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舞台袖
ステージでの熱が冷めきらないのか、密着した肌はしっとりと汗ばんでいて嫌なはずなのに触れると心地よい。
薄いベールからのぞく腕は筋肉質で太く、大きなスリットが入ったドレスからのぞく胸元は女性のように丸みを帯びておらず、硬く分厚い胸板が規則的に上下していた。
美しい女の姿をした男は、自分を抱きしめる少女の肩をゆっくりと掴むと、静かに顔を上げさせる。
幕の隙間から漏れるスポットライトの閃光が少女の瞳を照らした。
男はゆっくりと少女に顔を寄せると、まっすぐにその目を見つめる。
一瞬、濃いアイシャドウに縁どられた瞳が揺れたように見えたが、男は強い声で告げた。
「私があんたの叔父さんになる」
少女はその言葉に目を見開く。その瞳は目の前の男の姿しか映さない。その耳は伝えられた言葉の音しか聞き取れない。
男の小さく叫んだ胸の振動は、誰に届くこともなく消えていった。




