第十六話 「旅路」
俺たちが馬車に乗って数時間が経った。景色は、荒野から少しずつ緑色の平原に変わってきている。
俺がぼーっと窓を眺めていると急にギャバスが
「まだぁ~」
と疲れた声で言ってきた。すると、御者が
「あと2日程です」
「はぁ?なんでなんだよー」
とギャバスがカンカンに怒っていたが俺たちでなだめてた。すると、馬車がゆっくり止まり、御者が馬を降りた。
「この辺で昼食にしましょう」
と言った。俺たちも馬車を降りるとサヴァが
「どこにあるの?昼食は?」
「そんなの現地調達ですよ。」
その言葉に俺たちはショックを受けた。なぜなら前に同じように現地で昼飯を調達して、食中毒にあたってもだえ苦しんだことがあるからだ。だが、御者はそのまま近くの草を集めて鍋に放り込んでいる。
その様子に、俺たちは御者に
「そんな雑に草を入れると食中毒になりますよ」
と言ってやった。すると
「大丈夫ですよ。見分けるコツがあるんですよ。食中毒になるのはこの草、名前は確か…『毒死草』というそうです。ほかの草に比べて葉の裏が紫がかっているのが特徴です。」
と優しく説明してくれた。俺たちはほぉ~感心し、言われたとおりにして草を選別して、鍋に入れてた。
サヴァが
「肉がねーじゃん。」
と言った。その通りだ肉が一切ない。周りを見渡すと少し遠くにスライムがいた。俺はこっそりと近づいてから、スライムに向かって『業火』を撃って倒した。ついでに焼けたし一石二鳥だ。
すると、サヴァが
「スライム食べるの?大丈夫?」
と言ってきた確かにそうだ。こんな生物を食べることができるのだろうか?
すると、御者が
「大丈夫ですよ。ソースをかけて食べるとそれはそれは絶品です」
「ソースはどこにあるんですか?」
と俺が聞くと
「あ…。まあ、そのままでもおいしいですよ」
と言った。
そのまま俺たちは飯を食った。
飯を食べ終わり、案外うまいなぁ~と俺たちが余韻に浸っていると雨が降ってきた。
俺たちは急いで馬車に乗って道を進み始めた。少しすると、馬車が急に止まった。何事かと思い窓の外を見るとそこには百匹以上ものコヨーテがいる。
すると御者が
「コヨーテの縄張りに入ってしまったようです。このままでは…」
俺たちはすぐに武器を持って外に出た。御者は
「おやめください!あなた方が死んでしまっては私がクビになってしまいます!!」
と言ったが俺たちは一応Bランクのパーティーだ。コヨーテなんて何千匹も殺してきている。
俺はすぐに『聖水壁』を放った。これで大半のコヨーテはやっつけた。
残りのコヨーテはギャバスがいつものようにやってくれた。
あっけなく終わった。御者とても驚いていたが俺たちがBクラスパーティーだということがわかるとすぐに納得してくれた。
そしてまた、馬車に乗った。
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