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第5話:「反撃の狼煙と、最初の標的」

第5話をご覧いただきありがとうございます!


松岡物産のエンジニアたちが必死に仕掛けたハッキングの裏で、逆にその網を潜り抜け、敵のメインサーバーを丸裸にしていく治臣。圧倒的な技術力の差を見せつける爽快なシーンをお届けしました。

虎の尾を踏んだライバル企業が迎える結末とは――? 怒涛の反撃劇の続きをぜひお楽しみください!

松岡物産の本社ビル、深夜三時。静まり返ったオフィスの一角で、数名のシステムエンジニアが青白いディスプレイの光に照らされながら、険しい顔でキーボードを叩いていた。


「くそっ、また弾かれたぞ! 西園寺のセキュリティは一体どうなっているんだ……!」


主席エンジニアの男が、血走った目をこすりながら悪態をつく。彼らは数日前から、西園寺グループの次世代通信規格に関する機密データを盗み出すため、社命を受けて執拗なハッキングを繰り返していた。


しかし、どれほど巧妙なスクリプトを送り込んでも、寸前のところで完璧に迎撃され、逆にファイアウォールの奥底へと押し返されてしまう。


「先輩、これ以上無理にこじ開ければ、こちらのIPが逆探知されかねません! もう撤退を……」

「馬鹿野郎! ここで引いたら役員連中にクビにされる! あと一歩でバックドアが開くんだ、総力を上げろ!」


彼らが気づいていないのは、その「総力」を上げた試みこそが、西園寺治臣の仕掛けた罠のトリガーだったということだ。


数キロ離れた西園寺家のプライベート・ラボ。曲面モニターの光を浴びながら、治臣は冷ややかな笑みを浮かべていた。


「愚かな。扉をこじ開けようと必死になるあまり、自分がどこへ招き入れられているかすら気づいていない」


治臣の指先がリズミカルにキーボードを叩く。松岡物産のエンジニアたちが送り込んできた不正アクセスの通信経路を完全に逆用し、治臣の構築した「アルカトラズ・プロトコル」の逆流コードが、彼らのメインサーバーへと音もなく滑り込んでいく。


侵入成功――。


モニターの画面が切り替わり、松岡物産内部のネットワーク構造が丸裸になって映し出された。そこには、新製品の設計図データの盗み出しだけでなく、競合他社に対する露骨なサイバー工作の履歴、さらには政治家や官僚との黒い癒着を示す不正な裏金のデータまでが、ご丁寧なことに綺麗に整理されて保存されていた。


「これだけの証拠があれば、警察やメディアに持ち込むまでもない。……いや、公表するよりも、もっと美味しく料理できそうだな」


治臣はマウスを操り、松岡物産のサーバー内に残されていた不正アクセスの痕跡を、自分たちの足跡も含めて完全に消去していく。


同時に、彼らが不正に入手しようとしていたデータの一切を無効化し、代わりに松岡側の根幹システムをいつでも遠隔操作できる「バックドア」をしっかりと植え付けた。


証拠はすべて手に入った。相手は自分たちがハッキングに失敗し、逆に牙城を脅かされていることすら気づいていない。


治臣はチェアの背もたれに深く体を預け、グラスに注がれたミネラルウォーターを一口飲んだ。


「さて、準備は整った。明日にも、我が父を通じてこの『証拠の断片』を松岡の役員会に叩きつけてやろう」


前世で泣き寝入りするしかなかった理不尽な世界。しかし今の自分には、圧倒的な技術力と、相手を合法的にひれ伏させるための武器がある。松岡物産が西園寺グループに牙を剥いた代償は、彼らが想像するよりも遥かに高くつくことだろう。


静まり返ったラボの中で、治臣の瞳が鋭く、そして美しく光り輝いていた。

第5話「反撃の狼煙と、最初の標的」をお読みいただき、ありがとうございます!


侵入されたことにすら気づかず、逆に弱みをすべて握られてしまった松岡物産。前世の無力だった自分とは違う、圧倒的な力と知略で裏からすべてを支配していく治臣の姿に、痺れていただけたでしょうか。

次回、第6話ではいよいよ父・重光から告げられた脅威に対し、治臣が水面下で仕掛ける「最初の交渉」が描かれます。完璧なざまぁ展開にご期待ください!

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