第二十四話 「外出」
俺が聖マーロに帰って1週間が経った。
この一週間、ほとんど家の外に出ず、だらだらと過ごしていたせいで、いい加減飽きてきたので、気分転換に、久しぶりに外へ出ることにした。
扉を開けると、目の前の畑一面が金色に照り輝いている。
ああ。懐かしいなこの風景。
俺は道に沿って歩いた。
この辺は昔から田舎だ。全く人とすれ違わない。
グリバッツ国の王都とは大違いだ。
少しすると修道院が見えてきた。
そういえばマリーネに俺が返ってきたこと言っていなかったな。
俺が修道院に向かうと、中はいつものように静かだった。
中に入ると、相変わらず静まり返っている。
マリーネを探して仕事部屋へ向かうと、案の定そこにいた。
よし。
せっかくだ、少し驚かせてやろう。
俺はマリーネの隣に立っていた蝋燭を狙い、無詠唱で『業火』を放つ。
命中した瞬間、炎は天井に届くほど大きく燃え上がった。
「きゃあっ!!」
驚いたマリーネは椅子から転げ落ち、棚にぶつかって――そのまま気絶した。
「……やべ」
やりすぎた。
俺は、罪悪感を感じ、急いで近くのベットに運んで回復魔術の『回復』を使った。
しばらくして
「ここは?ん?グレイスじゃないの!もしかして私死んだの?うわぁーん」
と起きたと同時に泣き出してしまった。事情を説明すると、マリーネは目を細めて言った。
「お帰りなさい。……こんなに大きくなったのね」
まるで親戚のおじさんみたいな反応だ。
ちょうど昼時だったので、一緒に昼食を取ることになった。
マリーネ特製のパスタ。
久しぶりに食べたが、相変わらずソースが絶品だった。
「あなたがグリバッツ国に行ったって聞いた時、私……大泣きしたのよ。しかも理由がお父さんの借金だなんて聞いて、殴りかかりそうになったわ」
「そしたら、神様に怒られますよ」
「……でも、帰ってきてくれて嬉しいわ」
そう言われて嬉しかった。
昼食を食べ終わると俺はまた、歩き出した。
1時間ほどすると近くの街に着いた。
一度だけ行ったことがある。
この辺では一番大きな街だ。
歩いていると、魔導具屋のショーケースに一本の杖が目に入った。
そういえば、俺ちゃんとした杖持ってなかったな
今までは手から直接魔術を放っていたが、反動も効率も悪い。
普通は中級魔術師程度になれば杖を持つものだ。
それに、単純にかっこいい。
店に入ると、店主が声をかけてきた。
「坊ちゃん、杖かい? 使える魔術の位階は?」
「最上級まで。無詠唱もできます」
「まあ、その年齢で?珍しい。なら、うちにはこれしかないよ」
奥から出てきたのは、俺の身長よりも大きな杖だった。
先端は虹色に輝いている。
「この杖はね、アルマダ山脈で取れる良質な魔鉱石を先端に使っていて、木はセコイヤの木を使用している最上級の品だよ。値段は270マーラだけど、もう7はまけてあげるよ」
俺はその杖を購入した。
いい買い物したなぁ。
ウキウキしながら帰ろうとし、試しに『風竜巻』を使ってみることにした。
次の瞬間
「ちょ、待っ!?」
予想以上の威力で、俺は森の奥まで吹き飛ばされてしまった。
「いてて…なんだよ…」
さっきのせいで俺の体はボロボロだ。
俺は急いで森を出て家に帰った
家に帰ると、ちょうど夕食の時間だった。
今日は疲れたし、ゆっくり休もう。
机に座ると、ダレンが
「そういえば働かないのか?13歳なら働いたらどうだ?社会経験として」
「あーうん...考えとく」
曖昧な返事をしてとりあえず逃れた。この世界でも働かないといけないのかぁ。
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