第六十一話 「薬探し」
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赤土の荒野、赤い月が浮かぶ空。この景色は何百回と見たヴァルデリア大陸の景色だ。
と俺が窓から景色を眺めていると、馬車が急にゆっくり止まり出した。
俺は、(おいおい何があったんだ?)
とクロノアの方を見に行くと、そこには顔を赤くして倒れているクロノアの姿があった。
俺はカーミラを呼んで診てもらうと
「これは熱だわ。ひどいわね…グレイス。すぐに薬持ってきて…」
と言われた。俺は
「えっ!?薬?俺は知らないけど。カーミラは知らないの?」
と答えると
「えっ…。私いつもクロノアにやってもらってるからわかんないわ。」
と答えた。俺は
(えっ!?)
とどうしようかと考えているとカーミラは
「リリスこっちに来なさい」
とリリスを呼んだ。呼ばれたりリリスはすぐに来て
「何~お姉様?」
と言ってやってきた。
「クロノアが熱で倒れちゃって。薬の場所知らない?」
とカーミラがリリスに聞くと
「私もわかんない」
と言って黙ってしまった。
俺たちがどうしようかと悩んでいると倒れているクロノアが
「たっ…しか…少し…いった…あたりに…ある森が…あります…」
と言いバタンと倒れてしまった。
(そうか。森で薬草を取りに行けばいいのか!)とひらめいた俺はカーミラとリリスを連れて行くことにした。
外に出ると確かに、地平線の彼方に森のようなものが見えるのが確認できた。
俺は急いでいこうと早歩きで出発すると、カーミラとリリスが羽を出して俺の真横を猛スピードで飛んで行った。
俺が(すげ~)と見つめているとリリスが
「ねぇグレイスも吸血鬼にだし、一緒に飛ぼうよ~」
と無邪気に言ってきた。
だが、俺は羽の出し方をわからずに迷っていると
「背中にぐ~と力を入れると生えてくるよ!」
とリリスが教えてくれた。
俺が言われるがまま背中に力を入れると、大きな羽が生えてきた。
俺が驚いて
「わぁっ!」
と声を出すとカーミラが
「さっさと行くわよ」
と言い森に向かって行ってしまった。俺は初めてながらも、飛ぶことに成功することができた。
俺が頑張ってカーミラに追いつくとカーミラは
「もう慣れたの?やるじゃない」
と言った。
俺たちが森に着いて着地すると、羽は背中に自動収納された。俺は初めての羽を使った飛行にに疲れへとへとになって
「はぁ。はぁ。なんか…疲れたな」
と言うと
「言い忘れてたけど、飛ぶのは体力を消費するからあなたにはしんどかったかもしれないわ」
とカーミラに言われた。(早く言えよ…)と言おうと思ったが、言えるほどの体力が残っていなかった。
俺がずっとはぁはぁしていると、それを見かねたカーミラはため息をついて俺に『回復』を使ってくれた。
俺の体力が回復すると、カーミラは
「早くいきましょ。もたもたしてると日が明けちゃう」
と言い俺たちは森の奥に進んでいった。
森の中は夜だからなのか、暗くじめじめしていた。俺は『光』を使い、あたりを照らすと、そこには大きな足跡がいくつもあった。俺が
「この足跡はドラゴンのだ早く薬草を見つけて去ろう」
と言い俺たちは、3時間ほど薬草を探した。
しかし、薬草はなかなか見つからなかった。カーミラは
「まだ見つからないの?あと、数時間で日の出よ。早く見つけないと…」
と言い森の奥に進むと、俺がぐちゃと何かを踏んだ音がした。
俺は何かわからずに下を見ると、大きな卵が割れていた。俺が思わず
「あっ…」
と声を漏らすと、森の奥から数十匹の『劇毒聖竜』が現れた。
俺は身を守りために『最上級防御』を張り、毒のブレスを防いだ。
俺が『劇毒聖竜』に襲われていることに気が付いたリリスやカーミラは魔術を使って『劇毒聖竜』を倒していっていた。
しかし、リリスはなんと
「きゃはは」
と笑いながら、魔術を使い『劇毒聖竜』をぐちゃぐちゃにして倒していた。
それを見た俺は
「リリス!『劇毒聖竜』の毒は浄化すれば薬になる!できるだけ、顔を傷つけずに攻撃してくれ!」
と言うと
「え~」
と言いながらもリリスは狙って攻撃するようになった。
俺も戦おうと思ったころにはすでにすべての『劇毒聖竜』はやられていた。
俺が持っていた空の瓶に毒を詰め、俺は瓶に入った毒に向かって『浄化』を使用した。
すると、濁った緑色だった毒は透明な液体へと変化した。
俺たちはその瓶をもって森を出ると、地平線から太陽が上がってくるのが見えた。
「早く急がないと」
と言い俺たちは羽を生やして馬車に戻った。
馬車に戻ると、倒れているクロノアのまわりにはラング、エリーナ、シビルたちがいた。
俺たちが返ってきたことに気が付くとラングが
「グレイス。クロノアが倒れているんだ!」
と言ってきた。
「知ってるよ。だから薬取りに行ってきたんだ」
と言い俺は倒れているクロノアの口に浄化した『劇毒聖竜』を口に入れた。
すると、カーミラは
「きっと、クロノアは疲れてたのね。ずっと、私が戦闘か馬車の操縦をやらせていたからね」
と言った。
1日が経つとクロノアはぴんぴんしていた。
「お嬢様、御妹様、グレイス様ありがとうございます。私クロノアはこれからも頑張っていきます」
と言って馬車を出した。
キャラクター紹介
【クロノア・ノクティア】
種族:エルフと人のハーフ
性別:女
魔術:最上級まで(無詠唱)
剣術等:ナイフで最上級剣士を圧倒する程度
年齢:不明
身長:160㎝
外見:白髪の胸にかかる程度の長さ。十代後半の見た目
過去は不明であり、物心ついたころには吸血鬼カーミラのメイドとして働いていた。メイドとして非常に優秀であり、カーミラから高い信頼を得ている。
時間を自在に操れる魔術を使える。この魔術は彼女のオリジナルであり、彼女しか知らない。また、時間と密接にかかわっている空間を操ることも可能。彼女が時を止めることができることは、カーミラとグレイスしか知らない。また、なぜ彼女が時を止めれるのかは不明であり、彼女曰く気が付いたらできたらしく、最長時止め時間は20秒くらい。そのため、非常に戦闘力が高い
性格は冷静であり気配りができるが、所々抜けているところがある。
※第六十一話時点
登場生物紹介
【ポイズンドラゴン】
種族:ドラゴン族
全長:3m~5m
小型ドラゴンであり、群れで行動する。生息域は非常に広く、すべての大陸に生息している。住んでいる地域によって毒の性質や濃度が変わるが、すべて非常に強力であり、1滴で人間は即死する。個体数が非常に多く、害獣として嫌われている。
攻撃方法は噛み攻撃かブレス攻撃のみであり。噛み攻撃では牙から直接毒を体内に注入されるため、非常に危険だが単純で避けやすい。ブレス攻撃は毒の濃度が非常に低いため、直撃しても心肺停止になる程度。毒は浄化すると、抗生物質となる。
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