第二十四話 「外出」
俺が聖マーロに帰って1週間が経った。
この一週間ほぼ家の外に出ておらず、家の中でだらだらと過ごすのも飽きたので外に出ることにした。
外に出ると目の前の畑が一面金色に照り輝いていた。
俺は、畑の沿いを歩くことにした。
この辺は昔から田舎だ。
全く人とすれ違わない。
グリバッツ国の王都とは大違いだ。
少しすると修道院が見えてきた。
そういえばマリーネに俺が返ってきたこと言っていなかったな。
と思い行ってみることにした。
いつものように修道院の中は静かだった。
マリーネを探しているとマリーネの仕事部屋にいくとマリーネがいる。
俺は、マリーネを脅かそうマリーネの隣のろうそくめがけて無詠唱で『業火』を放った。
ろうそくに命中すると炎が天井まで届くほど大きな火をあげた。
それに驚いてマリーネは椅子から転げ落ち近くの棚に激突し気絶してしまった。
俺は、やり過ぎてしまったと罪悪感を感じ、急いで近くのベットに運びこんで回復魔術の『回復』を使った。
少しすると
「ここは？ん？グレイスじゃないの！もしかして私死んだの？うわぁーん」
と起きたと泣き出してしまった。
俺はマリーネに何が起きたかどうかを話すとマリーネは
「お帰りなさい。こんなに大きくなったのね」
と親戚のおじさんみたいなことを言われた。
ちょうど昼食の時間だったので昼食をマリーネと食べることにした。
昼食は、マリーネ特製のパスタだ。
マリーネのパスタはソースが非常にうまい。
久しぶりに食べたが、うますぎた。
俺は昼食中マリーネとこんな会話をした。
「私ね。あなたがグリバッツ国に言ったと聞いた時大泣きしたのよ。しかもあなたの父の借金が理由なんて聞いた時あなたの父に殴りかかったのよ」
「そうなんですか？神様に怒られますよ」
「そうよね...けど、帰って来てくれて嬉しいわ」
そういわれて嬉しかった。
昼食を食べ終わると俺はまた、また、歩き出した。
1時間ほどすると近くの町に着いた。
一度だけ行ったことがある。
この辺では一番大きな町だ。
俺は町を歩いていると、ある魔導具屋の前のショーケースに杖があった。
そういえば俺、まだ、魔術用の杖持ってなかったな。
俺は今まで手から魔術を出していた。
だが、それだと魔術の反動や魔力効率が悪い。
だから、一般的には中級魔術師程度になれば、大半の魔術師は、杖を買うものだ。
ラガーやランスター、サヴァ、ツェネガー教授もみんな持っていた。
俺はたまたま魔力量が多いため、それほど効率を気にしなくてよかったからだ。
だが、それでも杖を持つことはかっこいい。
俺はすぐに買うと決めた。
店の中に入るといろんな魔導具が置いてあった。
近くにいた店主に杖を買いたいと言うと。
店主が
「あらぼっちゃん。杖が欲しいの？どのくらいまで魔術が使えるかによって変わるから言ってごらん。」
「最上級までですね。無詠唱も基本的にはいけますよ。」
「まあ、その年齢で？珍しい。なら、うちにはこれしかないよ。」
と言って奥から俺の身長よりも大きな杖が出て来た。
杖の先端は虹色に輝いていた。
「この杖はね、アルマダ山脈で取れる良質な魔鉱石を先端に使っていて、木はセコイヤの木を使用しているから、頑丈で特に水属性魔術と炎属性魔術の攻撃力は手から出るやつと比べると1.75倍。他の属性でも1.5倍になるよ。値段は20金貨7銀貨だけど、もう銀貨はまけてあげるよ」
と言われた。
「20金貨？マーラじゃないんですか？」
と聞いた。
「マーラァ？ここじゃ使えないよ。両替屋に行って両替してきな。そこの角を曲がって左にあるよ」
と言われ、両替屋に向かった。
両替屋に行くと20金貨分マーラを交換してくれというと
「20金貨分ならだいたい、200マーラだな。」
と言われ、小袋からを出して20金貨を手に入れた。
急いで魔導具屋に戻ってあの杖を買った。
俺はウキウキで家に帰ろうと町を出た。
俺はすぐに帰るために、『風竜巻』を試しに使ってみることにしてみた。
すると、いつもよりも大きな竜巻がてきた。
俺はその竜巻の中に入って移動しようとすると思いの外、パワーが強過ぎたのでどこか分からない森まで飛ばされてしまった。
ここはどこか確認しようと近くの木に登ろうとするとそこには猿がいた。
俺は目を合わせないように木を掴むとその猿が急に迫って来た。
俺は急に迫って来た猿にビビって大急ぎで逃げた。
猿もすごいスピードで追いかけて来た。
俺は急いで逃げると大きな草むらに入った。
草むらを出るとそこは、いつもの家の裏庭だった。
安心していると、後ろから猿の群れが出て来た。
俺はいつものように『業火』で焼き払った。
家に帰ると、ちょうど夕食の時間だった。
今日は疲れたゆっくり休もう。
と思い机に座ると、ダレンが
「そういえば働かないのか？13歳なら働いたらどうだ？社会経験として」
と言われた。
俺は
「あーうん...考えとく」
と曖昧な返事をしてとりあえず逃れた。
この世界でも働かないといけないのかぁ。
※1マーラ＝1銀貨
10銀貨＝1金貨
1マーラ＝1000円
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