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第二十一話 「ジュエリードラゴン」

宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』が吹雪の中から現れるとすぐにキラキラと輝くブレスを吐いてきた。ブレスの範囲は、広い。

俺たちは、間一髪で避けたがブレスに当たった大岩はキラキラと輝きながら瞬時にマグマのようにドロドロと溶けていった。

それを見たほかのいくつかのパーティーは急いでふもとのほうに逃げて行った。

残ったのは俺たちのパーティーを含め3パーティーだけだった。


俺たちは、急いで臨戦態勢に入った。

俺は、『聖水壁(ウォーターウォール)』を『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』に放ったが、ブレスを吐かれ、大量の水がキラキラしながら、蒸発してしまった。

ギャバスやミラも剣や弓で応戦しているが効き目が一切ない。

するとランスターが、


「『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』の鱗は、一般の魔術では硬すぎて傷一つも与えられない。一点集中で攻撃すれば何とかなるはずだ」


だと言った。

何とかなるってなんだよ。

(わけがわからないよ)

とりあえず、俺は、一点集中の魔術を考えた。


今までさんざん魔術について学んできたのに思い浮かばない。

俺が考えている間に、ギャバスが『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』の左腕に攻撃をしてくれていた。

そのおかげで多少は、傷が付いたように見えた。


俺は、頭の中から無理やり絞り出して『聖水竜巻(ウォータートルネード)』を放った。

この魔術は、当たる範囲さえ、調整すれば超高火力の一点集中の攻撃ができる。

俺の放った『聖水竜巻(ウォータートルネード)』は、『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』の左腕に当たり、左腕を吹き飛ばした。


左腕を吹き飛ばされた『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』は激怒し、口に魔力をため始めた。

口に溜まったエネルギーは、白色にキラキラと輝いていた。

それは、まるで大きな真珠のようだった。

そして、たまったその魔力を一気にブレスとして撃ってきた。


そのブレスの反動で、吐き出した本人の『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』でさえ10mは、後ろに下がった。

俺たちは先に避けていたおかげで、ブレスは地面に直撃した。

直撃した地面は半径20mほどえぐれ、底が見えないほど深い大穴ができた。俺は、恐怖で失禁してしまった。

俺は周りを見ると多くの人が恐怖で失禁していた。


だが、一人だけこれだけの攻撃を見てもなお、ずっと『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』のほうを見ている男がいる。

それは、ランスターだ。

すると、一番『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』の近くにいた他のパーティーの魔術師に『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』は大きな牙のついた大きな口を開け向かっていった。

その魔術師は慌てて急いで攻撃しようとし炎属性の攻撃を放ったが、一切『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』効かずそのまま魔術師の体をねじるように殺した。

そして、その魔術師の死体を踏み潰すと大きなうなり声をあげた。


その姿はまるで殺しを楽しんでいるような動きだ。すると、ランスターは怒った様子で


「貴様は何人を殺した?お前には、永遠の罰が必要だ。」


といった。

その声に反応したのかランスターのほうを向いた『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』が、ブレスを撃とうと口にエネルギーをためていた。誰もが、ランスターが危ないと思った。

すると、ランスターが


「.......撃って良いのは撃たれる覚悟がある奴だけだぜ。お前のように殺すだけの奴は死んで当然だ。さあ、死を味わえ」


といった。

そしてランスターの杖の先から黒紫色の禍々しいものが出てきて放った。

ちょうどランスターが放った瞬間に『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』のブレスも放たれた。

その二つがぶつかった瞬間辺りは真っ黒な黒煙におおわれた。

黒煙がなくなったとき、俺が最初に見たのは頭部がぐちゃぐちゃになった『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』が見えた。

俺は、その次にランスターが見えた。

ランスターは小声で


「お前は俺を怒らせた」


と言っていたのがかすかに聞こえた。

俺たちは急いで『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』の死骸のところに行き、骨や鱗を大量に集めた。

持ち切れなかった分は、他の生き残った別のパーティーに譲ってあげた。俺達は急いでふもとのキャンプ場に向かうと大きな歓声とともに多くの人に祝ってもらえた。

俺達はキャンプ場にあるギルドに行って持ち帰ったものを査定に出した。

査定に出している間、俺達はウキウキしており、周りにいた多くの人と話をした。

査定の結果は、『氷結聖竜(フローズンドラゴン)』からとった牙などが、1万マーラ。


そして、『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』の鱗や骨などが1000万マーラになった。

俺たちは話し合いの結果『宝石聖竜(ジュエリードラゴン)』を倒したランスターに半分の約500万マーラをあげて、残りの約500万マーラを4人で山分けすることになった。

そのことをランスターに伝えに行くと。


「500万マーラ?俺には必要ないお前にやる。だから借金が早く返せ。もう5年だ。早く家族に会いたいだろ?」


と言ってくれた。

これで借金返済ができると心を躍らせながら、ランスターに感謝している。

早く神聖マーロ帝国に帰って家族に会いたいな。

と思い俺たちはグリバッツ国の王都に戻る馬車に乗った。

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