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ほう、目にもの見せてやりますわ

ジェノバス王国では、今現在腐った乙女による革命が起きていた。


男同士の恋愛を描く漫画や小説が世に数多く出回ったのだ。


興奮した身分関係ない乙女達が本屋に殺到し、歓喜の声を上げた。


人気漫画や小説のキャラクターグッズが出ると、我先にと殺到した様は鬼のような迫力があったとか。


そんな漫画や小説の作者は実はと言うとたった一人の令嬢が書いていた。


ピアーズ公爵家令嬢クルオルナ・ルナ・ピアーズ。


午前中は小説を、午後は侍女と分担して漫画を描いていた。


本名ではなく、ペンネームのルナとして描いてるのでバレてない。


だが、公爵である父と兄は小説や漫画を見る度に冷や汗が出た。


もちろんクルオルナの職業を理解しようと読んでるが、男同士の恋愛につい困って冷や汗が出るのである。


時には、父と兄はクルオルナに頼まれて絡むこともある。


父と兄も美形なのでとても絵になるし、構図も描けるからだ。


父と兄が不在の時は、侍従と執事が身体を張って構図のポーズを取ることも。


本当に身体を繋げたりなんか勿論無いが、なんだか新しい扉を開きそうでドキドキだとか。


平民と貴族を元にした漫画では、庭師と執事が濃密に絡み合うポーズを取らされた。


料理人と商人の恋愛を元にした漫画だと、料理人と商人がシチュエーションを再現するために口付けをさせられたりも。


実際、ポーズを取る為に身体を絡めた花屋と酒屋の息子達が結ばれたこともある。


いや、他にも御者や医者、杖職人と魔導師、学園の教師と新人文官

、執事と従僕など数えたらキリがない。



現在もラブラブで、クルオルナの前で濃密なイチャラブを見せることもあった。


そんなある日。


「は?」


新聞を読んだクルオルナは眉間に皺を寄せた。


社交界を自称牛耳ってるピタン伯爵婦人風情が、腐作家ルナを嘲笑するコメントを記事として書かれていたからだ。


内容はこうだ。


最近流行ってる美しい男性達が恋愛する漫画や小説は邪道でしてよ。


世の中、男と女が恋愛するのが基本的で人間の義務ですわ。


邪道があのように人気なのは、穢らわしいですわ。


腐作家ルナ、正体を掴んで社会的に抹殺して差し上げてよ!!


オーホッホッホッホ!!


最後は高笑いで締め括られていた。


「マチルダ」


「はっ」


クルオルナは侍女でアシスタントのマチルダを呼ぶ。


マチルダは栄養ドリンクを飲んで、魔王と勇者の濃厚な合体シーンにトーンを貼っていた。


汗ばんだドアップな魔王と、涙を流す勇者のドアップに心血を注いでいたクルオルナは目を細める。


「ピタン伯爵婦人がルナを侮辱したわ。今まで絡みシーンで協力してくれた腐カップルを集めて頂戴。

ピタン伯爵婦人を一人だけ招いて茶会を開くわ」


クルオルナは笑みを浮かべマチルダに命じた。


「直ちに」


マチルダは一礼すると、トーンを貼り終えてから退出した。


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