな扉の前に立った。
身体を固くする。
「このスーツ、好きじゃない」
「特に、後ろにいるあのゴリラがこれを選んだことが気に入らない」
オーリンは僕の後ろで緊張している。
そして、サマラリスは落ち着いていた。
その時、内側からトランペットの音が響いた。
ブォォォォン――!
来客が到着したことが告げられる。
扉がゆっくりと開いていく。
中から光が差し込んでくる。
広い謁見の間。
その奥には……
玉座。
王が座っている。
その隣には王妃。
中から声が響いた。
――客人たちを前へ。
僕はネクタイを締め直した。
「さて」
「ここまで来たか」
「さあ、僕が受け取るべき報酬の時間だ」
「いや……」
「この王国のために、僕の命を捧げた報酬ってことにしておこう」
「あははは。」




