69/82
f-11 それが全能結晶の無能力者<1>
f-11 それが全能結晶の無能力者<1>
まるで結晶が散りばめられたような星の海。
その星の海の下で、小さな結晶の物語が織り成されていた。
けれどお別れをしよう。
そう、この異常に。
だからお別れをしよう。
ああ、その狂気に。
そしてお別れをしよう。
うん、あの終焉に……。
きっとここから始まるのだろう。
これは末端。
世界全ての物語ではなく、切り離された一片。
誰も知らない。知る者は少ない。
結晶が織り成す最後の、最期の――